菜七子やった! 19日の新潟競馬7Rで藤田菜七子騎手(21)=美・根本=がライゴッドに騎乗して1着となり、JRA通算34勝として増沢(旧姓牧原)由貴子元騎手に並ぶJRA所属女性騎手の最多勝記録を達成した。また、この日は3R(トニーハピネス)でも勝ち、日本人女性騎手として初めてJRAでの1日2勝も記録した。
逃げる菜七子に新潟のスタンドから、「行けー!」「そのままー!」の大声援がわき起こった。未勝利戦とは思えない盛り上がり。8番人気のライゴッドでまんまと逃げ切って、藤田菜七子騎手はJRA通算34勝目。増沢由貴子元騎手が持つJRA女性最多勝記録についに肩を並べた。
「素直にうれしいですけど、ここで満足することなく、もっと上を目指していきたいです」
汗をぬぐって菜七子スマイルがはじけた。この日の3R未勝利戦をトニーハピネスで逃げ切ってリーチをかけ、「早く次の1勝ができるように、頑張ります」と話してから、わずか2時間20分後にV。目標にするリサ・オールプレス騎手に続き、JRA女性騎手としては史上初の1日2勝も達成した。
「周りのたくさんの方からいわれていたので、あと何勝で記録というのは知っていましたけど、あえて気にせず次の1勝を目指してきました。これだけ多くの馬に乗せていただいて、オーナーや調教師の先生や厩務員さん、たくさんの方に感謝しかありません」
1039戦目でのタイ記録。多くの馬に騎乗させてもらった感謝の気持ちを言葉にした。新記録達成は時間の問題で、今週以降も新潟で騎乗する予定。新潟は通算13勝と最も得意にしている競馬場でもあり、新記録達成のため騎乗馬が殺到する可能性もある。
「まだまだ未熟です。もっと技術を上げていかなければいけないと思いますが、次の1勝を目指していきたいですね」
女性としてだけでなく、ひとりのジョッキーとして次のステージへ上がるのは目前だ。(柴田章利)
◆師匠の根本康広調教師 「よかったね。周りのみんながサポートしてくれて、たくさん乗らせてもらっているし、増沢騎手の時とは騎乗数が違うけど、時代が後押ししてくれた。でも、菜七子で終わらせちゃいけないからね。次の女性ジョッキーが出てきてくれないと」
★20日帯広競馬「ばんば」に挑戦
20日、菜七子は帯広競馬場の「JRAジョッキーDAY2018」に初参戦。体重1トンを超える輓馬(ばんば)のレースに初騎乗する。菜七子も「楽しみです」と話す。レースはエキシビションで馬券の発売はないが、JRAジョッキーがばんえい競馬の馬券を買うことが可能。「初めて参加するのでわかりませんが、時間があったら買ってみたいですね」と、馬券的中も目指している。