ジョーカプチーノが脚部不安を乗り越え、完全に復活した。前走のラピスラズリSを含め、芝1200メートル戦は3戦3勝と負け知らず。58キロのトップハンデをはね返して、
高松宮記念(3月27日、阪神、GI、芝1200メートル)へ向けて、弾みをつける。
春のスプリント王へ。
ジョーカプチーノの11年がスタートする。中間はコースとプールを併用しながらジックリと調整。万全の仕上がりで、新たなスタートを切る。
「手元に置いて調整してきたけど、ちょっとカリカリはしていても元気だね。体調はいいと思うよ」
粉雪が舞う25日の栗東トレセンで、中竹調教師が近況を報告した。この日は角馬場で運動してからプールへ向かい、26日の最終追い切りに備えた。「前走後の回復が早かった。京都金杯でも使えたくらい。今、ものすごく充実している」と、担当の窪田調教助手は気配の良さに目を細めた。
09年
NHKマイルCの覇者。右前脚の深管を悪くして長期休養を余儀なくされたが、昨年10月のスワンSで1年5カ月ぶりに復活。自慢のスピードで3着に踏ん張った。
マイルCSこそ9着に敗れたが、それでも勝ち馬とはコンマ6秒。「前回は楽に勝てた」と、中竹師が振り返る前走で、久々の美酒に酔った。
休養期間中に体つきが変化。3歳時のスラッとした姿から、現在は筋肉質のシルエットへ変貌している。「体がガッシリとして
スプリンターの体になった」と窪田助手も証言。気性、馬体ともに、今は短距離専科になっている。
今回は3戦無敗のスプリント戦。「1200メートルなら引っかからないし、好き放題に走れる。ベストの距離だろうね」と、中竹調教師も胸を張る。トップハンデの58キロは楽ではないが、裏を返せばこの数字こそ底力の証。前残り傾向の強い京都の内回りコースが舞台なのも、味方となるか。最大目標の
高松宮記念へ、盤石の礎を築く。(宇恵英志)