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伊吹雅也のPOG分析室 ~第7回 20位以内にランクインの馬たちの近況をレポート~

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 先週末に京王杯2歳ステークスとファンタジーステークスが施行され、2013年の2歳戦線もいよいよクライマックスが近付いてきました。各ワールドの勢力図も明確になり、重賞ウイナーを所有しているプレイヤーの皆さんは来月のGIを、そうでない方々は年明けの重賞戦線を見据えて、指名馬の近況を見守っているのではないかと思います。

 今回は注目POG馬ランキング(2013/11/10 02:25更新分)で20位以内にランクインしている馬たちの近況をまとめてみました。該当馬の大半は来春のクラシックを目標にしているはずですが、“オーナー”としてはそろそろ素質の片鱗を見せてほしい時期。2歳戦の馬券を買ううえでも、これらの馬は大きなポイントになりそうです。


 現時点でもっとも多くのポイントを獲得しているのは11位のハープスター(ヒストリックスターの2011)。皆さんもよくご存知の通り、8月25日の新潟2歳ステークス(2歳GⅢ・新潟芝1600m外)で重賞制覇を果たしました。日本ダービーの一次登録を行った(→関連記事)ことからも、期待の高さが伺えますね。現在は帰厩して阪神ジュベナイルフィリーズを目標に調整されているようです。

 既に勝ち上がりを果たした馬は他に10頭います。1位のレーヴデトワール(レーヴドスカーの2011)はデビュー戦となった10月5日の京都5R(2歳新馬・芝1600m)で勝利。ただし、10月26日の萩ステークス(2歳オープン・京都芝1800m外)では6着に敗れ、単勝1番人気の支持を裏切ってしまいました。次走は11月24日の白菊賞(2歳500万下・京都芝1600m)を予定しているとのこと(→関連記事)。実績あるコースで変わり身を見せられるでしょうか。

 2位のラングレー(ラヴズオンリーミーの2011)は10月27日の東京4R(2歳新馬・芝2000m)で初勝利をマーク。次走は11月16日の東京スポーツ杯2歳ステークス(2歳GⅢ・東京芝1800m)を予定しています(→関連記事)。距離短縮や乗り替わりの影響が気になるものの、ここをあっさりと突破するようなら3歳クラシック戦線の最有力候補に躍り出そうですね。

 5位のトーセンスターダムアドマイヤキラメキの2011)は2012年のセレクトセールで2億6250万円の値がついた馬。10月20日の京都5R(2歳新馬・芝1800m外)でデビューし、単勝オッズ1.6倍の断然人気に応えて勝ち上がりを果たしました。次走は11月23日の京都2歳ステークス(2歳オープン・京都芝2000m)となる模様(→関連記事)。前走の内容や京都2歳ステークスのレース傾向を考えると、出走頭数と枠順がひとつのポイントになりそうです。

 6位のオリハルコン(シルヴァースカヤの2011)はデビュー3戦目となった11月9日の京都2R(2歳未勝利・芝1600m)で優勝。まだまだ奥のある馬だと思いますが、昇級緒戦となる次走が試金石でしょう。

 7位のモンドシャルナ(ウインドインハーヘアの2011)はディープインパクトの半弟。単勝オッズ1.3倍の支持を集めた10月26日の京都5R(2歳新馬・芝2000m)で初勝利をマークしています。次走は少し間隔を空けて12月21日のラジオNIKKEI杯2歳ステークス(2歳GⅢ・阪神芝2000m)になりそう(→関連記事)。ディープインパクトの初勝利は2歳時の12月19日、2勝目は3歳時の1月22日でしたから、偉大な兄よりも早いペースでクラシック戦線の主役に躍り出る可能性すらありますね。

 8月10日の新潟5R(2歳新馬・芝1600m外)を圧勝した8位のサトノアラジン(マジックストームの2011)は、11月16日の東京スポーツ杯2歳ステークス(2歳GⅢ・東京芝1800m)に出走予定。『ウマニティ』公認プロのサラマッポさんも「ダービー最有力」と太鼓判を押している好素材です(→関連記事)。私も血統背景に惹かれてデビュー前から注目していましたし、復帰戦が楽しみで仕方ありません。

 13位のエルノルテ(シーズオールエルティッシュの2011)は6月29日の中京5R(2歳新馬・芝1400m)で初陣を飾ったものの、10月12日のりんどう賞(2歳500万下・京都芝1400m)で4着に、11月9日のファンタジーステークス(2歳GⅢ・京都芝1400m外)で9着に敗れてしまいました。もっとも、私自身が馬券を買ううえで軽視していたように、ここ2戦のレース条件がこの馬に向いていたとはとても思えません。指名した人間としての贔屓目はあるかもしれませんが、京都芝1600m外や阪神芝1600m外のレースを使えば変わってくるはず。次走以降の馬券で鬱憤を晴らしたいところです。

 16位のテスタメントブラックエンブレムの2011)は10月12日の東京5R(2歳新馬・芝2000m)で優勝。現在は帰厩しており、11月24日のベゴニア賞(2歳500万下・東京芝1600m)に出走を予定しています(→関連記事)。2ハロンの距離短縮を難なくこなすようなら、来春のクラシック戦線だけでなく年末の朝日杯フューチュリティステークス(2歳GⅠ・中山芝1600m)でも注目を集めることになるでしょう。

