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【鈴木和幸G1コラム】 オークス出走馬全馬解説

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●第71回オークス(GⅠ)出走馬の短評

 
コスモネモシン
       
桜花賞は伸びず、かといってバテもせず、ただ流れ込んだだけの9着。その前3戦の末脚が目を引いていただけに、期待はずれの結果だった。あれが実力ではないはずだが、ここ3戦、体重が減り続けており、巻き返しは難しい。

 
アグネスワルツ
       
フローラSは単騎の逃げ、5F60秒6のペースにも恵まれたが、1馬身差2着は勝ち馬がサンテミリオンだけに価値がある。これまでの4戦中、逃げた3戦が好走で、逃げなかった、あるいは逃げられなかった初戦が凡退だったから、逃げやすい今回のこの2番枠は絶好。ただし、1600メートルを1分33秒7のレコードで走るような馬だけに、2400メートルは長すぎないか。少なくとも距離延長がプラスになるとは思えない。

 
アプリコットフィズ
       
父がジャングルポケット(ダービー、ジャパンC)、おじにマンハッタンカフェ菊花賞有馬記念、天皇賞・春)の血統を考えてもこの馬はマイラーではない、距離は2000メートル以上ほしい。もちろん、桜花賞の5着は悲観するに当たらない、むしろ、0秒3差はよく走っている。前半をいそがせず、ゆったりといかせたら、どれだけ走るかわからない。前半の5F59秒2(桜花賞は58秒9)で流れたクイーンCの圧勝にその一端を見ることができる。オークスこそが本領発揮の場、長距離輸送がないので攻め馬の質、量は桜花賞当時とは比べものにならない。有力だ。
 
 
ショウリュウムーン
       
桜花賞は直線半ばで外に立て直すロスがあっての4着。G前の脚色はこの馬が一番よかった。まさに惜敗だった。チューリップ賞勝ちを見るまでもなく、力はアパパネに勝るとも劣らない。ダンスインザダ-クの肌にキングカメハメハなら、距離延長も問題なし。ただ、今週の追い切りがやけに軽く、東京への長距離輸送を気にしているふうがある。レース当日の体重減、イレ込みに要警戒である。これをクリアできれば、首位戦線に躍り出てくる。

 
ギンザボナンザ
       
桜花賞は出遅れが痛かった。位置取りが後ろすぎてしまい、直線はそれが原因でショウリュウに前をよぎられる不利があった。0秒4差7着、しまいは脚を伸ばしてきただけに、本当に惜しい。この枠順なら前を壁にして折り合いはつけられよう。行きたがる気性はともかく、母の父はあのトニービン、6頭のゼンノロブロイ産駒の中でも2400がドンピシャリなのはこの馬である。ノーマークにはできない。

 
オウケンサクラ
       
桜花賞は中1週、中1週のあとの中2週、明け3歳牝馬としては考えられないようなハードスケジュールだったにもかかわらず、これに耐えたどころか、Vシーンまでつくる2着だから恐れ入る。このスタミナ、体力は母の父リアルシャダイ(代表産駒は春の天皇賞2勝のライスシャワー)、父バゴ(凱旋門賞馬)からくるのだろう。もちろん、桜花賞では距離不足、断然オークス向きである。疲れどころか、さらなる充実を感じさせる中間の豊富なケイコ量と、最終追い切りの好タイム、力感あふれる動き、ハナにこだわらない先行力、二の脚に魅力いっぱい。加えて鞍上はといえば、お任せの“アンカツ”こと、安藤勝である。桜のリベンジVがあっていい。

 
⑦ニーマルオトメ
       
スイートピーS2着で出走権を手にしたが、その前のフラワーCでは1秒も離された7着と勝負になっていない。前走後の上がり調子は認めてもこのメンバーでは。

 
プリンセスメモリー
       
クイーンCの2着は、勝ち馬アプリコットフィズ35秒1をはるかにしのぐ34秒3の末脚だっただけに注目に値しよう。桜花賞で同じ脚を使いながら13着でしかなかったのは、出遅れと体重10キロ減のせい。その馬体細化はまったく軽めの最終追い切りを見るかぎり解消されていない。スタミナがもたないい。

