高松宮記念の前哨戦となる
阪急杯の追い切りが23日、東西のトレセンで行われた。美浦では
ガルボがスピード感あふれる動きを披露。万全の仕上がりで西下する。栗東では一昨年の覇者
ビービーガルダン、昨年のサマースプリント王者の
ワンカラットが意欲的に追われた。
重賞2勝目に向けて、絶好の追い切りを披露した。
ガルボはポリトラックコースで単走、馬なりの手応えで5ハロン63秒6。見届けた清水英調教師に笑みが広がった。
「いいですね。具合が良さそうです。見た目以上に時計は速くなりましたが、闘争心があるということでしょう」
指揮官が満足そうにうなずく追い切りは、坂路で軽くウオーミングアップ(4ハロン75秒7)を済ませた後に行われた。菊地調教助手(実戦は岩田康騎手)を背にコース入りすると、すぐさま加速。ムキになるかと思われたが、その後はリズムに乗ってスイスイとコーナーを回って直線へ。引っ張り切りの手応えでフィニッシュすると、上がり3ハロン36秒0-12秒3をマーク。最後まで軽快なフットワークは衰えなかった。
追い切りを終えて時計を聞いた菊地助手が「そんなに速いとは思わなかったんだよね」と目を丸くすると、清水英師は「自分も(調教助手として)長く馬に乗っていたから分かりますが、乗り手の感覚以上の時計が出ている時は、体が使えている証拠。体調がいいんだと思います」とうなずく。阪神C4着、京都金杯2着と安定している近況からも有力視される
ガルボだが、今回は今後を占う重要な一戦となる。
「今回で(適性が)分かるんじゃないですか。結果次第で
高松宮記念(3月27日、阪神、GI、芝1200メートル)に向かうことも考えています」
昨秋の復帰後は、スッと好位につける戦法が身に付いた。前向きさとセンスの良さを兼備した
ガルボなら、GIのスプリント戦でも…という考えが陣営にはある。デキの良さを誇示した追い切りに「完璧でしょ」と笑った清水英師。その表情には、新境地開拓への意欲もにじみ出ていた。 (黒田栄一郎)