第63回朝日杯フューチュリティS(18日、中山11R、GI、2歳牡牝オープン国際(指)、馬齢、芝・外1600メートル、1着本賞金7000万円 =出走16頭)デビューから連勝で1番人気に支持されたクレイグ・ウィリアムズ騎乗の
アルフレードが、好位の内から直線で力強く抜け出してV。3連勝でGI初制覇を決めた。タイム1分33秒4(良)は、04年の
朝日杯FSで
マイネルレコルトがマークした2歳コースレコードに並ぶ好タイム。関東から登場した新星の今後が楽しみになった。
デビューから無傷の3連勝で、2歳王者の座を射止めた。豪州の豪腕クレイグ・ウィリアムズ騎手に導かれた
アルフレードが、直線で内から鮮やかに抜け出して、2馬身差の完勝。関東から待望のヒーローが誕生した。
「アリガトウゴザイマス! (外枠不利のコースで)(3)番枠に入ったので、その
アドバンテージを生かそうと思った。追い切りに乗ったマサミ(松岡騎手)からいい感触と聞いていたし、自信を持って乗ったよ」
初騎乗で10年天皇賞・春(
ジャガーメイル)、今年の
NHKマイルC(
グランプリボス)に次ぐJRA・GI3勝目を挙げたウィリアムズが、顔をクシャクシャにして喜ぶ。好スタートから4番手の内で折り合い、直線で内に空いたVロードを突き進む。まさに完ぺきの騎乗。11月19日の東京競馬で落馬して右鎖骨を骨折し、今週から調教騎乗を再開した松岡も、デビュー戦でコンビを組んだ
アルフレードの勝利に「久しぶりに真面目に追い切ったから」と満足そうな表情を見せた。
手塚貴久調教師はJRA・GIは23度目の挑戦で初勝利。前週の
阪神JFでは
アイムユアーズで2着に惜敗していただけに、思いは強かった。
「開業して13年、やっとGIを勝てました。来週の
ホープフルS(OP)も考えたのですが、朝日杯にしてよかった」
さわやかな笑顔で振り返り、競馬場に招いた父・佳彦さん、母・光子さんと写真に収まった。公営・宇都宮競馬(廃止)の元調教師で、日本記録の平地29連勝を樹立したドージマファイターを手がけた佳彦さんは「夢みたいです」と長男を頼もしげに見つめた。
関東馬は
阪神JFまでGI11連敗だったが、これでストップ。
アルフレードが東の若大将として12年クラシック戦線を引っ張る。次走は騎手も含めて現時点では未定だが「ダービーを獲れる潜在能力を感じさせる勝ちっぷり。その時も来たい」とウィリアムズは最大限の賛辞を贈った。524キロで
朝日杯FS最高体重優勝馬となった
アルフレードには、馬体のように大きな夢が広がっている。 (森田実)