2013年12月19日(木) 12:00
伊吹雅也
伊吹雅也のPOG分析室 ~第8回 上位ランカーに学べ! 2歳GIを終えて指名状況をレポート~
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12月8日の阪神ジュベナイルフィリーズ(2歳GI・阪神芝1600m外回り)をレッドリヴェール(ディソサードの2011)が、12月15日の朝日杯フューチュリティステークス(2歳GI・中山芝1600m)をアジアエクスプレス(Running Bobcatsの2011)が制したことで、2013-2014年のPOG戦線はひとつの区切りを迎えました。おそらく、両馬はそれぞれJRA賞の最優秀2歳牝馬と最優秀2歳牡馬に選出されるはず。仮想オーナーの皆さん、おめでとうございます!
今回は優秀なプレイヤーたちに指名のコツを学ぶべく、スペシャルクラス、スーパーミリオネアクラス、ミリオネアクラス、スーパーリッチクラス、リッチクラス、ブルジョアクラスの戦況と、上位にランクインしている皆さんの指名状況を分析してみました。なお、各馬の成績ならびに各プレイヤーの指名馬は、いずれも2013年12月17日現在のものです。
私も所属しているスペシャルクラスは柿谷陽介さんがトップ。指名馬の獲得賞金は2億5020万円に達しています。もっとも、当初は独走態勢を築きつつあったのですが、終盤でポグニティさんが猛追し、現在の獲得賞金は2億4340万円。柿谷さんとはわずか660万円差で、年内や年明け早々にも逆転が可能な状況となりました。
ちなみに、スペシャルクラスは各馬の仮想オーナー枠がそれぞれひとつずつ。1頭の馬を複数のオーナーが指名できる他のワールドと比べ、賞金を稼ぐのが難しい条件です。しかし、スーパーミリオネアクラス、ミリオネアクラス、スーパーリッチクラス、リッチクラス、ブルジョアクラスのランキングを見ても、このお二方より多くの賞金を獲得したプレイヤーは2名だけ。お見事というほかありません。
柿谷陽介さんはGIを制したレッドリヴェールに加え、グランシェリー(エポックサクラの2011)、ウインマーレライ(コスモチェーロの2011)、バンドワゴン(ピラミマの2011)といった2勝馬を確保。どの馬も血統的な注目度はそれほど高くなかったにもかかわらず、それぞれデビュー前に落札しています。過去の実績から十分にわかっていたこととはいえ、相馬眼の高さに改めて驚かされました。
一方のポグニティさんは、アジアエクスプレスを11月29日の第28回入札で落札。前週にオキザリス賞(2歳500万下・東京ダート1600m)を制し、次走候補として全日本2歳優駿(2歳GI・川崎ダート1600m)だけでなく朝日杯フューチュリティステークスの名も挙がりはじめた頃です。ウマニティPOGは地方競馬(交流重賞)のレースで獲得した賞金もカウントされますから、この時点でどちらに出走しても楽しみな存在。いま振り返ってみても本当に上手い指名だったと思います。この他にも、ファンタジーステークス(2歳GIII・京都芝1400m外回り)の勝ち馬ベルカント(セレブラールの2011)を小倉2歳ステークス(2歳GIII・小倉芝1200m)前の8月16日(第13回入札)に落札。シーズンを通じてゲーム巧者ぶりが光りました。
対照的な作戦で臨んでいるお二方の争いは、これからどんな展開を迎えるのでしょうか。他プレイヤーの巻き返しを含め、今後も興味深い戦いが繰り広げられそうです。もちろん、当初から3歳戦勝負のつもりだった私もまだ優勝は諦めていませんよ!
