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昨年の年度代表馬、モーリスを筆頭に史上最多であるばかりか、そのレベルも史上最高の日本勢を迎え撃つ地元、香港の筆頭は当地トップ・トレーナー、ジョン・ムーア調教師。これまでHKIR(香港国際競走)4レースを総なめ、その勝ち方を熟知している。今年は4レースに6頭を送り込み、日本勢の大望粉砕を図っている。出走各馬の最新の状態と日本勢に待ったをかける決意を直撃した。(インタビュー/文・甘粕代三)
――今年は4レースに6頭を出走させますね。
J.ムーア調教師(以下「ムーア」) ここが一年間で最大の目標だからね。6頭が選ばれて光栄なことです。
――そのうちの2頭、エイブルフレンドとデザインズオンロームはともに香港馬王(香港で「年度代表馬」を表す言葉)です。
ムーア 2頭とも色々あったけど、揃ってHKIRに出走させられることができた。とてもハッピーだよ。
――2頭の馬王のことは後で詳しく伺いますが、6頭の内でどの馬に期待されていますか?
ムーア 1頭に絞りこむことは難しいね。ノットリスニントゥーミー、エイブルフレンドとヘレンパラゴンの3頭ですね。
――早速、馬王のエイブルが出てきましたね。脚部不安から約1年間休養。それもオーストラリアへの放牧と復帰までの道のりは休み明けの前走はマイルではなく、1200mのジョッキークラブ・スプリントを使って4着でした。
ムーア 無事にレースができてまずはほっとしたよ。
――昨季は本番の香港マイルが休み明け3戦目。しかも初戦のプレミア・ボウルで1200m戦を勝っています。一走足りないような気もするんですが。
ムーア 確かに去年に比べると順調さに欠けることは否めないが、12月2日のバリアトライアル(注:模擬レース)を見たかい?
――香港ジョッキークラブのホームページで映像を拝見しました。J.モレイラ騎手が騎乗、中団から持ったままで2着。モレイラ騎手の手は全く動くことがない中、唸るような気合を見せてくれましたね。
ムーア そう、本番に十分間に合ったね。往年の力を本番で示してくれると信じているよ。
――香港マイルには僚馬のヘレンパラゴン、今季3戦2勝、ナショナルデー・カップで初重賞勝ちを収めたジョイフルトリニティと3頭出し。期待されている3頭の中にはヘレンも挙げられていました。上位独占を狙ってますね?
ムーア そんなことはないよ(笑)。ヘレンパラゴンはまだ4歳。これからまだまだ良くなる馬です。昨季、重賞(注:プレミア・プレート=G3 ・16/6/19・シャティン・芝1800m)を勝って、今季4戦で本番に臨むのは予定通り。前走のジョッキークラブ・マイルは直線で大きな不利があったが、7着という着順は気にしないほうがいい。引き続きオーストラリアの名手、H.ボーマンに手綱を取ってもらうし、上積みは小さくないよ。
――では、ご推薦の3頭のうち残りの1頭、ノットリスニントゥーミーです。前走のジョッキークラブ・スプリントは単勝43倍の人気薄ながら鮮やかな勝利でした。
ムーア 近走は成績が上がっていなかったから人気はなかったけれど、もともと力のある馬。見事に復活してくれました。本番では人気になるだろうけれど、十分期待に応えられる状態にあるよ。
――さて、もう1頭の香港馬王、デザインズオンロームです。今季初戦を見事に勝ちながら(シャティン・トロフィー=G3・10/23・シャティン・芝1600m)、得意の2000mに戻ったトライアルのジョッキークラブ・カップ(G2・11/20・シャティン・芝2000m)ではまさかの殿負けを喫しました。本番の香港マイル、大丈夫ですか?
