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ノットリスントゥーミーが大金星!新星ラッキー、古豪エアロとも好発進
【ジョッキークラブ・スプリント】
さて、この日のトライアル3レースの掉尾を飾ったのがジョッキークラブ・スプリントです。香港スプリンターと言えばサイレントウィットネスの時代から世界最強のレベルと層を誇ってきました。ドバイミーティングでアンバースカイ、スターリングシティー、リッチタペストリーらがスプリント戦でその実力を世界に誇示し、今年も韓国馬事会初の国際競走、コリア・スプリントでスーパージョッキーが世界最強のレベルと層の厚さを証明しています。
さて、その香港スプリンター陣はちょうど世代交代の時期に差し掛かっています。昨年の高松宮記念を快勝し、今年は連覇を目指して来日しながら疝痛のため直前で出走を回避したエアロヴェロシティも既に8歳。エアロを中心にした既存勢力に今季初めから短距離重賞で台頭してきたラッキーバブルら新興勢力が激突。どちらが本番に向かうのかが最大の焦点でした。また、引退の危機から復活をかけた世界のマイル王、エイブルフレンドが敢えて距離を詰めてここを使ってきたことで、更に興味深いレースとなりました。
このレースはエアロのオーナー、ダニエル楊毅さんのお供でパドックに降りて、間近で出走10頭の状態をチェックしました。注目のエイブルは相変わらず雄大な馬体でしたが、約1年の休養明けとあって日本の年度代表馬にしてマイル王のモーリスを迎え撃った全盛時に比べると、張り切った馬体も唸るような気合も見られず復調途上であることが明らかでした。これに対して、エアロは休み明けのプレミア・ボウル(G2・10/23・シャティン・芝1200m)を叩いて3着と順調。8歳とは思えないほどの馬体と気合に見惚れるばかりです。香港ではセン馬がほとんどですが、去勢された馬は性的興奮を覚えることが少ないせいか競走寿命が牡馬よりも長く、単に年齢だけで判断することは香港では禁物です。
また、南半球生まれのサラブレッドは1月ではなく夏に加齢するので8歳の秋ではなく明け8歳。十分主役を張ることができる状態と見ました。また、昨年の香港スプリント覇者、ペニアフォビアは昨年と同様のステップでトライアルに臨み、内の4番枠を引いて一気にハナを奪う構え。こちらはA.クルーズ得意の叩いて仕上げる作戦なのか、まだ馬体に余裕が感じられました。
新興勢力からは昨季、スプリントカップ(HKG2・4/3・シャティン・芝1200m)で初重賞勝ちを収め、今季も休み明けのプレミア・ボウルでエアロを破ったラッキーバブルに同じくエアロに先着したアメージングキッズが既成勢力に迫る構え。人気は新興勢力に集まり、ラッキーが単勝2.4倍、アメージングが3.9倍と人気を分け合い、エアロが5.1倍、エイブルが6.6倍とここまでが一桁。これにぺニアが12倍、それ以下は30倍以上と人気は上位5頭に集まりました。
先手を取ったのは予想通りぺニア、好枠を利して先頭に立つと外から押してダッシングフェローが並びかけ2頭がレースを引っ張りました。2馬身ほど空いて3番手にはノットリスン、さらに2馬身ほどにエアロ、ここまでが先行集団。1番人気のバブルは復活をかけるエイブルを前において後方3番手、その前に2番人気のアメージング。最初の2ハロンは23秒46と平均よりも遅め、2頭が並走した次の2ハロンは21.97とペースを上げて直線! 2列縦隊だった馬群は内と外に大きく広がり、最内でペニアが懸命に粘りこみを図るところを残り200で馬場中央からノットリスンが先頭に、後方から競馬を進めていたバブルが大外から襲い掛かり半馬身まで迫ったところがゴールでした。4分ところから足を伸ばしたエアロが3着を確保、その内側にエイブルが4着。7着のペニアまでが2馬身半という大接戦でした。
単勝43倍と軽視されながら大金星を上げたノットリスントゥーミーはオーストラリア産の6歳セン馬。2013年にオーストラリアでデビューし、1100~1300mの短距離戦を使われ、G3を1勝、G1で2着2回を含む9戦3勝2着3回と活躍した後、香港に移籍。15年4月7日、いきなりボウヒニア・スプリント・トロフィー(HKG3・シャティン・芝1000m)を使われ3着。2走後のシャティン・ヴァーズ(HKG3・5/31・シャティン・芝1200m)で香港初重賞制覇。その後もスプリント戦を中心に使われ、昨季はナショナルデー・カップ(HKG3・2015/10/1・シャティン・芝1000m)、ボウヒニア・スプリント・トロフィー(HKG3・3/5・シャティン・芝1000m)と直線芝1000mのHKG3を2勝。その勢いを昨季はドバイ・ワールドカップデーにも遠征しましたが、ご他聞に漏れずドバイ遠征後には調整に手間取って勝ち星をくわえられないまま昨季を終えました。
今季もこの日のトライアルに向けて2戦叩いたものの5着、8着と復調を見せなかったため、注目を集めることはありませんでした。平均よりも遅めの流れを3番手追走から抜け出したレースは展開に恵まれた点も否定できませんが、本番に向けて見事復活を果たしましたといえそうです。大一番に強いJ.ムーア厩舎は3頭出しの大攻勢でしたが、トライアル勝を含む重賞4勝のノットリスンは厩舎だけではなく、香港勢総大将として香港スプリントに臨むことになります。
1番人気のバブルは後方3番手から直線大外に勝負をかけ2着。調整もレースも本番を意識したもので、ここは十分合格点。新興勢力の筆頭としての力は十分示し、更に上積みも期待できます。直前までの調整を見た上で最終結論を出しますが、トライアルが終わった時点ではバブルが香港勢では1番手に推したいというのが、トライアルからの結論です。エアロも直線じりじりと伸びて内のエイブルを抑えて3着。昨季後半の不運から脱却したことを印象付け、本番へ視界は良好です。逃げたペニアは7着でしたが、ここまでの着差はコンマ4秒。展開次第ではどうにも転ぶ着差です。忘れられていた古豪が復活し既成、新興勢力ともその力をいかんなく発揮したトライアルは香港スプリント陣が世代交代の中にありながら依然として世界最高峰にあることを証明したといえます。さて、これに日本から遠征したビッグアーサーとレッドファルクスがどこまで迫れるか?
最後にスプリント・トライアルから本番ではマイルに回るエイブルフレンドのことを少し。後方からレースを進め僅差の4着は香港馬王の力を示したと言えそうですが、全盛期を思えばやはり物足りないものを感じざるを得ません。本番までの3週間でどこまで回復できるのか、早めに香港に入ってじっくりと観察した上で改めてお伝えしたいと思います。
本番直前には地元記者との対談、有力馬調教師インタビューなどをお伝えする予定です。ぜひお楽しみに!
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■甘粕代三(あまかす・だいぞう)プロフィール
1960年、東京生まれ。高校時代から競馬にのめりこむ。
早稲田大学第一文学部卒。在学中に中国政府官費留学生。
卒業後、東京新聞記者、テレビ朝日記者、同ディレクター、
同台北開設支局長などを務める。中国留学中に香港競馬を初観戦、
94年ミッドナイトベットの香港カップ制覇に立ち会ったことから
香港の競馬にものめりこみ、2010年、売文業に転じた後は軸足を
日本から香港に。香港の競馬新聞『新報馬簿』『新報馬経』に執筆、
テレビの競馬番組にも出演。現在、新報馬業(『新報馬簿』『新報馬経』)
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