3歳牝馬のクラシック第2弾、オークスの追い切りが18日、滋賀県の栗東トレセンで行われた。桜花賞2着のシンハライト(栗東・石坂正厩舎)は坂路を軽快に駆け上がり、パートナーに悠々と2馬身先着。万全の態勢をアピールし、サンケイスポーツ調教評価で最上級の『S』を獲得だ。強力なライバルが今回は不在。“1強”ムードに応える準備は整った。枠順は19日に確定、馬券は21日から発売される。
ソフトな仕上げの中にも“1強”の貫禄はたっぷりだ。桜花賞2着のシンハライトが、馬なりのまま堂々の先着。手綱を取った池添謙一騎手は、確かな手応えを口にした。
「何もしていないけれど、ラスト1ハロンは自分からハミを取って動いていた。息遣いもよかった。状態は変わらずにいいですね」
坂路での追い切りは、キングカヌヌ(500万下)を前に置く形でスタート。軽快な脚さばきで、徐々にスピードを上げていく。楽な手応えのまま前に並びかけるとあっさりとかわし、2馬身先着でフィニッシュ。馬なりで4ハロン53秒6-12秒8の時計なら上々だ。
1週前の11日には坂路で一杯に追われ、4ハロン53秒8で2馬身先着。本番へ向け、ハードな調教もこなして、態勢は整った。
石坂正調教師は「1週前にちょっと強い負荷をかけた。今週は長距離輸送が控えているので、少し余裕を残した。桜花賞が一番いいデキだったので、それ以上とはなかなかいいづらいが、いい状態はキープできている」と満足げにうなずいた。
トレーナーが「きゃしゃだけど、能力を秘めていてセンスがある」と信頼する愛馬は、無傷の3連勝で臨んだ桜花賞でハナ差の2着。リベンジを期す今回は桜花賞馬ジュエラー、2歳女王メジャーエンブレムが不在で、断然の存在となっている。だからこそ、チャンスを絶対に逃さないため、陣営は入念な準備を行った。
中間はメリハリをつけて3週連続で併せ馬を消化。また、距離延長への対策で、前に馬を置く調教で折り合い面も継続的に確認してきた。今回はスタンド前の発走になるため、念を入れて6日には鞍上を背にスタートの練習も行った。さらに験担ぎで、レース時に着用するメンコを新調。これまで黒地に黄色だった馬名の刺繍(ししゅう)を、頂点を意識して金色へと変えた。
長距離輸送も初めてだが、荻野斉助手は「学習能力が高く、初めての環境でも慣れてしまえばすぐに落ち着くからね」と心配無用を強調する。
今春のGIで2着3回など惜敗が続く池添騎手は「勝ちたい。そのひと言ですね」と力強い。シンハライトとともに、今度こそ笑う。 (川端亮平)
★オークスの特別登録馬(想定騎手入り)はこちら