ムーア ペースが合わなかったんですよ、あのレースは。状態が敗因ではありません。6歳ですがまだ衰える歳ではありません。トライアルの後も順調で100%の状態で本番に出せますよ。前走のようなことはありません。今回はあのモレイラが騎乗しますから、それだけでも大きな上積み。モレイラの騎乗に期待するところ大ですよ。
――香港カップは日本馬王、年度代表馬のモーリスと夢の日本と香港の馬王対決が実現します。モーリスは昨年の香港マイルでもう1頭の香港馬王、エイブルフレンドを負かしています。リベンジの一戦ですね。モーリスをどうご覧になりますか?
ムーア スーパーホースですよ。香港に到着した後の状態を見ていないから、コメントは差し控えさせてもらいませんかね(微笑)
――最後に日本のファンに一言お願いします。
ムーア 最近は日本に遠征することもなくなっているのですが、今でも私のことを覚えてくださっているファンの方がいらっしゃるそうで、本当にうれしくありがたいことです。今年からHKIRが日本でも発売されると聞いています。日本の競馬ファンの皆さんの期待にも応えるべく最後の調整に努めますよ。期待して下さい。さて、厩舎に戻って馬の状態を確かめなくては。
HKIR2016 J.ムーア厩舎出走馬
デザインズオンローム/セン6/J.モレイラ騎手/香港カップ
エイブルフレンド/セン7/J.モレイラ騎手/香港マイル
ヘレンパラゴン/牡4/H.ボウマン騎手/香港マイル
ジョイフルトリニティ/牡4/G.モッセ騎手/香港マイル
ノットリスニントゥーミー/セン6/H.ボウマン騎手/香港スプリント
ヘレンハッピースター/セン5/H.ボウマン騎手/香港ヴァーズ
ジョン・ムーア=約翰摩亞 調教師
1985年、父ジョージ・ムーアの下から独立し開業しこれまで7度リーディングに輝く。今季開幕前までの勝ち星は1503勝、香港最古参、最多勝、最多賞金獲得調教師で“千勝爺”の異名も。大レースに滅法強く香港国際競走4レースは全て制覇。オーストラリア人。66歳。
甘粕の眼
短い時間の中で丁寧に答えてくれたJ.ムーア師には香港競馬を長年にわたって代表してきた調教師の風格を感じざるを得なかった。例年、シーズンインはスロースタート、大目標のHKIRに向けて着実に馬を仕上げてくる師だが、1年近い休養を余儀なくされ、一時は引退説も流れたエイブルフレンドを復帰させ、ぎりぎり本番に間に合わせた手腕は流石。7歳とはいえエイブルは本番香港マイルでも消せない1頭だ。4歳のヘレンパラゴンには無限の魅力を感じる。世界最高の質と層の厚さを誇る香港マイラー陣は健在だ。
香港カップに出走するデザインズオンロームには一抹の不安を感じざるを得ない。師は仕上げは100%とは言いながら、自信の3頭に上げず、前走の殿負けの印象をどう払しょくしてくれるのか。当日のパドックの馬体に注目したい。
ノットリスントゥーミーは本番で人気になってトライアルのような気楽な競馬ができるかどうかがカギになるだろう。スプリント界は古豪エアロヴェロシティとラッキーバブルズの間で世代交代の時期に差し掛かってきているが、その間の中間管理職世代が意地を見せるかどうか、世代間競争も馬券検討の上でいい意味で焦点となろう。
(12月5日午前、沙田競馬場にて)
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■甘粕代三(あまかす・だいぞう)プロフィール
1960年、東京生まれ。高校時代から競馬にのめりこむ。
早稲田大学第一文学部卒。在学中に中国政府官費留学生。
卒業後、東京新聞記者、テレビ朝日記者、同ディレクター、
同台北開設支局長などを務める。中国留学中に香港競馬を初観戦、
94年ミッドナイトベットの香港カップ制覇に立ち会ったことから
香港の競馬にものめりこみ、2010年、売文業に転じた後は軸足を
日本から香港に。香港の競馬新聞『新報馬簿』『新報馬経』に執筆、
テレビの競馬番組にも出演。現在、新報馬業(『新報馬簿』『新報馬経』)
駐日代表、北京市馬術運動協会高級顧問を務める。
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