第145回天皇賞・春(29日、京都11R、GI、4歳上オープン国際(指)、定量、芝・外3200メートル、1着本賞金1億3200万円=出走18頭)“現役最強馬”は惨敗-。1番人気
オルフェーヴルは、
阪神大賞典(2着)のように逃避する面は見せなかったものの、後方から伸びず11着同着に敗れた。優勝は14番人気
ビートブラック。タイム3分13秒8(良)。後続を大きく引き離す積極的な競馬で、2周目3コーナー先頭から粘り込んで大金星。
石橋脩騎手(28)=美・柴田人=は、GI初制覇を飾った。3連単は145万2520円の大波乱だった。
後続各馬を大きく引き離す積極的な競馬で、栄光を手に入れた。2番手から早めに先頭に立った
ビートブラックが、最後の直線で独走。実績馬を寄せ付けず、待望の重賞初VをGIで飾った。
「(GI勝ちが)まだ信じられないですね。後ろの馬がじっくりと構えてくれれば、と思っていて、その通りの理想の競馬になりました」
大波乱を演出した
石橋脩騎手が、殊勲の勝利に笑顔を浮かべた。最内枠から好スタートを決めると、先手を主張する
ゴールデンハインドを行かせて2番手に位置。そのまま2頭で後続をグングンと引き離し、2周目の向こう正面では、後方集団に20馬身以上もの差をつけていた。それでもペースを緩めることなく、強気に自分の策を貫いた。
「(戦法は)これしかないと思っていました。バテたら先生(中村調教師)に謝ろうと。レコードが出るような馬場。ペースを落とさずに、思い切って行きました」
2周目3コーナーで早々と
ゴールデンハインドをかわして先頭に躍り出ても、後続が迫ってくる気配はない。直線に向いても3番手以下に10馬身以上のリード。豊富なスタミナを生かして、そのまま堂々と押し切った。
中村均調教師は、1996年の朝日杯3歳S(
マイネルマックス)以来、16年ぶりのGI制覇。また、父の
中村覚之助調教師(72年秋ヤマニンウエーブ)との天皇賞父子制覇も達成して満面の笑み。「3、4コーナーで『後ろを離しすぎだろ』とは思いましたが、鞍上の判断が正しかった」と
石橋脩の騎乗を称えた。単勝159・6倍での勝利だったが、GI奪取は底力があればこそ。淀の長丁場を乗り切った自信が、
ビートブラックをさらに強くする。 (宇恵英志)