岡村信将
第9回アイビスサマーダッシュ(19日、新潟11R、サマースプリントシリーズ2戦目=全5戦、GIII、3歳上オープン国際、別定、芝・直線1000メートル、1着本賞金4100万円=出走18頭)小牧太騎乗、3番人気のカノヤザクラが好位から抜け出して、56秒2(重)のタイムで圧勝。追い込んできたアポロドルチェに1馬身1/2差をつけて連覇を達成し、昨年のサマースプリント王者の貫禄を見せた。先行したアルティマトゥーレが3着に粘り、1番人気のエイシンタイガーは伸びを欠き5着に敗れた。 最初の一完歩で勝負ありだった。17番枠から矢のように飛び出したカノヤザクラが、外ラチ沿いをあり余るスピードとパワーを存分に生かして颯爽と駆け抜け、史上初のアイビスサマーダッシュの連覇を達成した。 「去年に比べて今年の方が体調がうんと良くなっていたし、パドックで跨った時にもそう思った。それにこれだけいいスタートが決まったのは初めて。自分の前に入られる心配もなく、道中もすごく楽だった」と小牧太騎手はしてやったりの表情だ。抜群のスタートを切って他馬の動きを見ながら余裕を持って走れたのが勝因。重馬場のため、勝ち時計は昨年よりも2秒遅い56秒2だが、パフォーマンスに関しては今年の方が間違いなくインパクトがあった。「昨年はこの馬のお陰でワールドスーパージョッキー(WSJS)に出させてもらったし、今年もまたここからいいスタートが切れた」と、人馬の2年連続のサマーチャンピオンを意識する。 橋口弘次郎調教師は昨年と同様に今年も小倉競馬場での観戦。「去年よりも強い勝ち方だった。CBC賞(11着)を叩いた上積みはあると思っていたし、枠順が出た時からいい予感がしていた。この後はセントウルS(9月13日、阪神、GII、芝1200メートル)一本で行くか、北九州記念(8月16日、小倉、GIII、芝1200メートル)を挟むかは、まだ時間があるので少し考えたい。今年もチャンピオンを狙って行くよ」と2年連続の戴冠に向けて意欲を見せた。 5歳を迎えてさらにパワーアップした“夏女”カノヤザクラと41歳小牧太の完熟コンビが、今夏もスプリント路線を熱く盛り上げる。(片岡良典)