ダービーの前哨戦である
京都新聞杯だが、今年の趣(おもむき)はひと味違う。不動の中心馬
レッドデイヴィスは、世代トップクラスの実力馬ながら、せん馬のため
NHKマイルC、ダービーに出走不可。京都のGIIで
皐月賞馬や
桜花賞馬を撃破した力を見せつける。
1月の
シンザン記念は、この世代を象徴するレベルの高いレースだった。2着
オルフェーヴルが
皐月賞、3着
マルセリーナが
桜花賞を制した。続く
毎日杯も快勝した勝ち馬
レッドデイヴィスは、現時点で世代最強といっても過言ではないだろう。ただ、去勢してせん馬になっており、クラシックはおろか、
NHKマイルCの出走資格もない。
「去勢する前は、運動中でも急に立ち上がったりしていた。感情を上手にコントロールできないような印象を受けた。ただ、去勢してからはおとなしくなって、余計なことは一切しなくなりましたよ」
棚江調教助手はレッドの去勢効果を口にする。全休明けの火曜は浜中騎手を背に坂路を1本登坂。この中間は放牧に出さず自厩舎で調整しているが、テンションが上がることなく、落ち着きがあって状態の良さは一目瞭然だ。
「
シンザン記念で負かした相手が
皐月賞馬の
オルフェーヴルと
桜花賞馬の
マルセリーナ。あのレースはレベルが高かったと思う。前走後はここを目標に予定通り。馬齢戦で56キロ(前回は57キロ)で出られるのは有利ですね」と棚江助手は重賞V3へ意欲を見せる。
せん馬のため、出走できるレースは限定されるが、今までのレース内容と戦った相手を考えればここは落とせない。次走予定の
金鯱賞(28日、京都、GII、芝2000メートル)では古馬との戦いが待っている。我が道を行く
レッドデイヴィスが、ダービーを目指す同世代の素質馬を一蹴して、3歳最強をアピールする。(片岡良典)