第58回
府中牝馬S(17日、東京11R、GIII、3歳上牝馬オープン国際、別定、芝1800メートル、1着本賞金3800万円 =出走17頭)
国分恭介(19)=栗・五十嵐=騎乗で4番人気の
テイエムオーロラが果敢にハナを奪い、直線も後続の追撃を退けて逃げ切り勝ち。デビュー2年目の国分恭と4歳馬オーロラは人馬ともに重賞初勝利を飾った。1分46秒4(良)。2着に14番人気の伏兵
セラフィックロンプが入り、1番人気
ニシノブルームーンは9着に終わった。
若きヒーローは、意外なほど冷静だった。デビュー2年目の
国分恭介騎手が、
テイエムオーロラとのコンビで鮮やかに逃げ切って重賞初V。インタビューに臨んだ若武者は「すごく期待が大きかった馬なのでホッとしているし、馬に感謝しています。折り合いに気をつけて乗りました」と静かに喜びを口にした。もっとも、本人いわく「照れ隠しです。何が何だか分からない状態なので…」という初々しさ。自分が所属する
五十嵐忠男調教師(57)の管理馬でのVだけに、喜びも格別だ。
勝利の陰には、春の失敗があった。格上挑戦で臨んだ6月のGIII
マーメイドSは、好位から伸びあぐねて3着。「手堅い競馬をしてしまった」と五十嵐師は振り返る。そこで今回の指示は「馬の力を信じろ」。愛弟子に全てを託した。「まさか逃げるとは思わなかったが、結果的には良かったね」と満点評価を与えた。
スピードのある競馬を見せたことで、次走は
マイルCS(11月21日、京都、GI、芝1600メートル)が有力。「馬もどんどん成長しているし、ボクも頑張って成長します!」と力強く言う国分恭とのコンビで、オーロラが秋のGI戦線を盛り上げてくれそうだ。(黒田栄一郎)