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【菊花賞】血統考察 byうまカレ

2016年10月21日(金) 10:30

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学生団体うまカレ副代表の金沢ユウダイです。
今週はいよいよクラシック最終戦、菊花賞です。
個人的に1番好きなレースです。

●日本らしい競馬の巧さが問われる
近年の、菊花賞と天皇賞(春)という京都の長距離GIの特徴は、「巧く乗った馬が好走する」ということです。長距離なのだから騎手の腕が問われるのは当たり前ですが、特に近年は顕著で、先行した馬・差してくる馬でも道中は内ラチ沿いか、内ラチから2列目を通っていた馬ばかりが好走します。

●外差しが効いたレース
2012年の菊花賞と、2015年の天皇賞(春)はスカイディグニティユウキソルジャーフェイムゲームといった外差しが台頭しましたが、これは無尽蔵のスタミナを誇るゴールドシップが「捲り切った」からであって、基本的にはキタサンブラックリアルスティールリアファルトーホウジャッカルフェノーメノサウンズオブアースゴールドアクタータガノグランパカレンミロティックシュヴァルグランタンタアレグリアラストインパクトネオブラックダイヤタニノエポレットホッコーブレーヴも、みんな先行しているか、先述したような道中の位置取りから巧く直線で馬群を縫ってきたり、外に出してきたりしています。

つまり、そういう競馬ができる騎手、そういう競馬ができる馬が好走しやすいということです。このような点も踏まえて各馬について考察していきたいと思います。


ディーマジェスティ
母母シンコウエルメスは英愛ダービーとキングジョージを制したジェネラスの全妹(つまりマイラーズC勝ちオースミタイクーンの半妹)で、遡ればジャパンカップも来日しオープン特別時代の富士Sを「ワープ」で勝利した「鉄の女」Triptychや凱旋門賞連覇のTreve、フリオーソらと同じMargarethenを牝祖とする牝系。ディーマジェスティの母エルメスティアラの他にエリザベス女王杯3着、ステイヤーズS2着などがあるエルノヴァを産んだ。「スタミナ&パワー」といった牝系で、ディーの馬体がムキムキなのも頷ける。
春との大きな違いは、順調に調整が進んでいることで、陣営が言うように間違いなく生涯最高のデキでパドックに出てくるだろう。特筆すべきはダービーでの、『これほど「パワー」と「スタミナ」に富んでいるタイプが、エイシンフラッシュのダービーのような瞬発力勝負で、マカヒキサトノダイヤモンドに肉薄した』という事実で、あの時点で、競馬ファンがよくする「この世代でどの馬が1番強いのか」という議論で、「総合力ではディーがNo.1」という評価に落ち着いた。また、先述したように器用さが求められる菊花賞において最大のウィークポイントは、ズブさがあることだと思っていたが、セントライト記念を見る限り大丈夫そうだし、今思えばあのスローのダービーで反応し切っていたからそういうことなのだ。
距離延長は全く問題ないし、エイシンフラッシュのダービーに近い上がり勝負だった今年のダービーよりは流れも向くはず。そして、フェノーメノでの春天連覇の他にも、カレンミロティックトーセンラータンタアレグリアサウンズオブアースを京都長丁場のGIで好走させている蛯名騎手というのは心強い(おそらく京都の長距離では横山典弘騎手と並び現役No.1だろう)。

