第62回ダイヤモンドS(18日、東京11R、GIII、4歳上オープン国際、ハンデ、芝3400メートル、1着本賞金4000万円=出走16頭)吉田豊騎乗の15番人気の伏兵ケイアイドウソジンが後続の追撃を振り切って、逃げ切りV。重賞初勝利を飾った。タイム3分36秒8(良)。2着には追い込んだ1番人気のギュスターヴクライが入り、先行した2番人気のスマートロビンが3着。単勝は1万9000円、(3連単)は94万7270円という波乱の決着となった。 あっと驚く逃走劇だ。先手を奪ったケイアイドウソジンが3400メートルをまんまと粘り切ってしまった。 「うまく逃げることができましたね。長距離を上手に走ってくれたけど、まさか1着とはね…」と会心の手綱さばきを見せた吉田豊騎手は笑顔が弾けた。 芝の中距離路線で頭打ちになったことから、ダートに転向したが、前走の師走Sは14着に敗れ、11日のアルデバランS(京都、ダ1900メートル)は除外。新境地を求め、長距離のダイヤモンドSに挑んだことが、思わぬ激走を呼び寄せた。 「ジョッキーが絶妙のペース配分で逃げてくれた。それにしても、これで8勝目ですからね。大した馬です」と田村康仁調教師は愛馬のがんばりを称えた。 ノーマークの逃げとはいえ、ラスト3ハロンをしっかりと35秒2でまとめおり、ステイヤーとしての資質は本物だ。今後は未定だが、天皇賞・春(4月29日、京都、GI、芝3200メートル)を頂点とした長距離路線に、意外性を秘めた個性派が新たに加わることになった。 (加藤隆宏)