サッカーボーイ(競走馬)

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写真一覧
抹消  栃栗毛 1985年4月28日生
調教師小野幸治(栗東)
馬主有限会社 社台レースホース
生産者社台フアーム
生産地白老町
戦績11戦[6-0-2-3]
総賞金21,993万円
収得賞金4,475万円
英字表記Soccer Boy
血統 デイクタス
血統 ][ 産駒 ]
Sanctus
Doronic
ダイナサツシユ
血統 ][ 産駒 ]
ノーザンテースト
ロイヤルサツシユ
兄弟 パーフェクトゲームビークァイエット
市場価格
前走 1988/12/25 有馬記念 G1
次走予定

サッカーボーイの競走成績

[ 競走データ ] [ 繁殖データ ]
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成績 条件別 競馬場別 距離別 重量別 騎手別 タイム別
開催日

R 競走名 コース









指数

負担
重量
(kg)
騎手調教師



馬体重
(kg)




(秒)

3F
通過順 1(2)着馬
88/12/25 中山 9 有馬記念 G1 芝2500 1335--33** 牡3 55.0 河内洋小野幸治 454
(-4)
2.34.3 0.435.3⑫⑫⑫⑪オグリキャップ
88/11/20 京都 10 マイルチャン G1 芝1600 17714--11** 牡3 55.0 河内洋小野幸治 458
(+18)
1.35.3 -0.7--⑪⑦ホクトヘリオス
88/08/21 函館 10 函館記念 G3 芝2000 14813--11** 牡3 56.0 河内洋小野幸治 440
(-4)
1.57.8 -0.835.7⑨⑨⑤メリーナイス
88/07/03 中京 11 中日スポーツ G3 芝1800 1156--21** 牡3 56.0 河内洋小野幸治 444
(-4)
1.48.9 -0.133.9⑧⑧⑦⑦ヤエノムテキ
88/05/29 東京 10 東京優駿 G1 芝2400 24822--115** 牡3 57.0 河内洋小野幸治 448
(-6)
2.28.0 1.7--⑱⑵⑳⑳サクラチヨノオー
88/05/08 東京 11 NHK杯 G2 芝2000 16714--14** 牡3 56.0 河内洋小野幸治 454
(-4)
2.02.4 0.4--⑨⑧⑦マイネルグラウベン
88/03/06 東京 11 報知杯弥生賞 G2 芝2000 1268--13** 牡3 55.0 内山正博小野幸治 458
(+6)
2.01.5 0.4--⑧⑥⑥サクラチヨノオー
87/12/20 阪神 11 阪神3歳ステ G1 芝1600 1033--11** 牡2 54.0 内山正博小野幸治 452
(+14)
1.34.5 -1.3--④⑤ダイタクロンシャン
87/10/31 京都 9 もみじ賞 OP 芝1600 933--11** 牡2 53.0 内山正博小野幸治 438
(-4)
1.36.4 -1.6--④④ラガーブラック
87/09/27 函館 9 函館3歳ステ G3 芝1200 1268--34** 牡2 53.0 内山正博小野幸治 442
(+4)
1.12.9 0.737.2⑨⑧ディクターランド
87/08/09 函館 3 2歳新馬 芝1200 766--11** 牡2 53.0 内山正博小野幸治 438
(--)
1.14.5 -1.539.2トウショウマリオ

サッカーボーイの関連ニュース

 マイルCSは1984年創設の比較的歴史の浅いGIだが、初期の優勝馬には昭和の名マイラー・ニホンピロウイナー(連覇)やオグリキャップなど後世まで語り継がれる名馬の名が刻まれている。そのなかで馬じぃの印象に最も強く残っているのが、第5回88年のサッカーボーイである。

 2歳時、阪神3歳Sなど4戦3勝、勝ち星すべてが2着に8馬身以上をつける圧倒的なスピードで「弾丸シュート」と言われたサッカーボーイだったが、3歳春、脚元に不安を発症して皐月賞は回避、1番人気のダービーは15着に惨敗した。

 それでも立ち直りは早く、夏には中京で皐月賞ヤエノムテキ、函館でダービー馬メリーナイスを破ってレコード勝ち、マイルCSに照準を向けた。その函館記念の勝ちタイム1分57秒8は、その後洋芝に変わったが、今でも破られていないコースレコードだ。

 そして11月のマイルCS、例によって後方待機から徐々に進出、直線でスパートするやゴボウ抜き、2着に4馬身差をつけて圧勝した。勝ち時計1分35秒3はこの馬にしては平凡で、翌年34秒6で勝った同期のオグリキャップにも劣るが、両馬に乗ったことのある河内洋元騎手(現調教師)は「2000メートル以上ならオグリキャップだが、マイルならサッカーボーイ」と比較している。そのオグリと1度対戦した次の有馬記念は、オグリが勝って3着に終わり、河内評そのもの。脚部不安も発症して、このレースを最後に引退した。

 しかし、サッカーボーイがすごいのは競走成績だけではない。種牡馬としてA級馬を数多く輩出、それも自身はマイラーだったのに、ステイヤーが多いこと。菊花賞ナリタトップロード菊花賞と天皇賞・春のヒシミラクルがその代表だ。

