第44回
京都大賞典(11日、京都11R、GII、3歳上オープン国際、別定、芝・外2400メートル、1着本賞金6500万円=出走14頭)GIホースのプライドだ! 昨年の
菊花賞馬
オウケンブルースリが、休養明けで59キロを背負いながら大外から豪快に突き抜けて快勝。賞金を加算し、秋の天皇賞に有力馬として参戦だ。2分24秒3(良)。管理する音無調教師は、
毎日王冠を
カンパニーで優勝。東西GIIの同日制覇を達成だ。1番人気の
ジャガーメイルは4着に敗れた。
オウケンブルースリが4コーナー後方2番手から豪脚を披露し、昨年の
菊花賞以来となる勝利をマーク。賞金も加算して秋の天皇賞へ堂々と名乗りを上げた。
テイエムプリキュアと
クィーンスプマンテが3番手以下を大きく引き離す展開にも、
内田博幸騎手は一切動じなかった。「返し馬での雰囲気は良かったし、状態は良くなっていると思っていた。前は止まると思ったしね」と陣営の仕上げを信じ、後方待機でオウケンの競馬に徹した。4コーナーで一気に馬群が詰まると、大外に進路を取ってスパート。瞬時にギアがトップに入り、前を行く12頭を抜き去ると、最後は手綱を抑える余裕でゴールした。
今年夏のクラス再編成で収得賞金が半分になり、
京都大賞典で賞金を加算しなければ天皇賞出走は危ぶまれた。内田博はそれも承知の上でレースに臨み、最高の結果を出した。「じっくり立て直してここまで待った甲斐があったと思います」。前走の
阪神大賞典は重馬場も影響して7着と1番人気を裏切る形に。その後は無理をせず、春は休ませたことがこの勝利につながった。「パワーもついてきたし、この秋はこの馬と一緒に歴戦の古馬相手に戦うことが楽しみです」とウチパクも惚れ込んでいる。
音無秀孝調教師は
カンパニーの
毎日王冠とのダブル重賞制覇。東京競馬場で勝利の瞬間を見たトレーナーは「59キロを背負っていたし、次は使った上積みがあるだろう。腰がパンとさえすれば古馬になっても期待できると思っていた。あれだけ調教をビッシリやれたのだから、腰が悪かったらできないよな」。厩舎の看板馬の復権Vを喜んだ。
次なる目標は天皇賞、そして昨年5着だった
ジャパンC(11月29日、東京、GI、芝2400メートル)だ。
ウオッカを破った僚馬
カンパニーとともに、6冠牝馬に襲いかかる。(高尾幸司)