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皐月賞、東京優駿(日本ダービー)、菊花賞、優駿牝馬(オークス)とともに“3歳クラシック”の一角を成すレースであり、牝馬3冠の1冠目に数えられる。仕上がりの早さとスピード能力が問われる一戦で、過去に多くの快速牝馬たちが栄冠を勝ち取ってきた。この桜花賞、約1カ月半後に開催されるオークス、秋に行われる秋華賞(このレースはクラシック外)の3タイトルをものにし“牝馬3冠”の称号を手にしたのは、メジロラモーヌ(1986年)、スティルインラブ(2003年)、アパパネ(2010年)、ジェンティルドンナ(2012年)、アーモンドアイ(2018年)、デアリングタクト(2020年)の6頭が存在する。第35回(1975年)は単勝支持率88%で1.1倍の断然人気を集めたテスコガビーが、2着に1.9秒という桜花賞史上最大着差をつけて勝利。この圧勝劇は、実況を担当した関西テレビの杉本清アナウンサーの「後ろからはなんにも来ない」という名調子とともに、今も語り草となっている。第50回(1990年)の勝ち馬アグネスフローラ、第53回(1993年)の勝ち馬ベガは、繁殖にあがってからも優秀な産駒を輩出し、G1ホースの母となった。阪神競馬場が改修されて直線距離が延びてからは鮮烈な追い込み勝ちも見られるようになり、第69回(2009年)のブエナビスタ、第74回(2014年)のハープスター、第76回(2016年)のジュエラーらが、目の覚めるような直線一気を決めて先頭でゴール板を駆け抜けている。
1986年以降の優勝馬を掲載しています。優勝馬の馬齢は2000年以前も現行表記と統一しています。
回数 | 開催日 | 優勝馬 | 性齢 | 勝ち タイム |
騎手 | 調教師 | レース 結果 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
第83回 |
2023年4月9日 阪神 芝1600m |
リバティアイランド | 牝3 | 1:32.1 | 川田将雅 | 栗 | 中内田充 | 全着順を 見る | |
第82回 |
2022年4月10日 阪神 芝1600m |
スターズオンアース | 牝3 | 1:32.9 | 川田将雅 | 美 | 高柳瑞樹 | 全着順を 見る | |
第81回 |
2021年4月11日 阪神 芝1600m |
ソダシ | 牝3 | 1:31.1 | 吉田隼人 | 栗 | 須貝尚介 | 全着順を 見る | |
第80回 |
2020年4月12日 阪神 芝1600m |
デアリングタクト | 牝3 | 1:36.1 | 松山弘平 | 栗 | 杉山晴紀 | 全着順を 見る | |
第79回 |
2019年4月7日 阪神 芝1600m |
グランアレグリア | 牝3 | 1:32.7 | C.ルメール | 美 | 藤沢和雄 | 全着順を 見る | |
第78回 |
2018年4月8日 阪神 芝1600m |
アーモンドアイ | 牝3 | 1:33.1 | C.ルメール | 美 | 国枝栄 | 全着順を 見る | |
第77回 |
2017年4月9日 阪神 芝1600m |
レーヌミノル | 牝3 | 1:34.5 | 池添謙一 | 栗 | 本田優 | 全着順を 見る | |
第76回 |
2016年4月10日 阪神 芝1600m |
ジュエラー | 牝3 | 1:33.4 | M.デムーロ | 栗 | 藤岡健一 | 全着順を 見る | |
第75回 |
2015年4月12日 阪神 芝1600m |
レッツゴードンキ | 牝3 | 1:36.0 | 岩田康誠 | 栗 | 梅田智之 | 全着順を 見る | |
第74回 |
2014年4月13日 阪神 芝1600m |
ハープスター | 牝3 | 1:33.3 | 川田将雅 | 栗 | 松田博資 | 全着順を 見る | |
第73回 |
2013年4月7日 阪神 芝1600m |
アユサン | 牝3 | 1:35.0 | C.デムーロ | 美 | 手塚貴久 | 全着順を 見る | |
第72回 |
2012年4月8日 阪神 芝1600m |