サトノダイヤモンド
配合的な点からサトノダイヤモンドについて簡単に説明すると、Halo≒Sir Ivor3・5×5・4でサザンヘイローを通じるHaloのクロスはマカヒキと同じで、母のNorthern Dancer4×4やLureやLogicalといった血からパワーを取り込み、父の瞬発力の根源であるHalo≒Sir Ivorを継続させた、マカヒキシンハライトのような「父再生産型」の配合系。完歩も大きいが、母のパワーが強いからやや地面に叩きつけるような走法をしている。
Halo≒Sir Ivorを継続しているから完歩は大きくてもドゥラメンテリオンディーズのようなあからさまなストライド走法と比較すれば内回りでもマイナスにならないため皐月賞でも好走できた。その皐月賞はきさらぎ賞から直行というローテーションに加え、池江調教師は先行有利な馬場状態だったため、ルメール騎手に「好位の5〜7番手くらいの先頭から5馬身差くらいを追走してくれ」と指示を出したという。向こう正面でルメール騎手が追っつけ、ハイペースに付いていったのは、その「先頭から5馬身差くらいを追走してくれ」という指示を守っていたから。これを抜きにしても直線での不利がなければ2着マカヒキとの差はさらに縮まっていたであろう強い負け方。ダービーも落鉄と外にヨレたことが響き、ダービー馬になっていてもおかしくなかった。
ただ馬体をみてもだんだんと母のパワーが発現してきているようで、距離延長はプラスとは言えないが、昨年も明らかに距離が長かったリアルスティールが好走しているように、同世代が相手だから極端に外々を走らされたり大きな不利を受けない限りはスタミナ切れで垂れるということはないだろう。それ以上に心配なのは、昨年のリアファルや今年の桜花賞でのメジャーエンブレムのように、大舞台だと後手に回ることが多いルメール騎手で、折り合い懸念があるサトノダイヤモンドならばなおさらその心配をせざるを得ない。

ミッキーロケット
Nureyev4×4、ラストタイクーン≒Caerleon3×3、Mill Reef≒Riverman5×5という相似配合系で、La Troiennneの血も豊富だからパワーも兼備だが、前走をみると、Mill Reefをクロス、ニアリークロスしたキンカメ産駒(ローズキングダムタガノグランパ)のように外回り向きの斬れ味に富んだタイプだろう。前走は、サトノダイヤモンドの池江師がコメントしているように、何度やっても勝つことはなかったと思うが、レッドエルディスト級程度に力を付けたことは示した。ただ、直線平坦の京都替わりは良いものの穴人気は必至だし、距離不安もある。鞍上もこういう末脚に長けたタイプが合うわけでもないからヒモまで。

レッドエルディスト
マイニングとNever bendを通じるLa Troiennneクロスで肩が立ったピッチ走法だが、Darshaanやクリスタルパレスといった仏血が多い「持続斬れ」のタイプ。春より前で競馬ができるようになっており、これは腰がパンとしてきたからだろう。ダービーでも目先の好走にとらわれずに自分の競馬を崩さなかったことがプラスに出ているし、こういう育成の仕方は四位騎手らしい。距離延長はプラスで、まだ筋力が付き切っていないから直線が平坦というのも良さそう。良くも悪くも自分の形は崩さないだろうから勝ち切るイメージは湧かないが、馬券圏内に好走するイメージは強く湧く。

エアスピネル
この牝系らしい小刻みなピッチ走法だから、中距離ならば武器はコーナリングで他馬との差を広げたいクチ。皐月賞は完成度の高さとそのコーナリングの巧さでの4着、見せ場十分の4着だったダービーはスローペースの恩恵があった。しかし、パワーや距離適性というのは時とともに発現してくるものだから、夏を超えてさらに距離適性は縮むだろうし、3000mのこの枠(7枠13番)ではさすがに手が出せない。

カフジプリンス
 レース振りからも分かるようにワンペースな馬で、トニービンやRobertoのスタミナが伝わっているようだ。ただ走法はRobertoや母のBlue Eyed Momo≒Busanda6×5のWar AdmiralとLa Troiennneパワーの影響が強い掻き込んだ走りをしている。距離延長◎且つ最内枠だから買いたくなる気持ちも分かるが、あえて懸念材料を並べてみたい。まずは、走法的に下り坂が下手そうなことだろう。次にハーツクライ産駒はトニービンの影響により後躯で走るから、直線に坂がない京都で後躯のパワーを使えない天皇賞(春)ではカレンミロティックシュヴァルグランフェイムゲームらが勝ち切れていない (もちろん、だから2.3着候補というのもあるのだが)。ハーツクライ産駒でいうことでもう1点挙げると、そもそも菊花賞に出走したのがウインバリアシオンワンアンドオンリーだけで、基本的にハーツのトニービン譲りの成長力というのはシュヴァルグランジャスタウェイアドマイヤラクティも、古馬になってからこそだから、菊で勝負になるには春クラシックで勝負になっているほどの完成度の高さがないと厳しいのではないかとも思っている。ちょっと今回に関しては、分かり易過ぎる狙いだから逆に怖いのだ。

