第58回
スプリングS(22日、中山11R、GII、3歳オープン、せん馬不可、馬齢、芝・内1800メートル、1着本賞金5400万円、1~3着馬に
皐月賞(4月19日、中山、GI、芝2000メートル)の優先出走権=出走16頭)もう1頭の
ネオユニヴァース産駒が強烈に自己主張だ!
岩田康誠(35)=栗・フリー=騎乗の
アンライバルドがゴール前で先行勢を一気にかわし、断然人気に応えて圧巻Vを決めた。1分50秒8(良)。
皐月賞で無敗の弥生賞馬
ロジユニヴァースとの対決が楽しみだ。2着
レッドスパーダ、3着
フィフスペトルまでが優先出走権を得たが、
レッドスパーダは別路線を歩む予定。
“無敵”の名にふさわしく相手はいなかった。中山への長距離輸送、直線の坂、タフな馬場(発表は良)など本番への課題を克服した
アンライバルドが、堂々と1カ月後の頂上決戦に向かう。
“勝って
皐月賞で無敗の弥生賞馬
ロジユニヴァースと戦う”。陣営の思いは
岩田康誠騎手も承知していた。「今の中山では前に行かないと話にならない。少し出していったら1~2コーナーで掛かってしまった。その後は折り合いがついて追い出してからの反応は素晴らしかった」。勝つためにいつもより前で競馬をする作戦がズバリ的中。1000メートル通過が62秒6とスローな流れで一瞬は頭を上げたが、向正面ではリラックスし、残り600メートルで徐々に進出を開始。直線では切れ味を存分に発揮し突き抜けた。
「新馬戦の時と比較して、追い出してから重心が下がって本当に気持ち良かった」。コンビを組み3戦3勝の岩田は相棒の成長を頼もしく感じていた。負けられない重圧から眠れない日々も続いていたが、「これでやっと眠ることができる」と重責を果たし安堵の表情で競馬場を後にした。岩田には
皐月賞では
セイウンワンダーというお手馬もいて現時点で騎乗馬は未定だが、今回のトライアルで結果を残したことは大いに意味がある。
友道康夫調教師は「初めての遠征で、雨風が強いコンディションと最悪でしたが、まったく問題なかった。あとは1回も(一緒に)走っていない強い馬がいますので、本番への課題はそれだけです」と同じ
ネオユニヴァース産駒の
ロジユニヴァースをライバル視する。厩舎として中山での初勝利ともなったが、「
皐月賞前に勝てて何より嬉しい」と笑顔が弾けた。
“2強”から1強へ。
アンライバルドが牡馬クラシック第1冠でも名前通りの強さを見せつける。(高尾幸司)