第63回
阪神ジュベナイルフィリーズ(11日、阪神11R、GI、2歳牝馬オープン国際(指)、馬齢重量、芝右・外1600メートル、1着本賞金6500万円 =出走18頭)2歳女王決定戦の
阪神JFが11日、阪神競馬場で行われ、
福永祐一騎乗の4番人気
ジョワドヴィーヴルが能力の違いを見せて優勝。
ブエナビスタとの姉妹制覇を果たした。コンビを組んだ
福永祐一騎手(35)が、サンスポに独占手記を寄稿。JRA史上初となるキャリア2戦目でのGI制覇に、「今から来年が楽しみです」と福永も将来性を高く買っている。
すごい。今回の勝利はそのひと言に尽きるのではないでしょうか。それほどインパクトのある走りを
ジョワドヴィーヴルは見せてくれました。
レース前は正直、半信半疑でした。今回が2戦目だし、デビュー戦は勝ちましたが、道中で外に逃げたり、エンジンの掛かりが遅いなど課題があったからです。でも、馬場に出て、返し馬をしたときに、初戦では前脚と後ろ脚がうまくかみ合っていなかった走りが解消されていました。その時点で『これならいける』と勝利を意識しました。
レースも完璧だったと思います。スタートもよくて、前を見ていけるいいポジションで追走。手応えもよかったし、直線では進路を外にとるだけでした。最後はエンジンが違いました。キャリア1戦でのGI勝利は最短記録だそうですね。初戦よりよくなっていたとはいえ、未完成で伸びしろ十分の状況で圧勝するんですから、やはりすごい馬です。また、夜に
松田博資厩舎の忘年会に参加させていただいたので、いい報告ができてホッとしています。
秋に栗東トレセンに入厩して、調教で初めて騎乗したときの感触は忘れられません。僕がこれまで経験したことがない走り方をしていました。前脚を前に動かすのと同時に後ろ脚が前脚についてくる感覚で、一完歩の滞空時間が他の馬より長く感じるんです。想像がつかない走りでしたが、僕の中にまた新たな引き出しができました。
この勝利が僕にとって今年のGI初制覇。勝ったことはもちろんうれしいのですが、こういう将来性のある素質馬と出会えたことに感謝しています。2戦目でこれだけのパフォーマンスを見せてくれたのですから、完成されたらどんな馬になるのでしょうか。無事にいってくれたら、日本を代表する馬になる素材だと思います。今から来年が本当に楽しみです。
最後にオーナー、厩舎スタッフ、そしてファンのみなさんのおかげで勝つことができました。これからも応援よろしくお願いします。 (JRA騎手)