第51回
宝塚記念(27日、阪神10R、GI、3歳上オープン国際マル指、定量、芝・内2200メートル、1着本賞金1億3200万円=出走17頭)関東の期待馬がGI初制覇だ。8番人気
ナカヤマフェスタが直線で外から力強く伸び、内から抜け出した1番人気
ブエナビスタを1/2馬身捕らえた。タイム2分13秒0(稍重)。
ステイゴールド産駒は
ドリームジャーニーに次ぐ宝塚連覇。
柴田善臣騎手(43)=美浦=は約4年3カ月ぶりのGI制覇となった。上半期の
グランプリを制したフェスタは、登録している仏GIの
凱旋門賞挑戦が現実味を帯びてきた。
26年目のベテランが、秘めた素質を存分に引き出した。伏兵
ナカヤマフェスタが、内で競り合う
ブエナビスタと
アーネストリーを並ぶ間もなく外から差し切って、サマーグランプリを制した。
「この馬の気分を損ねないように道中を進めました。力のある馬だから、真面目にさえ走ればと思っていました」
柴田善臣騎手は前走のメトロポリタンS1着に続き2度目の騎乗。それでも、フェスタの性格を十分につかんでいた。昨年、ダービー4着やGII
セントライト記念を勝っている実績の持ち主。だが、追い通しなのに最後にようやく伸びてくるレースが多かったように、道中で気を抜く面があった。だからこそ、気分よく走らせることに心がけた。
立ち上がって鞍上を落とすなど枠入りは少しゴネたが、道中は中団の外をスムーズに追走。3~4コーナーで進出して抜群の手応えで直線に向くと、メンバー中で最速の上がり3ハロン35秒8の末脚を駆使。直線の勢いは、1頭だけ違っていた。
「スムーズに外へ出せたし、追い出して反応があった。前向きさが出ていたので、何とかなるかなと思いました」
笑顔で話すヨシトミは06年
高松宮記念(
オレハマッテルゼ)以来のGI7勝目で、右回りのJRA・GI勝利は初。「嬉しいです。昨年、腰の手術をして、今年はいいリズムできているからね。どこかで(GIを)とは思っていたけどね」。昨年は46勝だったが、今年は上半期だけで36勝。好調の波を感じて大舞台に挑み、結果を出した。
昨秋、関西圏の2戦(
菊花賞12着、
中日新聞杯13着)は直前輸送で大敗。それを考慮し、早めに栗東トレセンに入厩した。「スタッフと考えて、最善の方法が取れました」。98年
エルコンドルパサーの
ジャパンC以来、12年ぶりのJRAのGI3勝目となった
二ノ宮敬宇調教師は厩舎一丸の勝利を強調した。
「馬主さんと相談をしながら決めたい。いろいろな形での準備を進めています」と二ノ宮師は、1次登録している
凱旋門賞(10月3日、ロンシャン、GI、芝2400メートル)挑戦を視野に入れる。99年、2着に惜敗した
エルコンドルパサーで逃がした勲章を、狙う時が近づいてきた。(高尾幸司)