新潟開幕週はデビュー3年目の伊藤工真(たくま)騎手(20)=美・古賀史=に注目だ。今年の飛躍を誓う若武者はウエスタンビーナスとのコンビでアイビスサマーダッシュに挑戦。重賞初制覇を狙う。
1年目こそ1勝に終わった伊藤工真だが、2年目は23勝に躍進。3年目となる今年も、12日現在で11勝をマーク。同期の三浦皇成の影に隠れがちだが、着実にステップアップしている。
福島で行われたバーデンバーデンCでは、初コンビのウエスタンビーナスを2年2カ月ぶりの優勝に導くとともに、自身初のオープン特別&メーンレースVを達成した。「未勝利戦で勝つのも嬉しいが、メーンはファンの注目度が違いますね。本当に嬉しかったです」と振り返る。この勝利で、引き続きビーナスへの騎乗も決まった。しかも今回は重賞。「結果を出さなければいけない世界。認められるのは嬉しいですね」と語る表情は、デビュー当時とは見違えるほどたくましい。
これまで重賞に11回騎乗。09年のダイヤモンドS5着(ゴーウィズウィンド)が最高だが、今回は勢いもあり、初制覇のチャンス。「能力的には十分通用します。平常心で馬の力を引き出したい」と力みは感じられない。
パートナーの状態も上がっている。函館スプリントSに出走するプランもあったが、ローテーションを考えてアイビスSDを選択。「デキは前走と同じかそれ以上。以前は一本調子だったけど、負けはしたが、長距離を経験したことで我慢が利くようになって、レースぶりも良化。今回も楽しみですね」と鈴木調教助手の期待も大きい。
「跨った時のイメージと、レースの走りがやっと重なるようになってきた」と工真の感触も確か。10日の福島2R(16頭)では、最低人気のシルキーブライドをクビ差2着に持ってくるなど、いい流れで新潟開幕週を迎えることができるのも大きい。今年は2ケタ人気で5回連対するなど好配当を再三演出。人気薄でも注意が必要だ。
人馬とも上り調子で迎える一戦。ウエスタンビーナスと伊藤工真のコンビが直線競馬を大いに盛り上げる。(松永昌也)