【香港国際競走】香港有力調教師インタビュー③~T.クルーズ 香港最多の7頭出し!自信の1頭はマイルトライアル勝ちのビューティーオンリー
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香港騎手学校の1期生からリーディングジョッキー、そして渡仏してトリプティクでジャパンカップに挑戦。調教師に転じてからもリーディングに輝いたT.クルーズ調教師は今年は4レースに香港勢最多の7頭出しの大攻勢をかけてきた。マイルにはトライアル勝ちのビューティーフレーム以下3頭、カップにはG1の常連、ブレージングスピード以下2頭、そしてスプリントには連覇のかかったペニアフォビア。ヴァーズには上がり馬、アンティシペ―ション。狙いがどこにあるのか、トニーに直撃した。(インタビュー/文・甘粕代三)
――7頭出しと今年のHKIR(香港国際競走)には例年に増して力が入っていますね。まず自信の1頭を紹介して下さい。
T.クルーズ調教師(以下、「クルーズ) ビューティーオンリーだね。トライアル(ジョッキークラブ・マイル、G2・11/20・シャティン・芝1600m)をきっちりと勝ってくれました。今季は使いだしから極めて順調で、ここまで予定通りに3戦を使って来られました。これからは湿度も下がって馬場が乾き、硬い馬場、早い時計が得意のオンリーにはさらに期待が高まります。
――そのトライアルは本番同様の3頭出し。ロマンチックタッチが人気薄ながら2着に突っ込んで昨年同様1、2着独占でした。ロマンチックがパドックで一番よく見えたのですが、格下と見てしまって買えませんでした。
クルーズ ロマンチックタッチはオンリーと違って柔らかい馬場が得意、それがトライアルの好走につながりました。本番はトライアルよりも馬場が硬くなりますが、状態は相変わらずいいですよ。
――もう一頭、ビューティーフレームがいます。今回もトライアル同様逃げますか?
クルーズ そう、フレームにはペースメーカーになってもらうよ。でもペースメーカーとはいえ馬鹿にしないでもらいたいですね。あのエイブルフレンドを負かしたことがあるんですから。楽に逃げられれば、そのままっていうことだって十分可能性はありますよ。
――エイブルフレンドの名前が出ました。エイブルが最大のライバルですか?
クルーズ それはそうだね。あれだけの馬ですから。前走、その後のバリアトライアル(注:模擬レース)を見ると相当復調してきています。しかし、あれだけの頓挫があった馬が100%元に戻ることは難しいでしょう。現時点ではオンリーの方が上であることは間違いない。ところで日本の3頭はどうなの?
――ロゴタイプは今年の安田記念であのモーリスを負かしているし、マイルチャンピオンシップからのネオリアリズム、サトノアラジンとも侮れませんよ。香港到着後の状態を見ていないので、詳しいことはお話しできませんが。香港は日本よりも時計一つ以上かかりますから、ビューティーオンリー同様、馬場がカギですよね。さて、香港カップも2頭出しです。
クルーズ ブレージングスピードに期待しています。トライアル(ジョッキークラブ・カップ、G2・11/20・シャティン・芝2000m)は5着でしたが、斤量128ポンドを背負っていましたから、レース内容、着順とも悲観していません。定量戦になる本番ではトライアルのようなことはありません。モーリスの前走を見ましたが、確かに強い。しかし、ブレージングスピードも香港のG1馬ですからね。
――ブレージングの脚質は自在、本番ではどんな位置取りを考えていますか?
クルーズ 5番手から6番手、直線で勝負をかけさせたい。それがこの馬に一番合っているでしょう。
――ペニアフォビアには香港スプリント連覇がかかっています。
クルーズ 今季は3戦してまだいい結果を残せていなけれど、これは敗因がはっきりしています。斤量です。使い出しのナショナルデー・カップ(G3・10/1・シャティン・芝1000m)、プレミア・ボウル(G2・10/2・シャティン・芝1200m)ともハンデ戦で背負わされましたし、トライアルのジョッキークラブ・スプリント(G2・11/20・シャティン・芝1200m)も一頭だけ128ポンドと他馬よりも5ポンド重かったですからね。本番は定量戦ですから、これまでの3戦のようなことはありませんよ。
――昨年は大外枠からハナを奪って逃げ切り。その再現ですね。
クルーズ 大外から香港スプリントを逃げ切るのは至難の業。実力の証明ですよ。あれ以上の外枠はありませんから、どの枠を引いても去年よりは有利です。期待してますよ。
HKIR2016 T.クルーズ厩舎出走馬
ブレージングスピード/セン7/N.カレン騎手/香港カップ
ヘレンスーパースター/セン6/G.モッセ騎手/香港カップ
ビューティーオンリー/セン5/Z.パートン騎手/香港マイル
ビューティーフレーム/セン6/D.リョン騎手/香港マイル
ロマンティックタッチ/セン6/M.チャドウィック騎手/香港マイル
ペニアフォビア/セン5/S.デソーサ騎手/香港スプリント
アンチィシぺーション/セン5/N.カレン騎手/香港ヴァーズ
トニー・クルーズ=告東尼 調教師
騎手、調教師のいずれでも成功した香港競馬界の星。騎手時代はリーディング7回、仏でも騎乗しトリプティクでジャパンカップ挑戦。調教師としてもリーディング2回。スプリンターズステークス、安田記念も制覇。大の日本好き、59歳。
甘粕代三の眼
