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アウトサイダーの末裔 PART I I

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◇ニジンスキーが生まれ育ったキエフ=ウクライナが、いまゴールドラッシュに沸いているーーというテレビ(NHK)番組を見て、新たな驚きを禁じ得ない。ゴールドならぬランドラッシュ(農地争奪戦)のことだが、穀物という「金」を確保するための肥沃で広大な農地をを求めてしのぎを削る国際競争が展開されている様は、まさしくゴールドラッシュそのもの。食料を自給できず6~7割を輸入に頼らなければならない国々(とくに韓国)が、有事に備えての国家戦略として農地確保に奔走している、日本は二の足を踏んで大きく出遅れている。屈腱炎や慢性のフレグモーネで競馬にならない旧自民党政権が構築した腐れMAFF(農政=農水省)の鈍足、遅速、無能ぶりを治療するのは至難のわざだろうが、輸出国自体が人口爆発やらなにやらで自給もままならなくなってきている状況での「食料危機」の到来は目にみえている。ま、そんなことわめいたってどうなるものでもないし、しょせんはケセラセラ、なるようにしかならないんだよと、誰も何も言わない。でしょう? 笛吹けど踊らず、新しい風がせっかく吹き始めているというのに。
 
 ♪In a carvan in a canyon excavatig for a mine Dwet a miner forty niner and his doughter Clementine  
 
 ♪Oh my darling oh my darlinng oh my darlig Clementine Thou art lost and gone forever dredful sorry Clementine
 
 ◇『荒野の決闘』の原題(My Darling CLEMENTINE)でもあり主題歌(いとしのクレメンタイン)にもなっていたクレメンタインこそ、1849年のカリフォルニア・ゴールドラッシュ(49er=フォーティーナイナー)の山師、鉱夫=マイナーの娘だった。OK牧場の決闘に出向くヘンリー・フォンダの保安官ワイアットアープとの淡い恋も、彼女の水死によってdredful sorry…となってしまうのだが、48年衆(フォーティーエイター)に始まったゴールドラッシュにはアメリカ国内だけではなくヨーロッパ、中国などからも一攫千金を夢見るminer(マイネルではない。為念)が雲霞のごとく殺到した。馬のフォーティナイナー(父ミスタープロスペクター=予想屋、山師、採掘者)もひと山当てた49erにあやかって命名されたことはまちがいない。その娘にクレメンタインなんて気の利いた名前をつけるオーナーは…(すでにいたっけ?)。ちなみにアメリカの月探査機にもクレメンタインなんてのがあったぞ。月の砂漠で金探し?

 ◇砂金を掘り当てる山師、川師が元祖のフォーティナイナーが希有の「砂の男」になる…。プロスペクター→フォーティーナイナーの繋がり(血脈)が「名は体を表している」現実、事実は揺るがしようがない。そういう人と馬との因縁、関係がなぜ生じてしまうのか、ちょっと考えただけでも不思議でならない。天才と狂気の狭間を跳梁した不世出のバレエダンサーの名を借りた馬が、あたかも本家の霊魂が乗り移ったかのような特異な超常現象を体現する。それが子孫、末裔にまで伝播してゆく。アバター(化身)は偶然の産物、物語好きな人間が勝手にこじつけたストーリーではなく、まぎれもなく存在する。灰色の幽霊(Gray Ghost)ネイティヴダンサーがノーザンダンサー(母父)に、直子レイズアネイティヴがミスタープロスペクターに、ミスプロがクレメンタインの親父(49er)に…。

 ◇49年のゴールドラッシュが具体的なランドラッシュに変貌したのが21~22年だとするなら、21er、22erを探索する予想(たとえば今週のフェブラリーS対応)があってもいいはずだ。49年衆ならぬ21年衆、22年衆は?
 ◇そうした謎解きはオーソドクスな、正統的科学的競馬(ないし血統)予想者には受け入れ難いかもしれない。が、競馬、競走馬というのは、そもそもが人間の恣意(ジコチュー)によって無理矢理淘汰改良、ようするに捏造されてきた虐げられた種、哀れな生き物の虐待という側面を持っている。白人に隷属されてきた黒人の歴史のように、暗くて深くて、それゆえにロマンティックで強靱なルーツ、物語性を帯びている。未開発の鉱脈(血脈)は山ほど埋もれている。たとえばスカーレットブーケ。その父ンーザンテースト→ノーザンダンサー=父ノーザンダンサー母レディヴィクトリア=父ヴィクトリアパーク母Lady Angela。
 その母スカーレットインク=父クリムゾンサタン(Crimuson Satan)母コンセンティド(Consented)。
 ご存じブーケの全弟・全妹はヴァーミリアン、サラカートの母の母スカーレットローズであり、トーセンジョウオーの母の母はスカーレットブルー。ブーケの全姉がダイワルージュなら、全妹はダウワスカーレット。つまりこの一族はスカーレット(緋色=赤・ルージュ、クリムゾン)に染め抜かれている。そしてその「緋」のルーツこそが姦通の罪を見せしめるために胸に緋色の糸で「A」(Adulteryの頭文字)を刺繍されたヘスタ・プリン(ナタニエル・ホーソンの小説The Scarlet Letter=緋文字のヒロイン)なのだ。(またまた時間切れ。本日はこれまで。see you next week.)

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