桜花賞トライアルのフィリーズレビューが14日、阪神競馬場で行われる。注目は〔7〕枠(14)ラブミーチャンだ。地方・笠松競馬所属でデビュー6連勝中。中央でレコード勝ちした快速娘で、年末には牡馬相手に交流GIも優勝した。前日発売は単勝3・2倍の1番人気。風水の第一人者で、Dr.コパこと小林祥晃オーナー(62)も阪神で熱烈応援。初芝も克服して、桜の出走権をゲットだ!!
成績欄にきれいに並んだ1の数字。6戦6勝。昨年のNAR(地方競馬全国協会)年度代表馬に2歳馬として史上初めて輝いた笠松(岐阜県)のシンデレラガール、ラブミーチャンが、
桜花賞の出走権(3着以内)を求めて
フィリーズレビューに出走する。
6勝は全てダート戦。周囲には「芝のスピードに対応できるのか?」と疑問視する声もある。
「すごく柔らかい体をしているんです。身のこなしなんかは、他の馬と全然違いますよ。芝で走る馬は柔らかさと手先の器用さが必要だと思うけど、この馬にはそれがある。血統的にダート馬だと思うのは固定観念だと思います」
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柳江仁調教師(54)は芝でもミーチャンのスピードは通用すると確信している。デビュー3戦目の京都ダート1200メートル戦。JRA初挑戦は、雨で砂が濡れて締まり、スピードが出る馬場で1分11秒0(重)の2歳コースレコードで完勝。スタートから先頭に立つと、そのまま押し切り、JRA関係者を驚かせた。
主戦の
浜口楠彦騎手(49)も芝は問題ないと見る。全レースを逃げ切っているスピード能力の高さを一番実感しているのは、ほかならぬジョッキーだ。
「ゲートさえ普通に出たら行ってしまうと思うよ。走法に柔軟性があって、僕がいままで乗った中で一番いい馬。(舞台となる)阪神の芝1400メートルは勝ったことがあるし、分かっているつもりだからね」
ハマちゃんの愛称で地元ファンに絶大な人気があり、28日で50歳を迎えるベテランの、この言葉は心強い。
笠松からは、過去に
オグリキャップや
ライデンリーダーなどが芝を克服して活躍。ミーチャンも偉大なる先輩たちの後に続きたい。
「重圧はバリバリにあります。でもね、地方の代表として結果を出せたら、苦しい地方競馬の人たちの励みになる。頑張らないとね」と柳江調教師はプレッシャーをパワーに変えて、前哨戦への意気込みを語る。浜口騎手は「プレッシャー? 僕はむしろワクワクしてますよ」と期待に胸ふくらむ様子だ。
牡馬相手にGI制覇したラブミーチャン。その豊かなスピードで権利を手にして、
桜花賞までも一気に突っ走りそうだ。(柴田章利)