 17位のシャドウダンサーダンスインザムードの2011)は9月15日の阪神5R(2歳新馬・芝1800m外)で初勝利を挙げた後、11月9日の黄菊賞(2歳500万下・芝1800m外)に出走。レース序盤の位置取りが災いして2着に敗れたものの、終盤の脚色は際立っていました。デビュー戦が単勝2番人気、黄菊賞も単勝4番人気止まりだったように、派手な血統背景のわりにはそれほど人気が沸騰しないタイプ。来春のクラシック戦線でも好配当をもたらしてくれるのではないかと見ています。

 18位のダイワレジェンドダイワスカーレットの2011)は10月27日の東京2R(2歳未勝利・芝1600m)で優勝。次走は11月24日のベゴニア賞(2歳500万下・東京芝1600m)を予定しているとのことでした。母の父にアグネスタキオンを持つ馬は全体的に苦戦していて、今のところJRA重賞やオープン特別で連対を果たした馬は皆無。2歳限定の500万下で連対を果たしたのも、2012年12月24日の冬桜賞(2歳500万下・中山ダート1200m)を勝ったルミナスウイングだけです。アグネスタキオンの代表産駒を母に持つこの馬がどこまでやれるのか、今後も注意深く見守っていこうと思います。

 デビューを果たしながらまだ勝ち上がっていない馬は5頭。3位のベルキャニオン(クロウキャニオンの2011)は10月27日の東京4R(2歳新馬・芝2000m)でラングレーの2着に敗れてしまいました。もっとも、上がり3ハロンタイムではラングレーを上回っていましたし、3着だったゼウスバローズが11月9日の京都4R(2歳未勝利・芝2000m)を勝ち上がっていますから、“順番”はすぐに回ってくるでしょう。

 12位のオリエンタルポピートールポピーの2011)は単勝1番人気に支持された9月22日の阪神5R(2歳新馬・芝1600m外)で9着に敗退。ただ、入厩後に一頓挫あった馬なので、これから変わり身を見せる可能性は十分にあると思います。

 15位のパリーアーク(ムーンライトダンスの2011)は7月28日の函館5R(2歳新馬・芝1800m)で3着。10月に復帰予定だったものの、直前で一頓挫あり、現在は放牧に出ているとのことです。まだまだ焦る時期ではありませんが、復帰の時期がひとつのポイントになるでしょう。

 19位のガリバルディ(シェンクの2011)は8月3日の新潟5Rで2着。現在は帰厩しており、早ければ11月16日の京都3R(2歳未勝利・芝1800m外)で復帰するとのことでした。前走で敗れたクラリティシチーは、10月19日のいちょうステークス(2歳オープン・東京芝1800m)で2着馬とクビ差の3着に好走。順当ならこの馬もすぐに勝ち上がれると思います。

 20位のロザリンドシーザリオの2011)は単勝オッズ1.4倍の支持を集めた11月3日の京都3R(2歳新馬・芝1600m)で11着に敗退。コース適性に疑問が残る一戦だったとはいえ、兄のトゥエルフスナイトやエピファネイアはデビュー戦を難なく勝ったわけですし、さすがにちょっと心配です。

 残る4頭のうち、4位のサングレアルビワハイジの2011)と10位のボージェストアドマイヤグルーヴの2011)は既に入厩済み。サングレアルはゲート試験に合格しており、ボージェストは11月16日の京都6R(2歳新馬・芝1600m)に出走を予定しています。
 14位のトレジャーマップ(ポイントフラッグの2011)はゴールドシップの全弟。馬名は決まりましたが、デビューまでにはもう少し時間がかかるかもしれません。
 9位のグレンシーラ(ドナブリーニの2011)は7月に左前脚の骨折が判明し、現在もノーザンファーム空港で調整中。ジェンティルドンナの半弟という世代屈指の良血馬だけに、長い目で見守りたいところです。


伊吹雅也さんのPOGマイページはこちら

(次回は12/19に更新の予定です)

■執筆者プロフィール
伊吹 雅也(いぶき・まさや)
 埼玉県桶川市在住のフリーライター、コピーライター、競馬評論家。的確でわかりやすいデータ分析に定評があり、現在は『JRAホームページ』内「今週の注目レース」で“データ分析”のコーナーを担当しているほか、さまざまなメディアに活躍の場を広げている。競走馬への一口出資やペーパーオーナーゲーム(POG)にも造詣が深く、現4歳世代のPOGでは、参加したすべてのドラフト(いずれも参加者20名以上)においてジェンティルドンナの単独1位指名に成功。現3歳世代も“赤本”こと『POGの達人』(光文社)誌上においてカミノタサハラコディーノフラムドグロワールらを推奨し、推奨馬の獲得賞金ランキング皐月賞終了時点)で1位を獲得した。近著に『門外不出! 投票データから分かった! WIN5の鋭い買い方』(東邦出版)、『WIN5(五重勝)ほど儲かる馬券はない!! 少点数で驚愕配当をモノにする絶対的セオリー(競馬王新書)』(白夜書房)。

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