 さて今年、そんな名マイラーに比せられるような馬が誕生するのか。マイル路線はこのところ低調でスター不在、ここもダノンシャーククラレントトーセンラーあたりが人気だが、どれも地味でいまいちピンとこない。なら、最内から派手に逃げそうな(1)コパノリチャード、追い込みで復調気配の大外(18)リアルインパクトのほうが楽しめそうだ。

 ■品川達夫(しながわ・たつお) 昭和44(1969)年、夕刊フジ創刊と同時に競馬欄を手掛け、デスク兼記者・予想家として約20年間紙面を汚す。その後、別のジャンルで新聞記者を務めながら競馬は続け、気がつけば「馬じぃ」に。

“記憶に残る名馬”サッカーボーイ逝く 2011年10月8日() 05:05

 皇帝シンボリルドルフに続いてまた1頭、昭和の名馬がこの世を去った。1987年阪神3歳S(=現2歳、西の2歳王者決定戦)、88年マイルCSのGI2勝を挙げ、種牡馬としても3頭のJRA・GI馬を輩出したサッカーボーイ(牡、父ディクタス)が7日午前9時25分、北海道安平町の社台スタリオンステーションで蹄葉炎(ていようえん)のため死亡した。26歳だった。

 80年代後半の競馬を彩った個性派が永眠した。栃栗毛の馬体にブロンドのたてがみという容姿に加え、競馬でのド派手な勝ちっぷりでファンを魅了したサッカボーイが、関係者が見守る中で死亡した。

 「ここ数年は蹄葉炎で苦しんでいましたが、つらい思いをしながらも種付けをこなしてくれた偉い馬でした。天寿を全うしたと言えるのではないでしょうか」

 吉田勝己ノーザンファーム代表が最期まで種牡馬として貢献してくれた名馬に感謝の言葉をかけた。

 サッカーボーイと同じ1985年生まれは現在でも「最強世代」と語られる。活躍馬の代表といえば、公営・笠松から移籍して88、90年有馬記念などGI4勝を挙げ、昨年7月3日に死亡した芦毛の怪物オグリキャップ。他にも88年菊花賞、89年天皇賞・秋、90年天皇賞・春を勝ったスーパークリークなどそうそうたる顔ぶれが並んでいた。

 その中でサッカーボーイの存在を大きくさせたのが88年の函館記念だった。メリーナイスシリウスシンボリのダービー馬2頭、2冠牝馬マックスビューティなどレース史上最高メンバーを相手に5馬身差V。芝2000メートルで1分57秒8と、サクラユタカオーが天皇賞・秋でマークしていた1分58秒3を0秒5更新する当時としては驚愕の日本レコードをマークし、主戦を務めた河内洋現調教師も「一番印象に残っている」とベストレースに挙げた。この記録は今でも函館競馬場コースレコードとして残っている。

 同期のライバル、オグリキャップとの初対決となった88年有馬記念では3着に敗退。その後骨折などがあり、結局これが最後のレースとなってしまったが、1年5カ月の競走生活ながら、強烈な印象をファンに与えた。

 自身がマイルから中距離を得意としたにもかかわらず、ヒシミラクル菊花賞、天皇賞・春、宝塚記念)、ナリタトップロード菊花賞)といった一流ステイヤーを送り出し、種牡馬としても型にはまらない結果を残したサッカーボーイ。産駒は2歳に5頭、1歳に2頭いるが、この父系から再び、ファンを熱狂させる個性派が誕生することが期待される。

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河内師、サッカーボーイは「ファンの多い馬」2011年10月8日() 05:04

 皇帝シンボリルドルフに続いてまた1頭、昭和の名馬がこの世を去った。1987年阪神3歳S(=現2歳、西の2歳王者決定戦)、88年マイルCSのGI2勝を挙げ、種牡馬としても3頭のJRA・GI馬を輩出したサッカーボーイ(牡、父ディクタス)が7日午前9時25分、北海道安平町の社台スタリオンステーションで蹄葉炎(ていようえん)のため死亡した。26歳だった。

 ◆現役時代のサッカーボーイを管理した小野幸治調教師

「今年5月に牧場で会った時はさすがに年を取った感じでも、まだまだ元気そうだったのですが…。4コーナーからさらに後続を引き離す走りには、本当に楽しい気持ちになりました。種牡馬としてもGI馬をだせたし、本当に良かったと思います」

 ◆引退までの6戦で手綱を取った河内洋調教師

サッカーボーイという名前のとおり、本当にファンの多い馬でした。1番人気に支持されたダービーは敗れてしまいましたが、次戦の中日スポーツ賞4歳Sを勝った時は中京競馬場であのような豪脚を使う馬がそれまでにいなかったので、今でも覚えている。日本レコードで優勝した函館記念は一番印象深いレースでした。競走馬として一時代を築いて、種牡馬としても活躍した。本当にすごい馬だった」

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サッカーボーイが死亡、ヒシミラクルらの父 2011年10月7日(金) 14:13

