福島テレビオープン(21日、福島11R、3歳上オープン国際、別定、芝1800メートル、1着本賞金2300万円=出走15頭)好スタートからハナに立った10番人気トーホウレーサー(栗・川村、牡5、父チーフベアハート)がそのまま逃げ切り。1年5カ月ぶりの実戦だったが、しぶとい粘り腰を見せ、07年GIIニュージーランドT以来の4勝目(13戦)を挙げた。タイム1分48秒9(重)。1番人気のショウワモダンはハナ差及ばず2着に敗れた。
マーメイドSでコスモプラチナが大逃走を決めた10分後、福島では感動の逃走劇が待っていた。1年5カ月ぶりのブランクをものもともせず、トーホウレーサーが直線のし烈な叩き合いをしのいで逃げ切りVだ。
「右トモを骨折して、それをかばっていたら今度は左前の繋靱帯炎。これまでは苦難の連続だった。ようやくレースにこぎ着けたが…。きょうは馬を褒めてあげてください。スタッフの苦労を考えると嬉しいね」。愛馬の復活Vに川村禎彦調教師は涙を抑えきれない。柴山雄一騎手も「テンが速く何もせずにハナに行けた。後続につつかれて厳しい展開だったのによく粘ってくれた」とパートナーの奮闘を讃えた。次走は未定だが、07年のニュージーランドT勝ち馬が完全復活。今後のマイル~中距離路線が楽しみになってきた。(板津雄志)