ビワシンセイキ(競走馬)

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写真一覧
抹消  鹿毛 1998年6月13日生
調教師松田博資(栗東)
馬主有限会社 ビワ
生産者早田牧場新冠支場
生産地新冠町
戦績33戦[10-7-8-8]
総賞金19,721万円
収得賞金6,880万円
英字表記Biwa Shinseiki
血統 フォーティナイナー
血統 ][ 産駒 ]
Mr. Prospector
File
オシアナ
血統 ][ 産駒 ]
Northern Dancer
South Ocean
兄弟 バレリーナチュチュビワシュウユウ
市場価格
前走 2004/08/12 ブリーダーズGC G2
次走予定

ビワシンセイキの競走成績

[ 競走データ ] [ 繁殖データ ]
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成績 条件別 競馬場別 距離別 重量別 騎手別 タイム別
開催日

R 競走名 コース









指数

負担
重量
(kg)
騎手調教師



馬体重
(kg)




(秒)

3F
通過順 1(2)着馬
04/08/12 旭川 11 ブリーダーズ G2 ダ2300 9--------3** 牡6 56.0 横山典弘松田博資 500
(--)
2.32.7 0.0----タイムパラドックス
04/07/19 盛岡 10 マーキュリー G3 ダ2000 13--------3** 牡6 57.0 横山典弘松田博資 497
(--)
2.05.8 0.0----スナークレイアース
04/06/20 阪神 11 プロキオンS G3 ダ1400 15345.937** 牡6 57.0 安田康彦松田博資 494
(+4)
1.23.2 0.936.2⑦⑦ニホンピロサート
04/05/23 中京 11 東海S G2 ダ2300 1651010.254** 牡6 57.0 横山典弘松田博資 490
(-6)
2.24.5 0.838.5④④アンドゥオール
04/05/03 名古 10 かきつばた記 G3 ダ1400 12--------3** 牡6 57.0 横山典弘松田博資 496
(--)
1.25.1 0.0----マルカセンリョウ
04/01/25 京都 11 平安S G3 ダ1800 15342.713** 牡6 57.0 武豊松田博資 504
(+6)
1.51.6 0.337.2⑤⑤④タイムパラドックス
03/12/29 大井 9 東京大賞典 G1 ダ2000 16--------3** 牡5 57.0 横山典弘松田博資 498
(--)
2.04.4 0.0----スターキングマン
03/12/09 宇都 9 とちぎマロC G3 ダ1400 12--------1** 牡5 57.0 横山典弘松田博資 494
(--)
1.26.7 -0.0----ストロングブラッド
03/11/24 笠松 10 全日本サラC G3 ダ1400 10--------3** 牡5 57.0 横山典弘松田博資 498
(--)
1.27.2 0.0----レジェンドハンター
03/11/01 東京 11 武蔵野S G3 ダ1600 166126.858** 牡5 57.0 安田康彦松田博資 492
(-9)
1.37.7 1.538.2⑩⑦サイレントディール
03/09/30 上山 11 さくらんぼ記 G3 ダ1800 12--------2** 牡5 57.0 横山典弘松田博資 501
(--)
1.56.2 0.0----ストロングブラッド
03/07/21 盛岡 10 マーキュリー G3 ダ2000 14--------2** 牡5 57.0 横山典弘松田博資 502
(--)
2.04.6 0.0----ディーエスサンダー
03/06/25 大井 9 帝王賞 G1 ダ2000 15--------2** 牡5 57.0 横山典弘松田博資 498
(--)
2.05.5 0.0----ネームヴァリュー
03/06/04 船橋 11 かしわ記念 G2 ダ1600 14--------10** 牡5 56.0 横山典弘松田博資 498
(--)
1.39.6 0.0----スターリングローズ
03/05/01 名古 10 かきつばた記 G3 ダ1400 12--------1** 牡5 56.0 横山典弘松田博資 502
(--)
1.25.5 -0.0----スターリングローズ
03/02/23 中山 11 フェブラリー G1 ダ1800 16488.532** 牡5 57.0 横山典弘松田博資 498
(-4)
1.51.0 0.138.3ゴールドアリュール
03/01/26 京都 11 平安S G3 ダ1800 16471.514** 牡5 56.0 武豊松田博資 502
(+7)
1.50.7 1.037.1⑪⑩⑫⑧スマートボーイ
02/12/29 大井 9 東京大賞典 G1 ダ2000 16--------2** 牡4 57.0 横山典弘松田博資 495
(--)
2.05.9 0.0----ゴールドアリュール
02/12/07 阪神 11 ギャラクシー OP ダ1400 165101.411** 牡4 56.0 武豊松田博資 508
(+4)
1.23.9 -0.536.3⑩⑩ツルマルファイター
02/11/16 中山 10 秋嶺S 1600万下 ダ1800 16123.621** 牡4 58.0 武豊松田博資 504
(+8)
1.54.0 -0.238.4⑤⑨⑦⑥アグネスアラシ