レインボーライン
細かい配合は、下記のブログで記事にしたが、ノーザンテースト≒Vice Regent4×4・5で、母系に名血Alycidonも入るので、「ノーザンテースト増幅」というステイゴールド産駒の絶対的なポイントを押さえている配合。ブログで書いたようにそのほかの部分も素晴らしいから、夏を越えて神戸新聞杯で◎を打ちたいとずっと思ってきた。そんな馬が、早熟性とスピードが求められる3歳春のマイル重賞を制するあたりに大物の相を感じる。前走の札幌記念は明らかに1頭抜けた末脚を使ったし、これはいよいよGI級へと進化した可能性がある。
http://derby6-1.hatenablog.com/entry/2016/10/21/235419

シュペルミエール
 母母がラフォルジュルネアーデントシャルールなどを産んだ優秀なグレイトフィーヴァーで、仏血過多だから、牝馬ならシャルールのようにメリハリのある脚を使うタイプになるが、牡馬だとアーデントのようにダラーとした脚を使うタイプになり易い。また、ステイゴールドは、Princely Gift的な柔らかさも伝えるから、カフジプリンス欄で先述したようにトニービンを内包するハーツクライとは異なり、ゴールドシップフェイムゲームのように京都の長丁場で勝ち切ることができる。鞍上も昨年キタサンブラックで神騎乗をみせた北村宏騎手で枠順も昨年と同じ。面白い1頭。

ウムブルフは、母系に異系(Monsun)が入るから独特の柔らかさを持ち、京成杯や皐月賞に出走したが本質的には広いコースでこその馬だ。鞍上も馬群を割ったり、ラチ添いが巧い浜中騎手だしナシではない。

イモータルは、マンハッタンカフェ×Acatenangoという独血を含む馬同士の組み合わせで興味深い配合。調教の動きもいつも良いが、なんといっても気性面がネック。

コスモジャーベもスタミナは十分で、ソングオブウインドとの父子制覇ならば大快挙だが、それには内枠が必要だった。

サトノエトワールは承知の通り速い上りが使えない馬だが、シュペルミエール同様母系が仏血で、こういうタイプはレーヴドリアンレプランシュのように京都外回りは合っているので、カレンミロティック的早仕掛けでアッと言わせ…さすがに厳しいか。

アグネスフォルテはAureole≒Alycidon7×7譲りの気性の難しさがあるから揉まれ弱いが、それは京都新聞杯のような粘りと表裏一体のもの。アグネスタキオンを輩出したイコマエイカン→アグネスレディーのアグネス牝系でそのタキオンを管理した長浜調教師最後の菊。単勝を握りしめたい気持ちだ。

プロディガルサンリアルスティールとは違いディープ×Storm Catらしい柔らかさが残るから距離は持ちそうで、3歳時のサトノアラジン(直線で詰まらなければ面白かった)くらい走れそうな気がしてたが8枠では厳しい。

ジュンヴァルカンはミルコ騎手の先行が怖いが、配合的にHyperionが入るトニービンと同質の斬れ方だから京都よりは直線に坂がある阪神・東京でこそだろう。


【まとめ】
ディーマジェスティサトノダイヤモンド
2列目筆頭・・・レッドエルディスト
穴・・・レインボーラインウムブルフ
爆穴・・・アグネスフォルテ


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【参考】

『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)
望田潤さんのブログ http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo
栗山求さんの連載「血統SQUARE」http://www.miesque.com/motomu/works.html
『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)

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【ブログ】http://derby6-1.hatenablog.com/

執筆者:うまカレ(MYコロシアム>最新予想にリンク)

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