例年はスロースターターのT.クルーズ厩舎だが、今季はシーズンインから攻勢をかけ、現在リーディング6位。これはHKIRにかけてのもの、それが7頭出しにつながっている。自信の一頭にはビューティーオンリーを上げてくれたが、エイブルフレンドが復調途上にある中、香港マイラー陣の総大将として日本勢を迎え撃つには十分の実績と実力を兼ね備えている。ブレージングスピード、ペニアフォビアのG1馬2頭もそれぞれ2戦、3戦を消化、着順だけでの判断は禁物だ。
(12月6日、シャティン競馬場で)
※次回(12/9)は現地競馬記者とのレース展望対談をお送りします。お楽しみに。
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■甘粕代三(あまかす・だいぞう)プロフィール
1960年、東京生まれ。高校時代から競馬にのめりこむ。
早稲田大学第一文学部卒。在学中に中国政府官費留学生。
卒業後、東京新聞記者、テレビ朝日記者、同ディレクター、
同台北開設支局長などを務める。中国留学中に香港競馬を初観戦、
94年ミッドナイトベットの香港カップ制覇に立ち会ったことから
香港の競馬にものめりこみ、2010年、売文業に転じた後は軸足を
日本から香港に。香港の競馬新聞『新報馬簿』『新報馬経』に執筆、
テレビの競馬番組にも出演。現在、新報馬業(『新報馬簿』『新報馬経』)
駐日代表、北京市馬術運動協会高級顧問を務める。 |
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【京都大賞典】三段論法的ラップ予想 by まぼろしのぴーまん
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京都2400
最初のコーナーまで600メートル。
最初はハナ争い。から少し落ち着いてコーナーを迎える。
ラストの直線は平坦な400メートルほどの直線。
長距離ということもあり、緩んだ流れからのだいたいは速い上がりのレースになるが、レースレベルによっては緩むことなく底力勝負になることも。
さらには逃げ馬が逃げた場合にはハイペースになりやすいなど、展開が非常に読みにくいレース。
ここでは展開読みが大きなキーになるだろう。
2014年 ラストインパクト 2.24.2(33.8)
12.6-12.2-11.5-12.0-12.4-11.9-12.0-12.5-12.0-11.7-11.6-11.8
36.3-35.1(テン-上がり)
2013年 ヒットザターゲット 2.22.9(34.0)
12.9-11.6-11.6-12.7-12.6-12.4-11.7-11.4-11.1-11.6-11.3-12.0
36.1-34.9
2012年 メイショウカンパク 2.23.4(34.6)
12.6-11.0-11.2-12.5-12.2-11.7-12.3-12.5-12.1-11.4-11.6-12.3
34.8-35.3
2011年 ローズキングダム 2.24.1(33.1)
12.8-11.0-11.8-12.7-12.6-12.3-12.8-12.5-11.8-11.1-11.4-11.3
35.6-33.8
2010年 メイショウベルーガ 2.25.0(34.9)
12.6-10.5-11.0-11.6-12.0-12.0-12.7-13.2-12.6-11.9-12.9-12.0
34.1-36.8
基本的には1コーナーから2コーナーの出口にかけてかなり緩む傾向。12秒台後半まで緩む。つまり脚を溜めて切れるタイプにはぴったりのレースだろう。いわゆる典型的なサンデー系とか。
そういう意味では毎日王冠にでてる馬のほうが、合いそうな(笑)
ただし。。
そういうことなので4コーナー手前からの瞬発力勝負になりやすいが、流石にハイレベルの重賞なだけあって、ある程度の底力も求められている。
上がり32秒台とか、キレッキレだけの能力では足りなくて、我慢比べにもある程度対応出来るような重厚さも必要とされている。
なお、ちょっと注目しておきたいのは2010年。
2010年はドリームフライトとゴールデンメインが1段逃げ、2段逃げをかましてラップを上げていっているので、かなりテンが早くなっている。
なので数字ほどは前傾ラップではないが、それでも最後は瞬発力ではなくて持続力勝負の様相。普段とは少し違ってくるかな。
このように、典型的な展開とは変わってくるのもこのコースの特徴。
展開読みが重要になってくるのは前述のとおり。
ということで、さて今年。
今年は逃げ馬不在。どう見てもカレンミロティックがハナを切る展開になりそう。
ハナを主張するというよりも押し出されて前に出ちゃうイメージ。
その後ニューダイナスティ-ラブリーデイのような隊列か。
だとするとカレンはかなりスローで逃げるだろう。35-36秒だろうね。36秒台に突入する可能性も十分ある。
なので、典型的なスローペースになると考えていいだろう。
そして、カレンがペースを握ることになると道中でもペースアップする事はない。12秒台がずっと続く。ここまではある程度想定可能。
問題はどこでペースアップするか。ラスト4ハロンくらいの勝負になるか、直線だけの勝負になるか。
これだけ小頭数なのて、駆け引きは少ないだろう。なので私は直線ヨーイドンに近い展開と読みたい。
そこまで展開を固定すると予想はかなりしやすい。
少頭数でもあり、選ぶ作業というより消していく作業になりそう。キレないタイプ、重厚なタイプから消していく作業。
そうなるとそこまで高配当は望めないが、人気どころもそこそこ消せそうかな。
まあ、ハイペースや緩まない展開になったら100%当たらない自信があるが(笑)
執筆者:まぼろしのぴーまん(MYコロシアム>最新予想にリンク) |
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