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【フェブラリーS】データ解析

2013年2月12日(火) 05:02

  *過去10年が対象

 ◆ダート重賞勝ち 連対20頭中、ダート重賞未勝利だったのは2003年2着ビワシンセイキのみ。さらに19頭中12頭がダートで重賞2勝以上していた。

 ◆ダートGI実績重要 20頭中12頭がダートのGIウイナー。残る8頭中、前述のビワシンセイキを含む4頭にもGI2着の実績があった。

 ◆前走は重賞で3着以内 19頭の前走が重賞で、そのうち勝ち馬全10頭を含む17頭が3着以内だった。好調馬を狙いたい。また、芝からの参戦組は【0・0・1・20】と不振。

 ◆ダ千六以上でV 18頭にダート1600メートル以上でV歴。残る2頭はともに芝マイルで重賞勝ちの実績があった。

 ◆東京ダでV 中山で開催された03年を除く、連対18頭中14頭に東京ダートでV歴か、GI連対実績があった。残る4頭はいずれも左回りのダートで重賞Vがあり、かつ前走2着以内だった。

 ◆4、5歳中心 4歳が最多8連対で、5歳が6連対。7歳以上は【0・3・2・40】で、苦戦傾向。

 ●中2週以上3カ月以内 全20頭が前走から3カ月以内。前走がジャパンCダートか東京大賞典だった馬以外は年明けに1戦以上していた。

 ◇結論◇

 トップはグレープブランデー。3歳時のGIジャパンダートダービーを含む重賞2勝の実績があり、前走が東海S1着で好調ぶりも伝わる。ワンダーアキュートは7歳の年齢が割り引き材料だが、GI1勝2着4回と実績は上位。昨年2着のシルクフォーチュンは前走がカペラS1着で、東京実績も強調できる。昨年の覇者テスタマッタは前走がやや不満だが、このレースに2度出走して(2)〔1〕着の実績からも侮れない。ダート初出走のカレンブラックヒルは、データからは苦しい。(データ室)

【フェブラリーS】データ解析2012年2月14日(火) 05:02

  *過去10年が対象

 ◆前走3着以内 連対20頭中17頭が前走3着以内。残る3頭、03年ビワシンセイキは前年の交流GI東京大賞典で2着、08年ブルーコンコルドはそれまで交流GI6勝の実績があり、04年サイレントディールは前年に同舞台のGIII武蔵野Sを圧勝していたが、いずれも2着まで。さらに、勝ち馬に限れば10頭中7頭が前走1着であり、好調馬でないと苦しい。また、前走距離は19頭が1800メートル以上。例外の05年1着メイショウボーラーはダート無敗馬(重賞で2戦2勝)だった。

 ◆ダート重賞馬 20頭中、ダート重賞未勝利だったのはビワシンセイキのみ。ダート重賞勝ちの実績は重要だ。

 ◆ダ千六実績 18頭にダート1600メートル以上でV歴。例外の05年1着メイショウボーラー、同2着シーキングザダイヤはともに芝マイルで重賞勝ちがあった。

 ◆東京ダートV実績理想 中山で行われた03年を除く連対18頭中11頭に東京ダートでV歴。残る7頭中6頭はダートGIで連対歴があり、いずれにも該当しない09年2着カジノドライヴには、米ダートGIIピーターパンS制覇があった。

 ◆4歳、5歳馬中心 4歳馬が最多の9連対で、5歳馬が7連対でこれに次ぐ(勝利数では5歳馬が5勝でトップ)。7歳以上は【0・3・2・40】と苦戦。連対したのはブルーコンコルド(07、08年)、フリオーソ(11年)で、いずれもそれまでGI4勝以上の強豪だったが、2着まで。

