第37回エリザベス女王杯(11日、京都11R、GI、3歳上牝馬オープン国際(指)、定量、芝・外2200メートル、1着本賞金9000万円 =出走16頭)
柴田善臣騎乗の7番人気
レインボーダリアが直線で大外から鋭く伸び、食い下がる
ヴィルシーナをクビ差かわしてゴール。重賞初制覇をGIで果たした。タイム2分16秒3(重)。断然の1番人気だった
ヴィルシーナは、牝馬3冠レースなどに続き2着。3番人気
ホエールキャプチャは10着、2番人気
フミノイマージンは11着だった。
たたきつけるような雨を切り裂いた。伏兵
レインボーダリアが鮮やかな差し切り劇。重賞初制覇をGIでやってのけた。
柴田善臣騎手は愛馬の上で力強く右こぶしを2度握った。
「うれしいですね。馬の状態がよかったので自信を持っていけた。最後の勢いはこっちの方が上だったので、(
ヴィルシーナを)押さえ込めるなと思ってました」
道中は中団を追走。3コーナー付近から外めを通って、徐々にポジションを上げた。最後の直線は馬場状態のいい外めに進路をとって
ゴーサイン。残り200メートルから、内で脚を伸ばす
ヴィルシーナとの叩き合いとなったが、クビ差抑えてゴールを駆け抜けた。
“天”を味方につけた勝利だった。エリザベス女王杯は32年連続で良馬場で行われていたが、この日は朝から降り続いた雨で重馬場に。これまで重馬場以上の道悪で勝利を挙げていたのは、出走16頭中で
レインボーダリアだけだ。
2010年の
宝塚記念(
ナカヤマフェスタ)以来、2年ぶりにGIを制した関東の2000勝ジョッキーは「力を要する洋芝で力を出してくれていた。返し馬でも(道悪は)上手だなと思った」と語り、額に流れる雨粒をぬぐった。
今夏の北海道シリーズで1600万下を勝ち上がり、5歳秋でつかんだビッグタイトル。「3歳世代が強いといわれていますが、この馬も北海道シリーズから力をつけてきている。GI馬として恥じないレースができると思う」。柴田善騎手が胸を張る。淀のターフを彩った鮮烈な“虹”。
レインボーダリアの未来は明るい。 (川端亮平)
◆雨のエ女王杯 エ女王杯は37回目にして初めて雨の中で行われた。馬場状態も第1回1976年が稍重、第4回の79年が不良だった以外はすべて良馬場だったが、今年は初の重。勝ちタイム2分16秒3は2200メートルで施行されるようになった96年以降、最も遅いタイム。
◆3年ぶりの関東馬の優勝 エ女王杯で関東馬は2009年クイーンスプマンテ以来3年ぶりの13勝目。関西馬22勝で、ほかに英国の
スノーフェアリーが2勝。今年のJRA平地GIは16レース終了し、関東馬は
ヴィクトリアマイルの
ホエールキャプチャ、
安田記念の
ストロングリターンに次ぐ3勝目。
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