スペシャルクラスと同じく、スーパーミリオネアクラスも各馬の仮想オーナー枠はひとつずつ。こちらはアジアエクスプレスを指名した券王さん、レッドリヴェールを指名したきよちゃんさんらを抑え、よ~じさんが断然のトップに立っていました。デビュー前に落札したマイネルディアベル(ムービースクリーンの2011)、トーセンスターダム(アドマイヤキラメキの2011)が2勝を挙げたほか、小倉2歳ステークス直前の8月30日(第15回入札)に落札したホウライアキコ(ホウライサンデーの2011)が重賞を2勝。バランスの取れた戦略で獲得賞金額を伸ばしています。年明けのレース結果次第では、独走態勢を築いたままクラシック戦線へ突入することになりそうです。
ミリオネアクラスは混戦模様ですが、こちらもレッドリヴェールやアジアエクスプレスを落札していないさぎ太さんが首位をキープ中。大半の指名馬をデビュー前に落札していますが、デビュー後に落札したクリスマス(アラマサスナイパーの2011)らが序盤の獲得賞金額を下支えしました。来春のクラシック戦線で活躍を期待できそうな馬も多く、現状の賞金差以上に手応えを感じていらっしゃるんじゃないでしょうか。
仮想オーナー枠が4つあるスーパーリッチクラスも大激戦。レッドリヴェールやアジアエクスプレスを指名したプレイヤーが上位に浮上し、現在首位のゆぅとぉみさん、同じく2位のorangeさんに迫っています。これくらい指名枠が多いと、GI級の馬を何頭確保できたかの勝負になるはず。まだまだ多くのプレイヤーにチャンスがありそうです。
リッチクラスのトップはレッドリヴェールとハープスター(ヒストリックスターの2011)が阪神ジュベナイルフィリーズでワンツーフィニッシュを決めたスズカアサカオーさん。現時点で既に2億8090万円の賞金を獲得しました。この他にもちゃらこさん、東風はるちゃんさん、地味ラクルさん、横断歩道さんの4名が2億円以上の賞金を獲得するなど、ハイレベルな上位争いが繰り広げられています。今後もぜひ注目しておきたいワールドです。ちなみに、現在の上位5名はいずれもアジアエクスプレスを落札していません。この点が年明け以降の順位変動にどう影響してくるでしょうか。
ブルジョアクラスはトップのフォッケウルフさんをわずか5万円差で松Pさんが追う熱い展開。お二方の指名馬がまったく被っていない点も興味深いところですね。3位以下のプレイヤーもそれほど大きく離されておらず、2歳戦終了時のシーズン表彰争いは最終週までもつれ込みました。おそらく、総合優勝争いも日本ダービー当日まで予断を許さない展開になると思います。
伊吹雅也さんのPOGマイページはこちら
(伊吹雅也のPOG分析室は毎月10日頃に更新されます)
■執筆者プロフィール
伊吹 雅也(いぶき・まさや)
埼玉県桶川市在住のフリーライター、コピーライター、競馬評論家。的確でわかりやすいデータ分析に定評があり、現在は『JRAホームページ』内「今週の注目レース」で“データ分析”のコーナーを担当しているほか、さまざまなメディアに活躍の場を広げている。競走馬への一口出資やペーパーオーナーゲーム(POG)にも造詣が深く、現4歳世代のPOGでは、参加したすべてのドラフト(いずれも参加者20名以上)においてジェンティルドンナの単独1位指名に成功。現3歳世代も“赤本”こと『POGの達人』(光文社)誌上においてカミノタサハラ、コディーノ、フラムドグロワールらを推奨し、推奨馬の獲得賞金ランキング(皐月賞終了時点)で1位を獲得した。近著に『門外不出! 投票データから分かった! WIN5の鋭い買い方』(東邦出版)、『WIN5(五重勝)ほど儲かる馬券はない!! 少点数で驚愕配当をモノにする絶対的セオリー(競馬王新書)』(白夜書房)。12/6に全面監修の新刊『ウルトラ回収率 2014-2015(競馬王新書EX006)』(ガイドワークス)が発売された。 |
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▼11月9日(土)東京11R 京王杯2歳ステークス
【東京芝、中山芝、阪神芝のレースにおける優勝経験の有無別成績(2009年以降)】
●あり [2-3-4-21](複勝率30.0%)
●なし [2-1-0-29](複勝率9.4%)
→東京芝、もしくはゴール前の直線に急坂があるコースで勝ち上がってきた馬に注目したいところ。特別登録を行った馬のうち、東京芝、中山芝、阪神芝のレースにおいて優勝経験があるのは、アポロスターズ、カラダレジェンド、トーセンシルエット、マイネルディアベル、ライアンセンス、ルミニズム、レガリアの7頭です。
▼11月9日(土)京都11R KBS京都賞 ファンタジーステークス