 ◆前走芝は苦戦 芝からの転戦組は【1・0・1・19】。3着以内に入った2頭はともにダートGI勝ちの実績があった。

 トップ評価は昨年の覇者トランセンド。JRAのダートGIでは4戦無敗で、連覇のチャンス。JCダート、東京大賞典とGIで連続2着のワンダーアキュートが逆転候補の筆頭。このコースは3歳時にGIII武蔵野Sを勝った舞台で、相性もいい。一昨年の優勝馬エスポワールシチーは7歳馬だが、GI5勝の実績は侮れない。 (データ室)

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ビワシンセイキの口コミ


口コミ一覧
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【馬ニアな話】黄金の魅力─競馬HEADLINE/ 2017年5月3日 18時30分
http://keiba-headline.com/gold-allure-13144/

日本競馬界を根底から変えた大種牡馬、サンデーサイレンス。一期生達からダービー馬を誕生させたそのDNAは、ホースマン、そして我々をファンも熱狂させた。

サンデーサイレンスの子ならダービーも!天皇賞も!有馬記念も!と夢を見た。馬主さんと言われる親分達は、それまで夢の世界でしか考えられなかった眩い名誉を現実にすべく、サンデーサイレンスの子を求めた。

しかし、サンデーの子とて負ける時はあっさり負ける。勝てなかった者、一度も競走馬として競馬場に足を踏み入れられなかった者も数多くいるのだ。あくまでも、夢が叶う可能性が高いというだけで、必ずダービーや有馬記念を勝てる保証はされていない。

サンデーサイレンスに世界の大種牡馬として名を馳せていたヌレイフの肌を掛け合わせて生まれた仔馬がいた。遮光率の高いサングラスをかけても、眩しさすら感じるような超良血馬だ。まだこのトネがニキーヤの99と呼ばれていた頃、取り巻く人々はおそらくダービーを強く意識していたと思う。

金色に輝く栗毛の馬体、その毛色と同じく眩い魅力を生まれながらに持っていたトネっ仔は黄金の魅力という意味を持つゴールドアリュールという名を与えられた。

立派な名前を貰い、栗東の池江泰郎厩舎に入厩したゴールドアリュールは2001年11月の京都でデビュー。初陣の舞台は芝の1800mだった。クラシックを意識された出陣だ。結果は2着に敗れたが、中2週の間隔で再び同じ舞台に挑み初勝利をあげる。ここから黄金の道を…と思われたが2勝目は年が変わった2002年4月だった。舞台は阪神の平場条件戦で、ダートの1800m。この時期といえばクラシック候補の馬達は皐月賞の舞台に立っていなくてはならない時期だが、やや後れをとったゴールドアリュールは京都で行われるダートのオープン競走、端午Sを勝利し3勝目を挙げ、何とかダービーへ間に合ったかたちとなった。

バリバリの良血馬がダートで勝ちを積み重ねクラシックへ。王道を行く馬達と比べれば少し格が落ちる道のりだが、このダート実績は後に彼を待ち構えている輝かしい未来への鍵だった。

夢に見たダービーは、2勝目と3勝目をもたらしてくれた上村洋行を背に挑んだ。直線ではそれが現実になると思わせる瞬間があったが、大外から戦車の如く逞しい脚で伸びてきたタニノギムレットに及ばず5着に敗れた。勝てはしなかったが、99年に生を受けた9679頭のサラブレッドの中で5番目に強いと考えれば、立派な成績だと思う。

一つの目標を終えたゴールドアリュールとホースマン達は、目先を芝からダートへ変えた。2002年7月4日、ゴールドアリュールの姿は公営大井競馬場にあった。ここで開催される3歳ダート決定戦、ジャパンダートダービーに挑むことになる。鞍上が上村から武豊へと替わったこの一戦で、栗色のサンデー産駒は驚くようなパフォーマンスを披露することになるのだった。

レースはやや押して主導権を取りに行く競馬で進められた。外からは的場文男が手綱を握るノムラリューオーが競る素振りをチラつかせたが、1角までに振り切りハナに立った。ここからは悠々独り旅。4角を迎えても競りかける、或いは並びかける馬はいなかった。余裕たっぷりで武が追い出すと、グングンとリードを広げていった。付いて行こうとした藤田のエイシンセダンは潰され、後方から飛んできた石崎隆之のプリンシパルリバー、秋山のインタータイヨウは影も踏めなかった。

逃げて10馬身のV。前年、志半ばで錨を下ろしたクロフネを彷彿とさせる圧巻の走りであった。道は開けた。ここからゴールドアリュールは自身に用意されていた輝かしい未来へと爆走して行く。