ジェンティルドンナ | 牝3 | 1:34.6 | 岩田康誠 | 栗 | 石坂正 | 全着順を 見る | |
第71回 |
2011年4月10日 阪神 芝1600m |
マルセリーナ | 牝3 | 1:33.9 | 安藤勝己 | 栗 | 松田博資 | 全着順を 見る | |
第70回 |
2010年4月11日 阪神 芝1600m |
アパパネ | 牝3 | 1:33.3 | 蛯名正義 | 美 | 国枝栄 | 全着順を 見る | |
第69回 |
2009年4月12日 阪神 芝1600m |
ブエナビスタ | 牝3 | 1:34.0 | 安藤勝己 | 栗 | 松田博資 | 全着順を 見る | |
第68回 |
2008年4月13日 阪神 芝1600m |
レジネッタ | 牝3 | 1:34.4 | 小牧太 | 栗 | 浅見秀一 | 全着順を 見る | |
第67回 |
2007年4月8日 阪神 芝1600m |
ダイワスカーレット | 牝3 | 1:33.7 | 安藤勝己 | 栗 | 松田国英 | 全着順を 見る | |
第66回 |
2006年4月9日 阪神 芝1600m |
キストゥヘヴン | 牝3 | 1:34.6 | 安藤勝己 | 美 | 戸田博文 | 全着順を 見る | |
第65回 |
2005年4月10日 阪神 芝1600m |
ラインクラフト | 牝3 | 1:33.5 | 福永祐一 | 栗 | 瀬戸口勉 | 全着順を 見る | |
第64回 |
2004年4月11日 阪神 芝1600m |
ダンスインザムード | 牝3 | 1:33.6 | 武豊 | 美 | 藤沢和雄 | 全着順を 見る | |
第63回 |
2003年4月13日 阪神 芝1600m |
スティルインラブ | 牝3 | 1:33.9 | 幸英明 | 栗 | 松元省一 | 全着順を 見る | |
第62回 |
2002年4月7日 阪神 芝1600m |
アローキャリー | 牝3 | 1:34.3 | 池添謙一 | 栗 | 山内研二 | 全着順を 見る | |
第61回 |
2001年4月8日 阪神 芝1600m |
テイエムオーシャン | 牝3 | 1:34.4 | 本田優 | 栗 | 西浦勝一 | 全着順を 見る | |
第60回 |
2000年4月9日 阪神 芝1600m |
チアズグレイス | 牝3 | 1:34.9 | 松永幹夫 | 栗 | 山内研二 | 全着順を 見る | |
第59回 |
1999年4月11日 阪神 芝1600m |
プリモディーネ | 牝3 | 1:35.5 | 福永祐一 | 栗 | 西橋豊治 | 全着順を 見る | |
第58回 |
1998年4月12日 阪神 芝1600m |
ファレノプシス | 牝3 | 1:34.0 | 武豊 | 栗 | 浜田光正 | 全着順を 見る | |
第57回 |
1997年4月6日 阪神 芝1600m |
キョウエイマーチ | 牝3 | 1:36.9 | 松永幹夫 | 栗 | 野村彰彦 | 全着順を 見る | |
第56回 |
1996年4月7日 阪神 芝1600m |
ファイトガリバー | 牝3 | 1:34.4 | 田原成貴 | 栗 | 中尾謙太 | 全着順を 見る | |
第55回 |
1995年4月9日 京都 芝1600m |
ワンダーパヒューム | 牝3 | 1:34.4 | 田原成貴 | 栗 | 領家政蔵 | 全着順を 見る | |
第54回 |
1994年4月10日 阪神 芝1600m |
オグリローマン | 牝3 | 1:36.4 | 武豊 | 栗 | 瀬戸口勉 | 全着順を 見る | |
第53回 |
1993年4月11日 阪神 芝1600m |
ベガ | 牝3 | 1:37.2 | 武豊 | 栗 | 松田博資 | 全着順を 見る | |
第52回 |
1992年4月12日 阪神 芝1600m |
ニシノフラワー | 牝3 | 1:37.5 | 河内洋 | 栗 | 松田正弘 | 全着順を 見る | |
第51回 |
1991年4月7日 京都 芝1600m |
シスタートウショウ | 牝3 | 1:33.8 | 角田晃一 | 栗 | 鶴留明雄 | 全着順を 見る | |
第50回 |
1990年4月8日 阪神 芝1600m |