 JRAは7日、88年のマイルCS(GI)などを制したサッカーボーイ(牡26歳)が蹄葉炎のため死亡したと発表した。

 サッカーボーイは現役時代、通算成績11戦6勝。重賞は前記のマイルCSの他、87年阪神3歳S(GI)、88年中日スポーツ賞4歳S(GIII)、88年函館記念(GIII)を制している。87年には最優秀3(現在の表記では2)歳牡馬、88年には最優秀スプリンター(現在は短距離馬)に輝いた。

 引退後は種牡馬として活躍。産駒にはヒシミラクルナリタトップロードティコティコタックなどがいる。

 騎手時代6レースに騎乗した河内洋調教師は「サッカーボーイという名前のとおり、本当にファンの多かった馬でしたね。当時の日本レコードである1分57秒8で優勝した函館記念が一番印象に残っているレースです。競走馬として一時代を築いた後も種牡馬として活躍しましたし、本当にすごい馬だったと思います」。

 サッカーボーイを管理した小野幸治調教師は「4コーナーからさらに後続を引き離して勝つというスタイルだったので、うれしいと言うよりは本当に楽しいという気持ちになったことを覚えています。種牡馬になってからもGI馬を輩出するなど活躍することができて本当に良かったと思います」とコメントしている。

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サッカーボーイの関連コラム

閲覧 3,478ビュー コメント 0 ナイス 10

学生団体うまカレ副代表の金沢ユウダイです。

先週のラジオNIKKEI賞は、ディープ産駒のゼーヴィントが優勝。鞍上的にもファイナルフォームのリプレイを見ているようでしたが、血統的に気になった点は2つ。

1点目は、パシフィカス(ナリタブライアンビワハヤヒデの母)、キャットクイル(キズナファレノプシスの母)などを送り出すPacific Princess牝系とディープインパクトの組み合わせが、先述のキズナ以外にも、ラストインパクトモンドインテロ、そしてゼーヴィントと違う母から活躍馬が続出するニックスであるということ。
2点目は、ディープインパクトとRoberto血の相性は決して良いとはいえず、ディープインパクト×ブライアンズタイムの重賞ウイナーは昨年まで出ていなかったのですが、今年ディーマジェスティが出現、さらにゼーヴィントまでもが重賞を制しました。ここまで様々なタイプから活躍馬を輩出する種牡馬ディープインパクトは、とんでもないスーパーサイアーです。


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『日本サラブレッド配合史』の著者で血統研究家の笠雄二郎さんの言葉に、「血統と馬体と走りの考察の一致した点で馬を語らなければならない」というものがあります。
たとえば、名繁殖牝馬レーヴドスカーの産駒たちの多くがレーヴディソールレーヴミストラルのようにストライド走法で外回り向きの末脚で走っていますが、ゼンノロブロイを父に持つレーヴデトワールだけは、父からもLa Troienneの血を引くからか肩が立っていて前脚が伸びきらないのでほかの兄弟ほど追ってから味がないーというように「この母は」、「この父は」、「この系統は」と、表面的に語ることも重要なときもありますが、それだけでは気付かない部分があります。だから「一致した点」で語らなければならないし、その方が圧倒的に面白いということなのだろうと解釈しています。

なぜこんなことを書いたのかというと、たとえば七夕賞で「ハーツクライ産駒を買え」ということがいわれているとき、そしてその年の出走馬の中のハーツクライ産駒がメイショウナルトレコンダイトの2頭だった場合、前者は(Bold Reason≒Never Bend3×3のカーネギーを母父に持ち、マルゼンスキーも引くからLa Troienneパワーが強く肩が立っていて前脚が伸びきらないのでコーナリングが巧く、かつこういうパワーが発現している馬は気温が高い夏場の方が硬質な筋肉がほぐれて調子が上がりやすいから)福島向きだけれど、後者は(母がMill Reel3×3で、ダラーンとした斬れ方をするから)福島向きではないだろう、というようなことを言うことが血統・配合予想の面白いところなのだろうと思ったからです。

上記のことに関連して、ぼくは競走馬は、

A:可動域やアクションが大きくて体型骨格のわりに完歩が大きい=いわゆる大跳びの馬
Ex)タッチングスピーチ
B:長手の体格のために他馬と比較してコーナーより直線のほうが加速がスムーズな馬
Ex)ドゥラメンテ
C:肩が立ち気味で、小刻みなピッチを刻む馬=いわゆるピッチ走法
Ex)ラブリーデイ
D:ストライドは伸びないが一歩が大きく、地面を叩きつけるような走法
Ex)グラスワンダー

というような4パターンに大別できると思っていて、ペースによって変わりますが、基本的にはAとBが外回り向き、CとDが内回り向きです。

七夕賞が福島2週目に施行時期が変わってから、ぼくの見立てでAまたはBで馬券圏内に好走したのは昨年のグランデッツァトーセンラーだけ(ニューダイナスティーも若干Bのくらいがある)。今年は特にこの2頭のようにGIで好勝負出来るような馬は見当たりませんし、やはりC、D型を狙わなければなりません。