夏を越し秋。同期生達が菊花賞、或いは天皇賞秋へと進路を悩む中、彼は岩手の盛岡にいた。挑むレースは当時交流GIだったダービーグランプリ。ダービーは生涯一度しか走れない貴重なレースだが、ゴールドアリュールは、東京優駿、JDD、ダービーGPと3度ダービーの舞台に立った。全く幸せな馬である。

馬体重は大井のレースから12kg減ったが、そんなものは関係なかった。ここでもスタートからハナに立ち、後に東京大賞典を制するスターキングマンをいとも容易く10馬身突き放して快勝。2つ目のダービータイトルを手に入れたのだ。私はこの時、勝手にドバイやアメリカで大差勝ちをするゴールドアリュールを想像した。

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その後はダート界に現れた新星はまだ出来たてホヤホヤの世界戦、ジャパンカップダートに挑んだ。人気はアドマイヤドンに続く2番人気。自身と同じく良血馬の期待を背負わされ、ダートに矛先を変えて光を掴んだ先輩との対決だったが、奴が乗れば馬が変わると世界中の競馬界から神のように崇められているフランキー・デットーリ騎乗のイーグルカフェに2頭ともやられてしまった。アリュールは5着、ドンは3着だった。

この時のフランキーの騎乗は確かに神であった。こう言ってはイーグルカフェファンにシバかれるかも知れないが、まさかこの馬がここで勝つとは、夢にも思わなかった。

人間の世界も馬の世界もなかなか理想通り行かないということだ。ダートで初めての敗戦を喫したゴールドアリュールだったが、休むことなく再び大井に向かった。12月29日、東京大賞典だ。中央で散財した競馬ファン達が最後の望みをかけるこのレースは、ともすると有馬記念より熱いのではなかろうか?

寝ても覚めても、馬の尻を追いかけるしがないファン達は、ゴールドアリュールを1.5倍の単勝支持率で迎えた。暮れも押し迫る大井の馬場を逃走し、3つ目のダートG1タイトルを獲得し、ファンに餅代を渡し、2002年を締めくくったのだった。

明けて2003年。JRA最優秀ダート馬、NARグランプリ特別表彰馬という勲章を携え古馬になったゴールドアリュールは、ステップレースを使わずいきなり大一番のフェブラリーSへ挑んだ。まだ、府中が改装工事中だったので、前年のJCDと同じく、中山での開催だった。

ぶっつけ本番で、唯一敗れた中山のダート。この不安要素が買われ、3.1倍というオッズを作り上げたのだと思う。まぁ馬は我々のようにオッズ板を見てアレやこれやと騒がないし、自分が本命馬か穴馬かなんて、そんなものは知ったこっちゃない(笑)数字がコンマ1上下するだけで、騒つく我々を、馬達は嘲笑いの気持ちで見ているのかもしれない。

そんなわけで始まったフェブラリーS。ハナを叩いたのは、アリュールではなくカネツフルーヴと中舘。川崎競馬が生んだ怪物、ロジータの息子は逃げの名手に導かれアリュールの出鼻を挫いた。いつものポジションを取れなかったゴールドアリュールだったが、鞍上の武豊は騒がず冷静にイン3番手位に付けさせた。それをピタリとマークしたのはビワシンセイキと横山典弘。昨年の夏に急成長を遂げると、一気の5連勝で東京大賞典まで登り詰め2着。敗れはしたが、逃げを打てば必ず大差勝ちだったゴールドアリュールに1馬身半まで詰め寄った。 動画 Yotube https://www.youtube.com/watch?v=MyC095c9COg

淡々と流れる真冬のダート王決戦in下総。レースが動いたのは3〜4角。内から栗毛の馬体が音もなくスルスルと浮上を開始。ついに来たかと鞍下の相棒にサインを送る中舘。マークしていたビワは少し押し気味。後ろから北村のマイネルブライアン、更にはJCDで自身を負かしたイーグルカフェが、イタリアの名手ミルコ・デムーロと共に追い上げてきた。

ゴールまで残り308m。気分良く逃げていたカネツフルーヴをあっという間に捕らえて、ゴールドアリュールは先頭に立った。1馬身、2馬身と抜け出しを図ろうとした時、ノリがステッキを抜いた。手応えが悪そうに見えたビワシンセイキが鞍上のアクションに応え力強く伸びる。差が開かずジワリジワリと詰め寄るビワとノリ。懸命の粘り込みを図るアリュールと武。身も凍るような真冬の競馬場が、熱く燃え上がっていた。

