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【LONGINES香港国際競走2017】Road to HKIR①~鐘がゴンと鳴りゃあ、シーズンイン!香港競馬が開幕、熱戦続く

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【LONGINES香港国際競走2017】Road to HKIR①~鐘がゴンと鳴りゃあ、シーズンイン!香港競馬が開幕、熱戦続く | コラム | ウマニティ

ウマニティ会員の皆さん、ご無沙汰しました。甘粕代三です。春のクイーンエリザベス2世カップ以来ですから5カ月ぶりになりましょうか。もはや新聞ではなく旧聞かもしれませんが、香港競馬2017/18シーズンが9月3日に賑々しく開幕、間もなくひと月が経とうとしています。今年も昨年と同じように年内最大のクライマックス、香港国際競走(以下HKIR)に向け香港競馬の最新情報をここでお伝えしていきますが、その第一弾として開鑼(幕)日の賑わいをお届けします。開幕日からHKIRに結び付く注目のレースが組まれていたんです。

さて、第1レースの1時間ほど前、正午に開門すると、すべてのゲートで今季のレーシングカレンダーがプレゼントされ、場内は瞬く間に立錐の余地もなくなるほどの大入りです。
馬場のあちこちから「好耐没見(久しぶり)!」という馬仲間同士の挨拶が聞こえ、場内はレース前から熱気に包まれます。そうしていると、香港ジョッキークラブ(HKJC)ご自慢の全天候パドックからは銅鑼の音が一際高く轟きました。そうです、開幕日を開鑼日と呼ぶのは、縁起の良い銅鑼を叩くことによって開幕を告げ、今季の大入りを祈るという中国の伝統儀式によるものなのです。

パドック中央に設えられたステージには1メートルはあろうかという巨大な銅鑼がかけられ、周囲にはHKJCチェアマンを筆頭に全員が並び、そしてジョッキーも勝負服姿でセレモニーを囲みます。そして、その中心にいる細身の淑女が巨大な撥で銅鑼を叩きました。今年7月1日、香港特別行政区第5代長官に就任したばかりの林鄭月娥(キャリー・ラム)女史です。香港行政長官は代々HKJCの名誉チェアマンを務め、開幕日には重賞ではありませんが、クラス1=オープン特別の香港特別行政区長官盃が行われるのが吉例なのです。


さて、HKJC9月のプログラムには重賞は組まれず、12月のHKIRに向けた助走期間というような位置づけです。前述のように、この日のメーンレースは第3Rのオープン特別、香港特別行政区長官盃。シーズンイン初日ということもあって芝1200mのこのレースは7頭立てと小頭数になりました。香港競馬ファンの注目はトップハンデ、133ポンド(約60キロ)のブリザードに集まっていました。スプリンターズSに既にノミネート、その壮行レースとなっていたからです。しかし、ブリザードはトップハンデが嫌われてか、6.4倍の4番人気。

勝てなかったとはいえ、16ポンド差のトップハンデを克服しての2着はその実力を十分に証明。大目標は言うまでもなくスプリンターズSですから、その叩き台としても上々の滑り出しだったと言えるのではないでしょうか。そのスプリンターズSは明後日に迫っていますが、日本国内のレースは私の担当外。さりとて香港馬に関して何もしないのも冥利が悪いので、明日土曜日には皆さんの予想の参考としてブリザードの戦績を詳しくご紹介いたします。

<写真は開幕のChief Executive’s Cupで優勝したSeasons Bloom>

さて、今この原稿をパリに向かう機中で書いています。そう、凱旋門賞取材のためにパリに向かっているのです。土曜には予想をご提供いたしますが、現時点では日本期待の星、サトノダイヤモンドに対しては残念ながら高い評価をつけられずにいます。前哨戦のフォワ賞は重馬場に加え、道中後続馬に乗りかかられるという不利もあったようですが、前哨戦で負けた馬の本番でも巻き返しは成功例が極めて少なく、フォワ賞4着からの巻き返しは1994年まで遡らなければなりません。状態上昇とは聞いていますが、その上昇幅が前哨戦での着差を埋めるには至らないのではないか、というのが現時点での判断です。

昨年はウマニティに予想を提供しませんでしたが、A.オブライエン軍団を狙い撃ちして連複、三連複、3連単と外れなしの大当たり!現地に大変なニュースソースがいてくれたおかげですが、今年もそのニュースソースは健在。昨年に続いて美味しいワインを飲んでくるつもりです。予想にご期待ください。
パリからしっかりとウォッチして帰国後には昨年と同様「香港国際競走への道(Road To HKIR)」を実質スタートさせますので、こちらもご期待下さい。
(写真提供:HKJC)

★2017/3/26ドバイターフで3連単162,710円を見事的中させた”日本と香港を股にかけて活躍する”海外プロ”甘粕代三プロが、海外馬券販売レースの凱旋門賞を予想提供。予想はこちら

甘粕代三(あまかす・だいぞう)プロフィール
1960年、東京生まれ。高校時代から競馬にのめりこむ。
早稲田大学第一文学部卒。在学中に中国政府官費留学生。卒業後、東京新聞記者、テレビ朝日記者、同ディレクター、同台北開設支局長などを務める。
中国留学中に香港競馬を初観戦、94年ミッドナイトベット香港カップ制覇に立ち会ったことから香港の競馬にものめりこみ、2010年、売文業に転じた後は軸足を日本から香港に。
香港の競馬新聞『新報馬簿』『新報馬経』に執筆、テレビの競馬番組にも出演。現在、新報馬業(『新報馬簿』『新報馬経』)駐日代表、北京市馬術運動協会高級顧問を務める。

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