第17回
マーメイドS(17日、阪神11R、GIII、3歳上牝馬オープン国際(特指)、ハンデ、芝・内2000メートル、1着本賞金3500万円=出走14頭)1番人気
グルヴェイグが、中団から直線で力強く伸びて重賞初勝利を飾った。タイム1分59秒9(良)。豪州の名手、クレイグ・ウィリアムズ騎手(35)は、
エプソムCの
トーセンレーヴ(
ブエナビスタの弟)に次ぎ、2週連続で良血馬を重賞初Vに導いた。この後は休養に入り、秋は
エリザベス女王杯(11月11日、京都、GI、芝2200メートル)でビッグタイトル奪取を狙う。
梅雨の合間の日差しを浴びて、超良血馬の素質が完全に目覚めた。4歳馬
グルヴェイグが重賞初制覇。前走のホンコンJCT(1000万下)に次ぎ勝利をエスコートした豪州のクレイグ・ウィリアムズ騎手は、興奮気味にまくし立てた。
「好位で競馬をしようと思っていた。不安もあったけれど、快勝だったね。小さい馬なのでハンディはあるけど、ハートがとても強いね」
道中は5番手をキープ。4コーナーで周囲の馬がひるむほどの力強さで抜け出すと、残り100メートルで先頭に立ち、最後は2馬身差の快勝だった。これで3連勝。まだ1600万下で格上挑戦だったが、昨年、
オークス(14着)、
エリザベス女王杯(14着)とGIに挑んだキャリアは上位で、この相手ではスケールの大きさも違った。
父が
ディープインパクトで、母系は名門ファミリー。母
エアグルーヴ(1997年年度代表馬)の産駒は
アドマイヤグルーヴ(父サンデーサイレンス)、
フォゲッタブル(父
ダンスインザダーク)、
ルーラーシップ(父
キングカメハメハ)に次ぐ重賞制覇で、97年に母、2004年に姉が勝ったレースで
グルヴェイグも重賞初勝利だ。4歳を迎えてカイバをしっかり食べるようになり、体質が強くなった。それが今の躍進の原動力ともなり、
角居勝彦調教師は「きょうだいがみんな成長していくので、この馬も、もっと強くなってくれると夢を見ています」とさらなる飛躍を願う。
5月5日から騎乗して重賞4勝と絶好調のウィリアムズも「まだ上があると思うよ」と将来性を高く評価する。
グルヴェイグは秋まで休養し、
エリザベス女王杯でのGI初制覇が目標。その前に、24日の
宝塚記念でウィリアムズ&兄
ルーラーシップのコンビが、国内のビッグタイトル奪取に挑む。 (川端亮平)