●もちろん福島適性は高い
過去の七夕賞での好走馬2頭、一昨年の勝ち馬メイショウナルトは先述した通り、前走の鳴尾記念も0.5秒差の8着と悪くない内容でしたし、人気次第では馬券に組み込みたい1頭。昨年2着のステラウインドは、母父スピニングワールドがパワー型のスプリンターで、その母Imperfect CircleはLa Troienne6×7、ここがゼンノロブロイの母父マイニングの母I Pass(La Troienne4×5)と脈絡しますから、硬質な筋肉で前脚が伸びないC型で機動力に富んでいます。2走前のブリリアントSはダート、3走前の大阪城Sは10着ながら0.4秒差、今年も蛯名騎手の好騎乗があれば好走しても何ら驚くことはありませんが、厳しい枠に入ってしまいました。

ジャスタウェイ的成長の可能性を秘める
ディープ産駒×戸崎騎手、先週のゼーヴィントと被るアルバートドックはディープ産駒でも母がHyperionが濃い馬で、瞬発力よりも持続力に富んだ馬。だからある程度の位置から粘り込む競馬が出来れば、さらに持ち味が活きるはずで、同じくHyperion的なスタミナに富んだハーツクライジャスタウェイワンアンドオンリーリトルアマポーラも前で受けれるようになって大成しました。前走エプソムCも18頭中11番手からの競馬、以前よりは前目で競馬が出来るようになってきていますし、厩舎の先輩ジャスタウェイ的な大成をする馬かもしれません。

●福島は合っているが
シャイニープリンスは、キングヘイロー産駒で母系にPrincely Giftが入るが、Alydarの影響かさほどストライドは伸びる走りではない。母母スイートラブはテスコボーイ×ネヴァービートというNasrullah系同士の組み合わせで北九州短距離Sなどを制したスプリンターだったが、Nasrullah的な軟質なスピードは怠慢さ(≒軟質で燃費の良い筋肉)として伝わることが多いし、テスコボーイもネヴァービートも母系は欧血でNasrullah系としてはスタミナも兼備していたタイプだったから、このあたりのスタミナも上手く伝わっているのだろう。レース巧者でPrincely Giftが入るから福島の4角での下り坂からの平坦な直線もプラスだと思いますが、大外枠だとさすがに狙いにくいです。

●軽いスピードで平坦が合う
ダコールは母アジアンミーティアが種牡馬Unbridled’s Songの全妹で、アジアンミーティアは父Unbridledと母Trolley Song(Caro×ナスキロ)の柔らかさを併せ持った馬。とはいえ、軽いスピードが出た走りで平坦コースは合っています。この枠なら・・・あとは斤量との戦い。

●粘着力に富んでいる
初重賞制覇を目指すヤマニンボワラクテは、母ヤマニンカルフールがエリシオ×Danzigで、その奥の3代母父がハイインロー(HyperionとSon-in-Low)血脈だから、粘着力に富み、先述した系統だとDに属するタイプ。2走前の福島民報賞は大外枠を考えれば強い内容で、55キロのここは期待できそう。

新潟記念の方が狙いやすい
2連勝と勢いに乗るルミナスウォリアーは、メイショウサムソン産駒。メイショウサムソンはその父オペラハウスの硬さがなくマイヴィヴィアンの柔らかさで走っていました。その特徴は産駒にも受け継がれているようで、デンコウアンジュフロンテアクイーン、トーセナルニカ、サムソンズプライドレッドソロモンなど活躍馬の多くは芝馬。ルミナスウォリアーもDrone≒Halo≒Boldnesian5×4・5と芝向きの軽いスピードを増幅させた配合をしており、ここまで出世したのも納得がいく。ただ、スラッとした脚長の馬体で、外回り向きにうつるからここは軽視で、新潟記念の方が狙いやすい。

●3歳時以来の福島で期待
クリールカイザーシャイニープリンスと同じキングヘイロー産駒で、母系にPrincely Giftを引くという点も共通です。本馬の母父サッカーボーイや、ステイゴールドに代表されるサッカーボーイはPrincely Giftの柔らかさとノーザンテーストの頑強さのバランスが絶妙に現れていたといいますが、クリールカイザーにも同じようなものを感じます。メトロポリタンSは11か月の休み明け、前走目黒記念はゲート入りの際に後脚を外傷とのことで参考外、4角下りの福島コースは合っていると思いますし、巻き返しに期待できそうです。

●復活の条件は整った
重賞2勝のマーティンボロは、フレールジャックの全妹でディープインパクト×ハルーワソングという世界的な良血馬。ヴィルシーと3/4同血でもあり、今春マカヒキロゴタイプストレイトガールでGIを席巻したHalo3×4(Halo≒Red God3×4・4)らしい加速力もあるので、内回り2000mの内枠という条件は魅力的です。復帰後も悪くない競馬が続いていますし、ここは久しぶりに力を見せてくそうです。

●鞍上魅力で
マジェスティハーツはSeattle Slewが入るからか胴長で、外回り向きの差し馬なのですが、母がパワーの型のスプリンターなので、ハーツクライ産駒らしくない反応の速さがあります。だから内回りでも鳴尾記念2着のように好走することもでき、何といっても今回は鞍上(横山典弘騎手)が魅力、この枠でどういう競馬をしてくるか楽しみです。

