伊吹雅也
夢月
第46回中日新聞杯(11日、小倉11R、GIII、3歳上オープン国際、ハンデ、芝2000メートル、1着本賞金4100万円=出走18頭)ミルコ・デムーロ騎乗で1番人気トゥザグローリーが、直線で力強く抜け出し快勝。待望の重賞初Vを決めて、有馬記念(26日、中山、GI、芝2500メートル)挑戦を表明した。2着にコスモファントム、3着にはゲシュタルトが入り、先週のGIII鳴尾記念に続いて、3歳馬が1~3着を独占した。 生まれたときから活躍を義務づけられた超良血馬に、待望の瞬間が訪れた。母に01年ドバイワールドC2着、エリザベス女王杯Vのトゥザヴィクトリーを持つトゥザグローリーが、直線で内から抜け出し快勝。5度目の重賞挑戦で、タイトルを手に入れた。 「道中は内で(脚を)ためることができて、勝負どころではうまく外へ出すことができた。手応えも良くて折り合いもついていたし、本当に強い勝ち方」 歴代トップとなる中日新聞杯3勝目を飾ったデムーロ騎手が、目を細めた。 最内枠から道中は内ラチ沿いで待機。徐々にポジションを押し上げ、直線を向くときにはすでに2番手に位置していた。直線半ばで逃げるコスモファントムをかわすと、最後は1馬身3/4差の完勝。先週のルーラーシップ(鳴尾記念)、コスモヘレノス(ステイヤーズS)に続き、3歳馬のレベルの高さを見せつけた。 「能力がありながらリズムの悪い競馬が続いていたけど、やっとウップンを晴らしてくれたね」と池江郎調教師もニッコリ。続けて「(賞金で)出られるか分からないけど、有馬記念に登録します」とグランプリ参戦も表明。来年2月いっぱいで定年を迎える池江郎調教師にとっては最後の有馬。“孝行息子”が成長した姿を見せてくれるはずだ。(瀬戸 聡)