【血統別成績(2007年以降)】
●父がノーザンダンサー系種牡馬 [4-2-1-13](複勝率35.0%)
●父がミスタープロスペクター系種牡馬 [1-2-3-13](複勝率31.6%)
●父がサンデーサイレンス系種牡馬 [1-2-2-28](複勝率15.2%)
●父がその他の父系の種牡馬 [0-0-0-20](複勝率0.0%)
→近年はノーザンダンサー系種牡馬やミスタープロスペクター系種牡馬の産駒が優勢。一方、サンデーサイレンス系種牡馬の産駒はやや苦戦しています。特別登録を行った馬のうち、父がノーザンダンサー系種牡馬なのはアドマイヤビジン、テイエムチュラッコ、フクノドリーム、モズハツコイの4頭、父がミスタープロスペクター系種牡馬なのはグランシェリーだけです。
▼11月10日(日)東京11R 東京中日スポーツ杯 武蔵野ステークス
【同年、かつJRAの中央場所、かつダート1400~1800mの特別における優勝経験の有無別成績(2005年以降)】
●あり [8-6-5-50](複勝率27.5%)
●なし [0-2-3-52](複勝率8.8%)
→同年に中央場所、かつマイル前後の特別を勝っていない馬は割り引きが必要でしょう。また、2005年以降は前走で2着以内に好走していた馬が[5-5-4-25](複勝率35.9%)と堅実でした。
▼11月10日(日)京都11R エリザベス女王杯
【JRA所属馬の、同年、かつJRA、かつ1600万下から上のクラス、かつ牝馬限定以外のレースにおける優勝経験の有無別成績(2008年以降)】
●あり [2-3-0-16](複勝率23.8%)
●なし [1-2-5-51](複勝率13.6%)
→同年に上級条件のレースで牡馬を負かしてきた馬は妙味十分。特別登録を行った馬のうち、2013年にJRA、かつ1600万下から上のクラス、かつ牝馬限定以外のレースで優勝経験があるのは、アロマティコ、エディンの2頭だけです。なお、2008年以降は同年にJRA、かつ1600m以下、かつ3歳以上か4歳以上のレースで3着以内となった経験のある馬が[0-0-1-13](複勝率7.1%)。マイル前後への適性が高くなってきた古馬は評価を下げるべきでしょう。
■執筆者プロフィール
伊吹 雅也(いぶき・まさや)
埼玉県桶川市在住のフリーライター、コピーライター、競馬評論家。的確でわかりやすいデータ分析に定評があり、現在は『JRAホームページ』内「今週の注目レース」で“データ分析”のコーナーを担当しているほか、さまざまなメディアに活躍の場を広げている。競走馬への一口出資やペーパーオーナーゲーム(POG)などにも造詣が深く、近年はWIN5研究の第一人者としても知られるようになった。近著に『門外不出! 投票データから分かった! WIN5の鋭い買い方』(東邦出版)、『WIN5(五重勝)ほど儲かる馬券はない!! 少点数で驚愕配当をモノにする絶対的セオリー(競馬王新書)』(白夜書房)。 |
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伊吹雅也のPOG分析室 ~第5回 上位ランカーに学べ!夏季競馬終了時の成績を紹介~
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先々週で夏季競馬が終了し、先週からは秋季競馬がスタート。既に函館2歳ステークス(2歳GIII・函館芝1200m)、新潟2歳ステークス(2歳GIII・新潟芝1600m外回り)、札幌2歳ステークス(2歳GIII・函館芝1800m)、小倉2歳ステークス(2歳GIII・小倉芝1200m)の4重賞が施行され、各ワールドのランキングも大きく変動しました。
今回は優秀なプレイヤーたちに学ぶべく、スペシャルクラス、スーパーミリオネアクラス、ミリオネアクラス、スーパーリッチクラス、リッチクラス、ブルジョアクラスで首位に立っている皆さんの指名馬を分析してみたいと思います。なお、各馬の成績ならびに各プレイヤーの指名馬は、いずれも2013年09月09日現在のものです。
私も所属しているスペシャルクラスでスタートダッシュを決めたのは、「『青本』の頭脳」としておなじみの柿谷陽介さん。レッドリヴェール、グランシェリー、ウインマーレライと、既に指名馬から3頭の2勝馬が出ています。また、デビューした9頭のうち8頭が勝ち上がっている“打率”の高さも特筆モノ。決して前評判の高かった馬ばかりではないだけに、この戦績はお見事というほかありません。