●内回りでどんな走りをみせるか
芝に転じて再上昇してきたバーディーイーグルは、ブライアンズタイム産駒でBramalea≒Gold Digger3×4、Graustark=His Majesty3×4、Hasty Road4×5という父母相似配合馬。Graustark=His MajestyのようなRibotのクロスは、最近だとラジオNIKKEI賞のアーバンキッドや、マーメイドSのヒルノマテーラなど内回りで結果を残すことが多いです。ここは外を回すことの多い鞍上が不安ですが、人気次第では馬券に組み込んでも面白いかもしれません。

【まとめ】
・人気どころでは、ダコールヤマニンボワラクテアルバートドックを推したい。
・逆にルミナスウォリアーシャイニープリンスは割り引きたい。
・穴目ではクリールカイザーマーティンボロに特に注目
・余裕があればメイショウナルトマジェスティハーツも加えたい
特にクリールカイザーに期待しています。


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【参考】

『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)
望田潤さんのブログ http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo
栗山求さんの連載「血統SQUARE」http://www.miesque.com/motomu/works.html
『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)


「うまカレ」とは、競馬の魅力を同世代を中心に発信していこう、競馬界を若い力で持ち上げようと、関東の競馬を愛する大学生が集まり6年前に結成された学生団体です。テレビ出演や、フリーペーパー制作など様々な活動をしています。詳しくは以下のブログやSNSをご覧ください。

【うまカレBlog】http://umacollege.blog.fc2.com
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金沢ユウダイ
【Twitter】https://twitter.com/derby6_1
【ブログ】http://derby6-1.hatenablog.com/

執筆者:うまカレ(MYコロシアム>最新予想にリンク)

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2016年3月12日() 13:53 凄馬プロジェクトチーム
【報知杯フィリーズレビュー】血統考察 byうまカレ
閲覧 2,452ビュー コメント 0 ナイス 3

学生団体「うまカレ」副代表の金沢ユウダイです。今週もよろしくお願いします。
先週の弥生賞は、マカヒキが無傷の3連勝を達成。2着リオンディーズも負けて強しの内容でしたし、3着エアスピネルも4着馬に5馬身の差を付けており、上位3頭の力の差が明白となる結果でした。僕個人としては、適性だけでいえば皐月賞サトノダイヤモンド、ダービーはリオンディーズ、そして最後の大物として来週のスプリングステークスに出走を予定しているサトノキングダムに期待しています。(先週の見解はこちら
中山記念、弥生賞と、適性云々ではなく、絶対能力の差で決まったようなレースが続きました。4歳、3歳世代は本当に層が厚く、とてつもないレベルのレースを観たのだと思います。ただ逆にいえば、能力が拮抗し、予想し甲斐があるのは今回展望するフィリーズレビューの方でしょう。

フィリーズレビューが行われる阪神芝1400mは内回りコース。ですから、クイーンズリングメイショウマンボのように能力の違いで末脚一本で差し切る場合もありますが、基本的には末脚勝負になりやすい桜花賞の舞台である阪神外回り1600mとは求められる適性が異なります。ここでは、ダートで初勝利を挙げたエスメラルディーナ(2014年3着)、ティズトレメンダス(2013年3着)らが好走しているように、スピード<、パワー粘りといった要素が重要になってきます。
また、よく「中距離馬の方が格がある」と言われ、マイル戦で中距離馬が好走したりしますが(マイルCSのトーセンラーや、安田記念ショウナンマイティ等)、これは直線が長く実力勝負になりやすいからであり、内回り1400mという舞台においてはマイル以上の適性が邪魔をする場合が多いです。泥臭いスピードとパワーで押し切る、そんな競馬が出来る馬の方がこのコースには合っているのです。
スピード粘りという点で注目したいのが、Lady Jurorという牝馬の血。この馬はスタミナ至上主義だったイギリスで、短距離で活躍する産駒が多いにも関わらず1950年にリーディングサイアーとなったFair Trialの母で、優秀なスピードと粘り強さを伝えます。Nothern Dancer系で良く名前が挙がる、Danzig、Nureyev、Sadler’s Wells、Lyphardなども母系にこの血を引いており、どの馬も先行しての粘りに持ち味がある血です。

●距離、舞台ともに◎
1400mの新馬、特別を連勝し3番人気に推された阪神JFでは5着に敗れたアットザシーサイドは、キングカメハメハ×アグネスタキオンというリーディングサイアー同士の配合ですが、母母タックスヘイブンがAlyder×Lt.Stevensと、非常にパワーが強い血統。父キングカメハメハはダート馬も多く輩出しているように、このような血が入るとパワー型に振れることが多いです。本馬はダートをこなすパワーとは異なりますが、肩が立っていて前脚の可動域が小さく燃費の悪い走り方をします。しかしこれは器用さの裏返しでもあり、距離短縮と、内回りコースは大歓迎でしょう。復帰後の福永騎手の状態に一抹の不安はありますが、これまでのパフォーマンスからもこのメンバーであれば決めてくれるのではないでしょうか。

ムーンエクスプレスに近い
ボーダレスは、昨年3着のムーンエクスプレスと同じアドマイヤムーン産駒で、母がTudor Minstrel(母母Lady Juror)のクロスを持っていっているという点まで同じです。また、母母がZilzal×ダンシングブレーヴで、Nureyev系×Lyphard系と、先述のNothern Dancer+Fair Trial血脈を継続交配されていて、これくらいの距離を先行した時に持ち味が活きそうです。前走の京王杯2歳Sでは、出遅れた上でのスローペースで参考外、内枠を引いたときの立ち回りは抜群に巧い四位騎手騎乗ですし、休み明けで人気が落ちるのも美味しいと思います。

