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『競馬』という名の推理小説 ~第3話フェブラリーS(謎解き編)~

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第3話「フェブラリーS」です。

まずは近年のラップを見てみましょう。

05年 34.2-23.6-36.9 =1.34.7 ▼1△4△4 平坦戦 不良
06年 33.9-23.5-37.5 =1.349 △8▼6±0 瞬発戦
07年 34.6-24.3-35.9 =1.34.8 ▼3▼5△9 瞬発戦 不良
08年 34.8-24.3-36.2 =1.35.3 ±0▼7△4 瞬発戦
09年 35.1-23.7-35.8 =1.34.6 ▼5△8△3 瞬発戦 稍重

レースの流れは結構ばらつきがありますが「瞬発戦になりやすい」ということは言えそうです。
過去9年を見ても、瞬発戦6回、平坦戦2回、消耗戦1回となっています。

過去9年のうち7回は上がりが1位か2位の馬が勝利しています。
やはり府中の直線は長く「この区間でどれだけの脚が使えるか」というのがポイントになるでしょう。
上がりが3位以下の馬で勝利したのは平坦戦の2レース(01年ノボトゥルー、05年メイショウボーラー)となっています。
展開次第では上がりは問われない可能性もあります。

瞬発戦になりやすいのだから瞬発力が重要とはいえますが瞬発力だけでは通用せずスピードとスタミナに裏付けられた瞬発力が必要となります。
毎年1分35秒前後の時計で決着しているのでそのスピードに対応することがまず必要。
そしてそのスピードを維持しつつラストの直線でギアをもう1段上げないいけない訳でそこまでで体力が尽きてしまっても駄目ということです。
「速い流れをキープしつつラストの直線で上がりの脚が使えること」
これがフェブラリーSの謎を解く鍵だと思われます。

その判断基準はダート1600m以下とダート1800~2000mの両方の実績(主に重賞)がある馬ということになるでしょう。
過去の勝ち馬を見てみると

サクセスブロッケン
短距離実績 ヒヤシンスS(3歳OP戦)
中距離実績 JDD(3歳GⅠ)

ヴァーミリアン
短距離実績 なし
中距離実績 JCD(古馬GⅠ)レコード

サンライズバッカス
短距離実績 武蔵野S(古馬GⅢ)
中距離実績 平安S(古馬GⅢ)

カネヒキリ
短距離実績 ユニコーンS(3歳GⅢ)、武蔵野S(古馬GⅢ)
中距離実績 JCD(古馬GⅠ)レコード

メイショウボーラー
短距離実績 根岸S(古馬GⅢ) 逃げて上がり最速のぶっちぎり
中距離実績 なし(参考 皐月賞3着)

アドマイヤドン
短距離実績 南部杯(古馬GⅠ)
中距離実績 JBC(古馬GⅠ)、JCD(古馬GⅠ)

ヴァーミリアンは短距離実績が全くなかったのでスピード的に不安でした。
個人的にはこの年の走破時計が35秒台になったことが大きかったのではないかと思っています。
ドバイに2度遠征していますがどちらも惨敗しています。
ドバイは2000mでも2分前後で決着している超ハイスピードレースです。
あれだけ強かったヴァーミリアンが惨敗したのは「スピード不足」が原因ではないでしょうか。
(ちなみに時計が遅いからレベルが低いということではなく求められた適性がスピード寄りではなく瞬発寄りだったということです。ヴァーミリアンは瞬発力に長けたダート馬ですから)

メイショウボーラーは芝では中距離実績はありましたがダートでは経験なし。
当然スタミナは不安でありましたが根岸Sを1.1秒の大差で圧勝するほどのスピードの持ち主。
自らが逃げてフェブラリーSをスピードレース化してしまったということ。

というように両方あればベストですがどちらか片方でも能力が突出していたり展開次第ではあるということになります。

【まとめ】
以上の見解から鍵を持っていそうな馬は
エスポワールシチーサクセスブロッケンスーニダイショウジェットワイルドワンダー
この5頭だと思われます。
次点ではオーロマイスターテスタマッタというところです。


次に芝組を考えてみます。
本当に正直な意見を言わさせて頂くと、この馬達は出走しなかったと仮定してもいいかなと思います。
もし来たら仕方ないでOKということです。
でもGⅠしか買わないという方もいるでしょうから私なりの見解を少し書きます。

私は馬体とか走法とかは一切見ないのでダートに適応できるかどうかは分かりません。
一番気になる点は「砂を被ること」です。
これを嫌がって能力が出せない馬も当然いても不思議ではありません。
馬体や走法などでダート適性があってもこればっかりはやってみないと分かりません。
唯一この条件を考えないでいい馬は「逃げ馬」か「ポツン追い込み馬」です。
芝組の中で逃げ馬といえばローレルゲレイロリーチザクラウン
おそらくどちらかがこのレース逃げるでしょう。
ローレルゲレイロは芝の1600mまでしか実績がないのでスタミナ的に不安。
ひょっとしたらと思わせるのはリーチザクラウンの方。
泥んこダービーで折り合って2着に粘れたということからスタミナは十分。
ダート戦でのスピードがあるかどうかというのがポイントになるでしょう。

今年のフェブラリーSはエスポワールシチーで鉄板と思っていますが、もしかしたらと思えるのはリーチザクラウンか。


(補足)
「▼4▼2△6」や「平坦戦」などの表記はラップギアを使用しています。
数値などは岡村信将プロより提供して頂いています。
表記の意味などの詳細は岡村信将プロのマイページをご覧下さい。

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