ちなみに、まだデビューしていない指名馬はアンヴェイルド(ヴァイオレットラブの2011)、サングレアル(ビワハイジの2011)、Vodkaの2011。いずれも母や姉がJRA GIを勝っている良血馬です。これらの馬が柿谷さんのお見立て通りに活躍するようなら、早い段階で独走態勢に入られてしまうかもしれませんね。
スーパーミリオネアクラスは藤沢雄二さんがトップ。ダリア賞を制したマキャヴィティのほか、小倉2歳ステークスで3着に食い込んだラブリープラネットを指名されています。全体的に混戦模様のクラスなので、シャドウダンサー(ダンスインザムードの2011)をはじめとする未デビュー組や、これから追加指名する馬たちがポイントになりそうです。
ミリオネアクラスで首位に立っているのはさぎ太さん。新馬の後に指名したクリスマス、モズハツコイがそれぞれ次走で優勝しています。また、前評判が高かったうえに早々と勝ち上がりを果たしているアトム、エイシンオルドス、レヴアップスピンあたりを押さえている点もさすが。今後もしばらくは首位争いを牽引していくでしょう。
スーパーリッチクラスはゆぅとぉみさんが一歩リード。2~4位のプレイヤーはレッドリヴェールの札幌2歳ステークス優勝で獲得ポイントを伸ばしましたが、ゆぅとぉみさんは既に9頭の指名馬が勝ち上がっているうえ、クリスマスやウインマーレライといった2勝馬も押さえていました。夏季競馬に照準を絞った指名というわけではなく、まだサングレアル(ビワハイジの2011)、ラヴズオンリーミーの2011といった良血馬もデビューを控えていますから、どこまでポイントが伸びるのか楽しみです。
リッチクラスのトップはスズカアサカオーさん。レッドリヴェールとハープスターの2頭が既に重賞を勝っています。また、その他の指名馬を見ても、エイシンアロンジー(Ice Mintの2011)、エルノルテ、ガリバルディ、シャドウダンサー(ダンスインザムードの2011)、ドラゴンストリート(フィラストリートの2011)、ラヴィーネといった良血馬や評判馬がズラリ。このワールドはもちろん、全ワールドを通じての最高獲得ポイントも狙えそうな、重厚感あふれるラインナップですよね。いわゆる“POG本”の制作に携わっている者として、「今のうちに指名理由をインタビューしておいた方がいいのかもしれない」とすら思いました。
ブルジョアクラスは今のところ混戦模様ですが、原稿執筆時点で首位に立っているのはうまんですよさん。コスモス賞を制したマイネルフロストや、札幌2歳ステークス3着のハイアーレート、小倉2歳ステークス2着のベルカント、同3着のラブリープラネットらを指名されています。しかも、マイネルフロストやハイアーレートはデビュー前に指名済み。私の指名する馬は3歳春にようやく開花する晩成型が多く、この時期にJRA重賞で好走するような馬をなかなか指名できないので、大変勉強になるラインナップです。
ちなみに、アベレージクラス(1~7)を含む各ワールドで首位をキープしている13名のプレイヤーを対象とした、各馬ごとの指名者数ランキングは下記の通り。
大半の馬は既にある程度のポイントを獲得していますが、 サングレアル( ビワハイジの2011)、 シャドウダンサー( ダンスインザムードの2011)、 ベルキャニオン(クロウキャニオンの2011)、 レーヴデトワール(レーヴドスカーの2011)あたりがデビューするのは今週以降。これらの馬はPOG名人たちがその素質を高く評価しているわけで、馬券的にも要注目の存在と言えるでしょう。
伊吹雅也さんのPOGマイページは こちら
(伊吹雅也のPOG分析室は毎月10日頃に更新されます)
■執筆者プロフィール
伊吹 雅也(いぶき・まさや)
埼玉県桶川市在住のフリーライター、 コピーライター、競馬評論家。的確でわかりやすいデータ分析に定評があり、現在は 『JRAホームページ』内「今週の注目レース」で“データ分析”のコーナーを担当しているほか、さまざまなメディアに活躍の場を広げている。競走馬への一口出資やペーパーオーナーゲーム(POG)にも造詣が深く、現4歳世代のPOGでは、参加したすべてのドラフト(いずれも参加者20名以上)において ジェンティルドンナの単独1位指名に成功。現3歳世代も“赤本”こと 『POGの達人』(光文社)誌上において カミノタサハラ、 コディーノ、 フラムドグロワールらを推奨し、推奨馬の獲得賞金 ランキング( 皐月賞終了時点)で1位を獲得した。近著に 『門外不出! 投票データから分かった! WIN5の鋭い買い方』(東邦出版)、 『WIN5(五重勝)ほど儲かる馬券はない!! 少点数で驚愕配当をモノにする絶対的セオリー(競馬王新書)』(白夜書房)。 |
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