きいいろ
第46回七夕賞(福島11R、GIII、3歳上オープン国際、ハンデ、芝2000メートル、1着本賞金4300万円、サマー2000シリーズ第1戦=出走16頭)夏の福島は、締めくくりもヨシトミだった。伝統のハンデ重賞は、52キロの最軽量ドモナラズが、4コーナー最後方から直線一気の差し切り勝ち。11番人気の伏兵が波乱を演出した。タイム2分0秒4(良)。柴田善臣騎手(43)=美・フリー=は宝塚記念のナカヤマフェスタ、ラジオNIKKEI賞のアロマカフェに次ぎ3週連続重賞V。勢いを増すベテランの手綱さばきから、ますます目が離せない。 ズラッと横一線に並んだ最後の直線。迷うことなく馬群の大外を選択したことが、絶好調の手綱さばきの証明だ。過去3度の重賞挑戦で、すべて2ケタ着順だったドモナラズが、これまで見せたことのないような力強い末脚を発揮。勢いに乗る柴田善に導かれてメンバー最速の上がり3ハロン34秒7を繰り出し、鮮やかに重賞初Vを飾った。 「1度乗った時(早春S12着)には引っかかったので、きょうは抑えて折り合いに気をつけた。直線は脚を余して負けたくなかったので、馬場のいいところに出した」。今年2月に騎乗したレースでは、逃げて失速。その経験を踏まえ、最後方でじっくり構えた。「いい脚で伸びていたし、名前はドモナラズだけど、きょうは“どうにかなった”ね」とヨシトミ。現役最多の七夕賞3勝目に満面の笑みを浮かべた。 土曜のメーン、松島特別をアサヒバロンで勝つなど、福島最終週も4勝を挙げ、好調の波が続くヨシトミ。昨年、腰の手術をして体調がよくなったことが、その原動力となっていることは確かだ。新潟開幕週のアイビスサマーダッシュではウエスタンダンサーに騎乗予定で、4週連続Vに挑戦。今月30日で44歳の誕生日を迎える夏に生まれた男が、サマーシリーズの中心を担っていく。 音無調教師は「サマー2000シリーズは、このまま行っちゃうしかないね」と小倉記念(8月1日、小倉、GIII、芝2000メートル)参戦を明言。「オレ、まだ小倉に行ったことないから、引退する前に小倉で乗りたいな」とヨシトミは次回の騎乗をアピール。ドモナラズとのコンビで、まだ知らぬ南の地でも大暴れする構えだ。(片岡良典)★柴田善臣騎手、断トツ20ポイント!! 今年のサマージョッキーズシリーズは7月4日~9月12日までに行われる平地重賞20レースが対象となっている。1着は10ポイントが加算され、柴田善臣騎手はラジオNIKKEI賞、七夕賞を連勝して計20ポイントで現在トップ。2位には4日の函館SSをワンカラットで勝ち、プロキオンS2着(5ポイント)の藤岡佑介騎手が15ポイントで続いている。