きいいろ
蒼馬久一郎
第54回サンケイスポーツ杯阪神牝馬S(9日、阪神11R、GII、4歳上牝馬オープン国際、別定、芝・内1400メートル、1着賞金5300万円=出走18頭)池添謙一騎乗の1番人気カレンチャンが、好位から直線で力強く伸び、外アンシェルブルーとの競り合いを半馬身制して重賞初Vを飾った。タイム1分20秒4(良)。次走は未定だが、千二~千四を中心に使って行く方針で、陣営はサマースプリントシリーズの王者を目指したい意向だ。 薄曇りの空を振り払うような激しい叩き合いを、カレンチャンが制した。連勝で重賞初制覇。素質馬が完全に本格化だ。 「折り合いがついて、いいリズムで走ってくれました。いったんは2着馬に出られましたが、差し返してくれましたね」 勝利をもぎとり、池添謙一騎手の声が弾む。1ハロンの距離延長で課題だった折り合いは、しっかりとついた。好位の内で人馬の呼吸を合わせて進み、直線へ。一度はアンシェルブルーにかわされたが、負けん気の強さを発揮して内からもう一度、前へ。食い下がる2着馬を競り落とした。 「乗りやすくて、意のままに動いてくれる。期待通りに成長している」。以前から非凡なセンスを感じていた池添は、前走(2月19日山城S)を勝った夜、陣営に電話で「(サンスポ杯に)使ってほしい」と直訴していた。だからこそ、この勝利はよりうれしい。 安田隆調教師も目尻が下がりっぱなし。「最後はよく差し返してくれました」と声を弾ませて「パワーアップしてきていますから。サマースプリントシリーズを狙いたい」と、早くも夏の女王を視野に入れる。 得意の千二に加えて、千四で重賞Vと、確実に力をつけているカレンチャン。短距離界の女王へ向けて、迷いなく突き進んでいく。(宇恵英志)