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第48回小倉記念(5日、小倉11R、GIII、3歳以上オープン、国際、特指、ハンデ、芝2000メートル、1着賞金4000万円=出走12頭)サマー2000シリーズ第3戦は、浜中俊(すぐる)騎乗の3番人気エクスペディションが好位から差し切って重賞初制覇。北九州市出身の浜中騎手は、同レースの連覇を達成するとともに、今年の通算勝利も82に伸ばし、全国トップを猛進だ。タイム1分57秒3(良)。2着は1番人気のトーセンラー、3着には9番人気のナリタクリスタルが入った。 自分の“庭”で主役は譲らない。エクスペディションを重賞初制覇に導く会心の騎乗。体にまとわりつくような熱気が充満するターフで、浜中俊騎手の笑顔が弾けた。 「地元が小倉なので、連覇できて幸せな気持ちです。ここ最近はこの馬らしくなかったですが、相性のいい小倉で勝ってくれてうれしいです」 会心の復活劇だった。道中は好位で折り合いをつけ、スムーズに4コーナーを回って直線へ。右ムチに呼応してギアを入れると、残り100メートルで手応え十分に抜け出した。最後は2馬身半差の快勝で、2004、05年の武豊騎手に続く史上2人目の同レース連覇。地元ファンの歓声に、左拳を握って応えた。 北九州市出身。「小倉では気持ちが充実している。毎年、ここで勝ち星を積み重ねるのがパターンですからね」と気合が入る。その言葉通り、この週も3勝を積み重ねて今年通算82勝とし、リーディングジョッキーの座をキープ。さらにサマージョッキーズシリーズでも2位につける。浜中とのコンビで重賞4勝目を挙げた石坂調教師が「リーディングだから、なかなかウチの馬に乗ってくれなくなったよ」とジョーク交じりで語るほど、今は充実感に満ちている。 そんな鞍上の好プレーに導かれたエクスペディションは、小倉5勝目と得意のコースで見事に復活。前走GIII・七夕賞で8着に敗れ、追い切りからメンコを外した策もはまった。トレーナーは「もどかしかったけど、一番いいレースを勝ってくれた」とうなずいた。今後は昨年のイタリアンレッドに続くサマー2000シリーズ制覇をにらみ、新潟記念(9月2日、新潟、GIII、芝2000メートル)に向かう。 「(リーディングの立場で)求められるモノは高くなってくる。これからも気を引き締めて乗っていきたい」 自らに言い聞かせるように締めくくった23歳の九州男児は、まだまだ勝ちに飢えている。(川端亮平)