●非サンデーサーレンス
血統評論家の望田潤氏は、マイル以下のレースで、「1600mのハイペースを好位で唸りながら抜け出す真のマイル王を出すには、サンデーサイレンスの血は少ししなやかで柔らかすぎる」という主張の下、サンデーサイレンスの血量に着目した考察をされています。現に短距離で圧倒的強さを見せたロードカナロアは非サンデーサイレンス、モーリスは1/8サンデーサイレンスと、サンデーサイレンスの血量が薄いです。前置きが長くなりましたが、春菜賞のカトルラポールは非サンデーサイレンスで、Danzig3×2という強いクロスを持ちます。1400mの速い流れを先行し、サンデーサイレンスを持つ馬たちの差し脚を押し切った春菜賞は血統通りのパフォーマンスで、あのスピードと粘りはこのレースにぴったりでしょう。
同じくサンデーサイレンスを持たないエイシンピカソワンダフルラッシュの力強いスピードも注意が必要でしょう。

●コース替わりは微妙?
エルフィンSでレッドアヴァンセの2着に好走したダイアナヘイローは、ステイゴールドショウナンパンドラサッカーボーイらを輩出するお馴染ロイヤルサッシュ牝系で、父がキングヘイローですので、キングヘイロー×サッカーボーイクリールカイザーに近い血統構成で、この血統は下り坂を下るのが巧いタイプに出ることが多く、前走の好走は下り坂のある京都外回りが向いていたという可能性もあります。能力のある馬だとは思いますが、ここは少し疑って抑えまで。

●気になる伏兵
クードラパンは母母がBold RulerとPrincequilloのクロスで産駒のブレイクランアウトのように切れ味も伝えますが、本馬の場合はパワー型のDynaformerが母父に入るため、東京でも中山でも勝ち切れない3/4兄グランシルクのようなどっちつかずのタイプ。しかし「今回は終いを活かす競馬をする」という陣営のコメントは興味深く、抑えたい1頭。
ナタリーバローズは1/8サンデーサイレンスで、母母がIn Realityのクロスでパワーがあり、いかにもこのコースが合いそうな走りをします。
ダートで500万を突破したソーディヴァインは、ソーミラキュラスエルズミーアなどダートで活躍する兄弟を持ちます。母がFairy King、LyphardとNothern Dancer+Lady Juror血脈を持つのも良いですね。

●今回は消し
フェアリーステークスを制したキャンディバローズは、3代母から4代に渡りNasrullahとPrincequilloを継続して配合されていて、距離は合いますが、パワーや粘りが求められる内回りよりは外回り向きかと思わせます。
メイショウスイヅキも前走は参考外ですが、さすがにこの枠で差し馬となると、メイショウマンボクイーンズリング級でないと手を出せません。

【まとめ】
軸としては距離、コース適性ともに抜群のアットザシーサイドキャンディバローズメイショウスイヅキは消し。相手筆頭にはスピードと粘りが持ち味のボーダレスカトルラポール。抑えはダイアナヘイローソーディヴァインワンダフルラッシュクードラパンエイシンピカソナタリーバローズ。人気馬を切っているので広めに勝負したいです。

執筆者:うまカレ(MYコロシアム>最新予想にリンク)

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サッカーボーイの口コミ


口コミ一覧
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秋陽ジャンプステークス

⑩マイネルレオーネ

母の名前、ウェンブリー。サッカーの聖地と言われてるウェンブリースタジアムのことでしょう。母父サッカーボーイからの連想でしょうね。凄くオシャレだなーと思いした。

父はステイゴールドかぁ~

あれ?ステイゴールドってサッカーボーイの近親だったはずと調べたら・・・

ステイゴールドの母はサッカーボーイの全妹!

母父と父母が兄妹

えらい濃い血量なんです!

 グリーンセンスセラ 2018年2月19日(月) 14:07
> M.デムーロ騎手「ベタ惚れ」 
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M.デムーロ騎手「ベタ惚れ」最優先!? 新マイル王ペルシアンナイトに「勝ちにこだわる男」がぞっこんの理由─ Gambling Journal ギャンブルジャーナル / 2018年2月19日 11時43分 http://biz-journal.jp/gj/2018/02/post_5861.html

 25日に中山競馬場で開催される中山記念(G2)で新マイル王ペルシアンナイト(牡4歳、栗東・池江泰寿厩舎)が2018年の始動戦を迎える。

 古馬となって迎えた今年は、ここを使って大阪杯(G1)に挑む予定のペルシアンナイト。マイル路線だけでなく、キタサンブラックという"核"が抜けた古馬王道路線の頂点を窺うだけに、ここは改めてその強さを見せつけたいところだ。

 昨今はレース体系が充実し、各カテゴリーの棲み分けが明確になった分、その"垣根"に挑む馬が極端に減った印象がある。

 マイル路線にしても2000mとの"2階級制覇"を成し遂げたのは、モーリスのような抜けた能力を持った存在がほとんど。それも「マイルで敵なし」となってからの挑戦であり、ペルシアンナイトのようにマイル王が早々に中距離へ矛先を向ける例は珍しくなったといえるだろう。