 
モーニングフェイス
       
ラッキーにも抽選で最終切符をものにした。忘れな草賞2000メートルを勝っているし、すでに2400メートルも経験している。馬場が渋れば3着争いにまで顔を出すか。とにもかくにもスタミナはメンバー屈指である。

 
⑩タガノエリザベート
       
ファンタジーSで見せた、圧巻の上がり33秒5の脚がここ3戦不発、桜花賞では見せ場の一つも作れなかった。追い込み一手で展開に左右されやすいのと、体調そのものに?がつくからだろう。今週の追い切りにもさしたる良化は見られなかった。

 
ブルーミングアレー
       
4コーナーをしびれるような、抜群の手ごたえで回りながら、いざ追い出してからの伸び脚が案外で2着すら確保できなかった前走に不満が残る。トライアル3着で出走権はとったものの、まだ1勝馬で、このメンバーでは電光掲示板すら危うい。

 
⑫トレノエンジェル
       
スイートピーSがハナ差の辛勝、それでもデビューからの3戦で2、1、1着だからまだ底をみせていないともいえる。この点と、3代母がオークス2着のシャダイカグラに注目して3着狙いもあるか。

 
アニメイトバイオ
       
桜花賞の8着はいっきょの体重20キロ減がこたえたものだろう。アネモネS時の体があまりによかっただけに、残念だった。中間の調教と最終追い切りをみると、だいぶ回復してきたようだが、それでも肌つや、ハリなどは戻り切っていないように感じる。阪神ジュベナイルでアパパネと半馬身の勝負をした馬ではあるが、体調そのものに問題があっては。

 
シンメイフジ
       
休み明けで体重が減っていたフラワーCは、仕上げそのものに問題があり、不本意な逃げでの5着は納得である。桜花賞は坂路の最終追い切りでラスト1F11秒7をマークしたように、急ピッチに復調していた。そのうえでの桜花賞6着は8枠17番がこたえ、位置取りが4角14番手と後ろ過ぎてしまったからだ。上がり33秒8はメンバー最速、まだまだ見限れない。

 
エーシンリターンズ
       
桜花賞はあまりの手ごたえのよさに、4角2番手はいささか仕掛けが早すぎた感。それに直線半ばで併せ馬の形がとれなかったのが痛かった。G前、外からアパパネがきたらもう一度脚を使っただけに惜しい。チューリップ賞でもアパパネとは同タイムの接戦だったし、このメンバーでの力負けはない、むしろ、上位にランクできる。母エイシンサンサンオークス11着だったが、古馬になって朝日チャレンジC2000メートルで2着しているし、条件戦ながら2200、2400メートルで勝っている。桜花賞よりオークス向きの血統のバックボーンと、前走とは一変した最終追い切りにはVまで見えてくる。

 
⑯ステラリード
      
函館2歳Sの勝ち馬ながら、以後、3ヶ月の休養をとったのに体重が増えず、さっぱり成長がない。ここ一連の成績からもまったく狙える材料が見当たらない。

 
アパパネ
      
あの大きなトモ、決して長くはない胴、この体形と、行きたがる激しい気性からもマイラーである。1200メートルまでしか勝てなかった、母ソルティビッドの血を少なからず引いている。とはいっても春の時点での3歳牝馬同士だ、GⅠ2勝の圧倒的な能力からすれば、距離克服があっておかしくないが、さて、この外枠17番で蛯名はうまいこと折り合いをつけられるだろうか。過去、何頭も同タイプの桜花賞馬の凡退を見てきているだけに、実績重視の評価はしにくい。▲、注まで?。いずれにしても◎は打たず。

 
サンテミリオン
      
正直に言って馬体は地味である。どこにでもいるような馬に見える。しかし、レースにいけば、その成績を見るまでもなく走る。2000メートルでデビューさせて、ここまでの4戦、1800と2000のみ、桜花賞は眼中になく、オークス一本狙いだったことは火を見るより明らかだ。もちろん、当たり屋の鞍上とあわせ、首位争い必至だが、大外18番でこれまでのような前、前での競馬ができるかどうか。流れに乗れず、馬群にもまれたときの心配もしておく。

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