ユニコーンSの追い切りが14日、東西のトレセンで行われた。NHKマイルC2着のリエノテソーロは、美浦Wコースの併せ馬で鋭いフィニッシュで4馬身先着。状態は最高潮だ。栗東ではサンライズソアとサンライズノヴァが、シャープな伸びを見せてそれぞれ併せ馬で先着。この3頭が調教評価『S』となった。
降ったりやんだりの落ち着かない空模様とは対照的に、リエノテソーロの動きには、はっきりと具合の良さが感じられた。軽く仕掛けられただけでマークしたラスト1ハロン12秒1(4ハロン51秒6)は、この日のWコースではズバ抜けたタイム。併走馬を4馬身ぶっちぎり、盤石の態勢を印象づけた。
「先週の時点で前走より良くなる感触は持っていたけど、きょうの反応は今までにない感じ。普通キャンターから弾む感じが違うし、状態はこれまでで一番いい」
普段から強気な武井調教師だが、今回はさらに歯切れがいい。
道中で3馬身ほど前を進んだ僚馬グリターテソーロ(500万下)を直線でインから捕らえにかかると、桁違いの脚力であっという間に引き離した。「併せた相手も調教で動くのに、全く問題にしなかった」とトレーナーは驚くばかり。前走のNHKマイルC2着からまだまだ上昇曲線は続いている。
芝のGIで2着に入ったが、陣営は一貫して「ダート向き」のジャッジ。それは2着に5馬身差のエーデルワイス賞、同3馬身差の全日本2歳優駿の圧勝ぶりからもうなずける。「ダート替わりはもちろんプラス。頑張ってほしいし、これだけ言い続けてきたのだから結果を出してもらわないと困る」と武井師は自信の笑み。1週前追い切りに騎乗した初コンビの大野騎手も「さすがの動きだったし、やっぱり走る馬だと感じた」と好感触だ。
指揮官は今後について「一番の目標は来年のフェブラリーS。それまではダート1本で行く。秋に交流GIを使うためにもここで賞金を加算しておきたい」と青写真を描く。目指すはダート界制圧。まずは府中のダートGIIIで、同世代の牡馬を撃破する。 (板津雄志)
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