 ただ、それは同時に陣営の期待の表れでもある。

 昨秋、ペルシアンナイトが制したマイルCS(G1)は、3歳で最後に勝ったのが2000年のアグネスデジタルと、3歳馬にとっては「鬼門」のレースだった。その理由は単純に、他の古馬混合G1で2kgあるはずの3歳馬のアドバンテージが1kgしかないからだ。

 現制度はアグネスデジタルが勝った翌年から採用されて以降、3歳馬は16連敗中だった。1984年の創設から、3歳馬で勝利した馬がサッカーボーイ、タイキシャトル、そしてアグネスデジタルといずれも歴史的な名馬しかいない中で、さらに3歳馬に不利な条件が組まれたのだから当然の結果といえる。

 2017年まで、過去10年間の3歳馬の成績は[0.0.1.30]と、ほぼ「壊滅」と述べて差し支えないものだった。

 しかし、昨年はペルシアンナイトがその壁を突き破って勝利。あらゆる不利なデータを跳ね返す歴史的な勝利となったが、本馬の素質を早くから見抜いていたのが主戦のM.デムーロ騎手だ。

🏇次のページ デムーロ騎手にはペルシアンナイトか、レッドファルクスかの選択肢があった
 当時、デムーロ騎手には選択肢があった。ペルシアンナイトに騎乗するのか、それともレッドファルクスに騎乗するのか。単純に戦績だけで見れば、皐月賞(G1)2着馬ながら秋初戦の富士S(G3)で5着に敗れていた前者と、スプリンターズS(G1)連覇に加え、同年の安田記念(G1)でも3着していた後者とでは圧倒的な開きがあった。

 そのためデムーロ騎手がペルシアンナイトを選んだ際、レッドファルクスとコンビを組んだ「弟のC.デムーロ騎手にチャンスを譲ってあげたのでは」という憶測が流れた。実際にレースでもレッドファルクスが3番人気で、ペルシアンナイトは当時G1で絶好調だった"デムーロ人気"を含めての4番人気だった。

 しかし、蓋を開けてみればペルシアンナイトがエアスピネルをハナ差抑えての勝利。M.デムーロ騎手の手腕も見事だが「馬の能力があってこそ」なのは間違いない。

 そんなデムーロ騎手の"本音"が垣間見えたのが、今年の年始に『武豊TVII』(フジテレビ)で行われたジョッキー新年会だった。

 デムーロ騎手はマイルCSの際に、自らペルシアンナイトを選んだと告白。「よかった」と結果が出て胸を撫で下ろしていたそうだ。また、逆の結果だったらという質問に関しては「弟(レッドファルクス)が勝ってたらヤバくない?」と一笑に付している。それだけペルシアンナイトの能力に自信があったということなのだろう。

「レッドファルクスも現役最強のスプリンターですし相当な実力馬ですが、デムーロ騎手はそれ以上にペルシアンナイトを買っているようです。実際に、今週末の阪急杯(G3)にはレッドファルクスが大本命として登場しますが、それでもデムーロ騎手は中山でペルシアンナイトの騎乗を選択しています。

 本馬は、そのまま大阪杯に出走予定。そこにはシュヴァルグランやスワーヴリチャードなど、デムーロ騎手が騎乗していた有力馬が出走予定ですが、やはりペルシアンナイトに騎乗する可能性が高いと見られていますね」(競馬記者)

🏇次のページ ペルシアンナイト以前に3歳でマイルCSを勝利した馬は3頭だけ

かつてサッカーボーイは8馬身差で2歳王者(当時3歳)に輝き、函館記念(G3)では前年のダービー馬メリーナイスに5馬身差のレコード勝ち。マイルCS制覇後は、有馬記念でも3着に好走する怪物だった。

 タイキシャトルは国内で無敵だっただけでなく、フランスのジャックルマロワ賞(G1)を制覇。1998年にマイラーとしては初となる年度代表馬に輝き、引退後に顕彰馬に選出されて殿堂入りを果たしている。

 アグネスデジタルは翌年に南部杯→天皇賞・秋→香港C→フェブラリーSというG1・4連勝を達成。マイルの交流重賞→中央の芝2000m→海外の芝2000m→中央のダートマイルと、あらゆるカテゴリーの壁を飛び越えた稀代のオールラウンダーだった。

 ペルシアンナイト以前に3歳でマイルCSを勝利した馬は、この3頭だけ。それも彼らは2kgのアドバンテージがあった時代の覇者だ。これだけを見ても、ペルシアンナイトがどれだけ大きな可能性を秘めているのかが窺える。

 栗東のCウッドで行われた1週前の追い切りでは6ハロンを82.1秒、ラスト11.3秒と好時計をマーク。池江泰寿調教師も「全体的に成長している」と目を細めた。キタサンブラックがターフを去った今、競馬界の新たな主役に君臨してもおかしくはない大器といえるだろう。

