第58回
ラジオNIKKEI賞(5日、福島11R、GIII、3歳オープン国際、ハンデ、芝1800メートル、1着本賞金4000万円=出走16頭)
蛯名正義騎乗の5番人気
ストロングガルーダが大外から力強く伸びて重賞初制覇。管理する美浦・
久保田貴士調教師はJRA重賞はダートで4勝しているが、芝は初めて。1分48秒3(良)。クビ差2着に13番人気の
サニーサンデーで、3連単は34万超馬券。イネオレオは6着で、ハンデ戦になった06年以降、1番人気は4連敗となった。
初めて経験する短い直線も“カンケーネー!!”
蛯名正義騎手の豪快なアクションに応えた
ストロングガルーダが、小回りの福島をグイグイと伸びる。蒸し暑さの中で声援を送るファンの歓声に押され、粘る相手をクビ差とらえて重賞初Vを飾った。
「思ったより行きっぷりが悪くてヒヤッとしましたが、直線を向いたら火が点いた感じ。あれで間に合うと思いました」
昨年、
ノットアローンに騎乗してクビ差2着に敗れた鞍上は、同じクビ差のVに表情を緩める。新馬戦Vなど6戦中5戦でコンビを組み4勝。能力を高く評価してきた愛馬との勝利は格別の味だ。
レースは大外枠からのスタートで、中団の外めを追走。行きっぷりは良くなかったが、勝負どころからムチを連打して
ガルーダの闘志に火をつけた。初の右&小回りに戸惑う相棒をしっかりとVに導いた手腕が光る。
開業7年目で躍進著しい
久保田貴士調教師にとっては初の芝重賞勝ち。この日は、
モルトグランデが
函館スプリントSに出走していたため、札幌競馬場で勝利を見届けた。「体が弱くて苦労しましたが、休養から戻ってきた時にずいぶんたくましくなっていました。厳しいレースでよく頑張ってくれましたね」と愛馬の走りを称えた。
今後は休養に入るが、「秋は
菊花賞という感じではないので、古馬との対戦になると思います」と久保田師。蛯名も「1800メートルくらいがギリギリ」と話すだけに、マイル路線に向かう公算が大きい。大目標は
マイルチャンピオンシップ(11月22日、京都、GI、芝1600メートル)となるはずだ。敗れた2戦は、不良馬場の
新潟2歳Sと休み明けで距離が長かったプリンシパルSだけ。まだ底を見せていない
ストロングガルーダが、マイラーとしての資質に磨きをかけて、飛躍の秋を迎える。(黒田栄一郎)