第30回
フェブラリーS(17日、東京11R、GI、4歳上オープン国際(指)、定量、ダ1600メートル、1着本賞金9400万円 =出走16頭)16頭立てで単勝10倍以内に7頭がいる激戦は、
浜中俊騎乗の3番人気
グレープブランデーが鮮やかに差し切って砂の王者の座に就いた。タイム1分35秒1(良)。3歳時に交流GIジャパンダートダービーを勝っているが、JRA・GIは初制覇だ。10年の覇者で9番人気の
エスポワールシチーが2着、7番人気
ワンダーアキュートは2年連続3着。ダート初挑戦だった1番人気
カレンブラックヒルはブービーの15着だった。
JRAの今年のGI開幕戦を制した。
グレープブランデーの手綱を取った
浜中俊騎手は、何度も右手を突き上げた。
「本当にうれしい。久しぶりにGIで勝てて、ホッとしています」
道中は中団で内ラチ沿いを追走し、直線の残り2ハロンで外へ。残り50メートルで粘る
エスポワールシチーをかわし、3/4馬身差をつけてゴールだ。
浜中にとって2009年
菊花賞(
スリーロールス)以来のGI2勝目。“アンカツ”こと
安藤勝己元騎手がプレゼンターを務める表彰式に勇躍、臨んだ。
デビュー6年目の昨年は131勝を挙げてJRAリーディングに輝いた。だがGIは12戦で
宝塚記念3着(
ショウナンマイティ)が最高。「GIで勝てないのが悔しくて、かっこ悪かった」。
暮れの
阪神JFは1番人気
コレクターアイテムで4着、
朝日杯FSでは2番人気
エーシントップで8着。「余計な力が入っていた」と猛省した結果、「きょうは冷静にできた」とほほ笑む。
そんな24歳の若武者に導かれた5歳馬
グレープブランデーにとっても、待望のタイトルだ。2011年7月に交流GI・ジャパンダートダービーを制した後、右前脚蹄骨骨折で戦線離脱。昨年5月に復帰し、今年1月の前走・GII
東海Sで圧勝。今回、完全復活を果たし砂の王者となった。
ドバイのゴドルフィンマイル(3月30日、メイダン、GII、AW1600メートル)に登録しているが、今後は未定。JRAのもう1つのダートGI・JCダート(12月1日、阪神、GI、ダ1800メートル)で、今回不在の昨年のJCダート馬
ニホンピロアワーズ、東京大賞典勝ち馬
ローマンレジェンドなどとの対決を待ち望む。 (川端亮平)
東京11R・
フェブラリーSの着順・払戻金 ★PCはこちら ★スマホはこちら
【
グレープブランデー】 父
マンハッタンカフェ、母
ワインアンドローズ、母の父ジヤツジアンジエルーチ。黒鹿毛の牡5歳。栗東・
安田隆行厩舎所属。北海道千歳市の社台ファームの生産馬で、馬主は(有)社台レースホース。戦績16戦7勝(うち地方1戦1勝)。獲得賞金は2億9675万1000円(うち地方4500万円)。重賞は2011年交流GIジャパンダートダービー、13年GII
東海Sに次いで3勝目。
フェブラリーSは
安田隆行調教師が11年
トランセンドに次いで2勝目。
浜中俊騎手は初勝利。