アグネスフローラ | 牝3 | 1:37.1 | 河内洋 | 栗 | 長浜博之 | 全着順を 見る | |
第49回 |
1989年4月9日 阪神 芝1600m |
シャダイカグラ | 牝3 | 1:37.5 | 武豊 | 栗 | 伊藤雄二 | 全着順を 見る | |
第48回 |
1988年4月10日 阪神 芝1600m |
アラホウトク | 牝3 | 1:34.8 | 河内洋 | 栗 | 庄野穂積 | 全着順を 見る | |
第47回 |
1987年4月12日 阪神 芝1600m |
マックスビューティ | 牝3 | 1:35.1 | 田原成貴 | 栗 | 伊藤雄二 | 全着順を 見る | |
第46回 |
1986年4月6日 阪神 芝1600m |
メジロラモーヌ | 牝3 | 1:35.8 | 河内洋 | 美 | 奥平真治 | 全着順を 見る |
最もスピードのある優秀な牝馬の選定および優秀な繁殖牝馬を発掘するためのレースとして、イギリスの「1000ギニー」にならうかたちで1939年に創設。3歳(旧4歳)牝馬限定戦で「中山四歳牝馬特別」という競走名だった。その名が示すように、当初の舞台は中山芝1800m。その後、1947年に舞台を関西圏の京都に移されると同時に競走名が「桜花賞」に改称され、1950年にはさらに阪神へと移設された。牝馬3冠の第一関門を担う一戦で、桜が咲き誇る春の仁川(阪神競馬場の所在地)の名物レースとして認知されている。3歳牝馬の最高峰のオークスが2400mで争われるのに対し、こちらは1600mが舞台。よって、マイル以下に距離適性がある牝馬にとっては、生涯一の大目標となるケースも少なくない。第65回(2005年)の覇者ラインクラフトや、第76回(2016年)で単勝1.5倍の圧倒的支持を集めたメジャーエンブレム(結果は4着)など、このレースのあとオークスではなくNHKマイルCに向かって結果を残す馬も近年は増えてきている。
1960年代初頭までは開催時期が固定されず、3月下旬~5月上旬の間に行われていたが、それ以降は皐月賞前週の4月1~2週目に開催される日程が定着するようになった(一部、例外の年もあり)。
3歳の牝馬が出走可能(ただし、未勝利馬・未出走馬は出走不可)。負担重量規定は定量。第1回ならびに第7回以降は55kg、第2~6回は57kg。コースは第1~5回が中山芝1800m、第6回が東京芝1800m、第7~9回が京都芝1600m、第10回以降が阪神芝1600m(一部、京都芝1600mで代替開催あり)。地方競馬所属馬は1995年から、外国産馬は2004年から、外国調教馬は2010年からそれぞれ出走可能となった。JRA所属馬、地方競馬所属馬ともに、トライアルのチューリップ賞ならびにフィリーズレビューで3着以内、アネモネステークスで2着以内に入った馬に対し、優先出走権が与えられる。
ディープインパクト産駒にとって相性の良いレースで、第71回(2011年)マルセリーナ、第72回(2012年)ジェンティルドンナ、第73回(2013年)アユサン、第74回(2014年)ハープスターと初年度産駒から4連覇を達成した。
1939年 | 「中山四歳牝馬特別」の名称でレース創設。第1回を施行。施行距離は中山芝1800m |
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1944年 | 東京芝1800mで施行。能力検定競走として施行され馬券発売なし |
1947年 | 施行舞台を京都芝1600mに移行。同時に競走名を「桜花賞」に改称 |
1950年 | 施行舞台を阪神芝1600mに移行 |
1967年 | 京都芝1600mで施行 |
1984年 | グレード制導入。G1に格付け。 |
1991年 | 京都芝1600mで施行 |
1995年 | 指定交流競走となり地方競馬所属馬の出走が可能に。京都芝1600mで施行 |
2004年 | 混合競走となり外国産馬の出走が可能に |
2010年 | 国際競走となり外国調教馬の出走が可能に |
2020年 | COVID-19の流行により無観客競馬として開催 |
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