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 グリーンセンスセラ 2017年7月17日(月) 22:39
 「伝説のレコード」消滅? 函館 
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JRAに元大物調教師が「裏切られた」と猛抗議!? 函館競馬の超高速化で29年間守られ続けた「伝説のレコード」に迫る"消滅"の危機── ギャンブルジャーナル / 2017年7月15日 17時48分 http://biz-journal.jp/gj/2017/07/post_3844.html


「厩舎関係者にすれば、裏切られた思いが強い」

 14日付の『日刊スポーツ』だ。史上初めて4年連続でJRA賞を受賞した名牝メジロドーベルなどを手掛けた大久保洋吉元調教師が、自身の連載コラムで函館競馬場の芝の「高速化」について激しく異を唱えている。

 実際に、先月17日から開幕した函館競馬は初日からレコードが連発。メインの函館スプリントSでは、従来のレコードを1秒も更新する超高速決着となった。

 結局、初週から土日合わせて計5回レコードが更新された"異常事態"に、池添謙一騎手も当日のトークショーで「スピード競馬になってしまった」と語り、騎手会長の武豊騎手も自身の公式ホームページで「土日二日間でレコードが5本!」と驚きの声を綴っている。

 ただ、武豊騎手が「(今後の)馬場の推移を見守っていくつもりです」とコメントしている通り、この時は基本的に速い時計が出やすい開幕週。開催が進むにつれて馬場が痛み「時計が掛かる従来の函館に戻るのでは」と見られていた。

 ところが開幕4週目に入った9日でも2歳新馬がレコードを更新。そんな状況を受けて声を上げたのが大久保元調教師だった。

 師は函館競馬場で使用されている洋芝は本来「良馬場でもクッションの利いた時計の掛かる馬場で、関係者にも好評だった」と話し、今回際の芝状態に対して「ここまで速くなると、ちょっと納得がいかない」と異議を唱えている。


次のページ▶▶▶「JRAは高速決着が故障の原因になることを念頭に置いて馬場管理に当たってほしい」

 また「(従来の)洋芝に合う馬を出走させて結果を求めてきた厩舎関係者にすれば、裏切られた思いが強い」と"現場の声"を代弁。最後には「JRAは高速決着が故障の原因になることを念頭に置いて馬場管理に当たってほしい」とJRAの馬場造園課に対して強く警鐘を鳴らしている。

 元より函館や札幌競馬場は気候の関係上、他の競馬場で使用されている野芝の育成が不安定ということもあって、時計のかかる洋芝が使用されている。派手なタイムこそ出にくいが、例えば「欧州の馬場に近い」という理由で、フランスの凱旋門賞に向かう陣営が前哨戦として札幌のレースを選択するなど、競馬場が持つ1つの"個性"として関係者に親しまれてきた。

 ただ、近年は函館競馬場の高速化が進み「洋芝としての個性が失われつつある」という懸念は競馬関係者だけでなく、競馬ファンからでさえずっと聞かれている。

 大久保元調教師が語るように、馬の故障に繋がる可能性が生まれることももっともだ。だが、ファンからすれば長年守られてきた「最後の聖域」が、ついに"消滅"してしまうのではないかという不安を抱いている人も多いようだ。

「現在、JRAの重賞が行われる芝コースで、平成に入ってから唯一レコードが塗り替えられていないのが、今週の函館記念が開催される函館の芝2000mです。今年は開幕週から高速馬場となりレコードも次々と更新されているので、1988年から守られているレコードタイムが『ついに更新されてしまうのでは』と考えている人も多いようですね」(競馬記者)

 今から29年前、1988年の函館記念は、オールドファンを中心に今でも競馬ファンの間では語り草になっている伝説のレースだ。


次のページ▶▶▶紛れもない“モンスター”の走破時計も危機に
前年のダービー馬メリーナイスを5馬身ちぎり捨て、レコードタイムでレースを制したのは、3歳馬のサッカーボーイ。後にマイルチャンピオンシップを4馬身差で圧勝し、ゲートで暴れて流血した有馬記念でも、先着を許したのはオグリキャップとタマモクロスだけという紛れもない"モンスター"である。

 そんなサッカーボーイが函館記念で記録した1.57.8という走破時計は、当時の函館レコードどころか日本レコードとなる、まさに異次元のタイムだった。

 ただ、そんな29年間も破られていない"スーパーレコード"が、今年破られてしまう可能性は確かに存在しているようだ。

「開幕週で更新された5本のレコードの内、1本は芝1800mでした。実はこれも1988年から29年間破られていなかったレコード。これが更新されたということは、理論的に2000mのレコードも更新される可能性は当然あります。

 今年の函館記念はステイインシアトルやマイネルミラノなど、強力な逃げ先行馬が揃った感がありますし、ペースの速いレースになれば、従来のレコードが更新されるかもしれませんね」(同)

 無論、競馬が続き、競走馬や調教技術が日々進化を遂げている以上、レコードはいつか更新されるものではある。それが「日本競馬の進化の証」という考えもあるだろう。ただ、ファンからすれば、最後に残ったこともあって"あの"サッカーボーイのレコードだけは破られてほしくないという思いもあるようだ。

 現在のところ、函館記念が開催される16日の函館には降雨が予報されているが、果たしてそれが「奇跡の雨」となるのだろうか。

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