坂を上る。勢いは完全にビワシンセイキが優勢だった。1馬身、半馬身。さあ!あと一歩!というところがウイニングポストだった。着差はクビ。軍配はダート王、ゴールドアリュールに上がった。G1を勝ってもクールな武豊が、いつぞやの菊花賞と同じくらいのガッツポーズをして喜びを爆発させた。

次ページへ

もう不安は何もない。自信と希望を持って世界へ飛び出す時がやってきた。向かう場所はUAEだ。世界最高額の賞金を誇るドバイワールドカップへの参戦が決まった。ところがその道は人々の争いによって閉ざされた。イラク戦争の余波を受け、ドバイ遠征は白紙となったのだ。海の向こうに広がる新しい景色を眺めることはこの後も叶うことはなかった。

春。不本意な形で国内に留まったゴールドアリュールは京都のアンタレスSに出走する。距離はダートの1800m。ダービーへのチケットを獲った思い出のコースで、彼は逞しく成長した姿を池に浮かぶ白鳥たちに見せ付けた。

ここも無理にハナへ拘らなかった。知る人ぞ知る渋い名コンビだった人馬、スマートボーイと伊藤直人に主導権を譲り、番手から進んだ。京都のダート9Fの逃げ切り方を熟知しているコンビも、アリュールの目には映らなかった。3角過ぎからジワジワと差を詰め、4角出口で並びかける。ここからが圧巻だ。コーナーを回った瞬間に、ポンと2馬身突き離すと、例の大差ブッチギリ態勢に入る。後方からイーグルカフェ、ディーエスサンダー、若かりし頃のタイムパラドックスが脚を伸ばして来たが、グングン飛ばす黄金のダート王の影は踏めなかった。

8馬身差の圧勝劇。久しぶりにらしさを見せ、萎んだ夢に再び活力が戻った。ダートの競馬はドバイだけではない。アメリカもある。新たな目標へ向かうため、彼は大井の帝王賞へ進んだのであった・・・。

この場所も彼にとってはもう庭のようなものだ。普通に走れば結果はついてくる。しかし、ゴールドアリュールの体は異変を来し始めていた。この時調教に騎乗した武は、いつものゴールドアリュールではないという違和感を感じていたという。

そんな名手の予感は最悪の形で的中する。番手を進み、3角過ぎで前を捕らえる。道中はいつも通りのゴールドアリュールだった。しかし、4角。武が懸命に押しても、全く進まない。逃げたネームヴァリューは、その間にリードを広げた。追いつけない悔しさ。屈辱を味わったゴールドアリュールは、11着に敗戦したのだ。生涯を通じて最低の着順だった。

一体何がゴールドアリュールの身に起こったのか?彼を襲った病、それは喉鳴りだった。咽頭の軟骨が十分に開かず呼吸運動に異常をもたらすこの病は、安静にしていれば症状は治まる。しかし、激しい運動を行うと呼吸困難に陥る病気だ。競走馬にとって屈腱炎と並び致命的な病である。

ゴールドアリュールの症状はかなり重い部類だった。完治させるには手術と長期休養を要する。この診断を下されたホースマン達は、アリュールの引退を決めた。通算16戦8勝。もし、あのフェブラリーSの後、ドバイへ行けていたなら。空想でしかそれを描けないのが、本当に残念である。

サンデーサイレンス王国にダートのカテゴリーを創設したゴールドアリュールは、父としてもダートの活躍馬たちを競馬場へ送り込んだ。JCD、フェブラリーSを制したエスポワールシチー、自信を彷彿とさせる圧勝劇を繰り広げたスマートファルコン。追込み馬フリークの私としては、シルクフォーチュンの存在も忘れられない。

次はどんな砂王を?と期待していた、2017年2月18日。ゴールドアリュール急逝の一報が届いた。

翌日、行われたフェブラリーS。恐らく、天国へ昇る途中で、アリュールも見ていたであろうこの一戦を制したのは、息子のゴールドドリームだった。フェブラリーを制した息子は、父が直前で断念させられたドバイへ挑戦した。世界最強の評価を受けるアメリカのアロゲートに人気が集まっていたが、私は迷うことなくゴールドドリームの単勝を購入。結果は、アロゲートが圧倒的な走りを見せV。ゴールドドリームは14着に敗れた。父が果たせなかったドバイでは勝利をあげることはできなかったが、黄金の魅力溢れる夢をまだ見られると思えば、馬券が外れたことは取るに足らないことだ。

ドバイがダメでもアメリカがある。あの日、アリュールに見た夢は、息子に託された。

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