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予想のメキキ ~2011年 ジャパンカップ~

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予想のメキキ ~2011年 ジャパンカップ~ | コラム | ウマニティ

今年のジャパンカップは、凱旋門賞馬にドバイWC勝ち馬をはじめ、国内外のGⅠタイトルをいくつも獲得している超豪華メンバーがそろいました。過去の実績だけでは決まらないレースでもありますので、馬券的にも非常に楽しみな一戦になりましたね。今回はJCを2年連続的中させている伊吹雅也さんに登場してもらいます。このレースを得意にしている“ザ・カンフルジョッキー”理論の使い手の金曜日時点での見解に注目しましょう!

■このレースの印象・思い出などはありますか?
昨年は3連複6点買いで4,940円の配当が的中、一昨年も1着が○(ウオッカ)、2着が◎(オウケンブルースリ)で簡単に的中。確かに、ここ2年を見るだけでも相性のいいレースと言えそうですね。

昔から、ジャパンカップの外国調教馬に関してはわりと的確な取捨ができているんですよ。ここ2年は「ほぼ無視」という結論が正解でしたし、最も厚く買った覚えのある外国調教馬は2005年1着のアルカセットです。また、2002年は◎シンボリクリスエス(3着)から入って人気薄のファルブラヴ(1着)、サラファン(2着)を拾うという会心の予想。2004年には単勝14番人気のポリシーメイカーを高く評価しながらアタマ差4着で悶絶――という出来事もありました(笑)。

もっとも、僕は別に海外競馬通というわけではありません。競馬評論家として最低限の知識は押さえているつもりですが、正直なところ、僕よりも海外競馬に精通している予想家や評論家はたくさんいます。知ったかぶりをしても仕方ないので、僕は調教国、血統、戦績などからごくごく当たり前の評価をしているだけなんですが……不思議なものですね。まぁ、見ているところは間違っていないということでしょう。

■ズバリ、今年のこのレースの鍵を握る馬は?
やはり凱旋門賞馬のデインドリームですね。ただ「レースのカギ」というよりは、「予想のカギ」「馬券のカギ」と言った方が適切でしょうか。ロンシャン競馬場の芝2400mを走らせたら、おそらく世界一強いのはこの馬。しかし、東京芝2400mでも世界一強いかどうかはまだわかりません。この馬にどんなシルシを打つかで馬券の組み立ては大きく変わってきます。

今のところ、今年の凱旋門賞がレコード決着だったこともあって、「(欧州に比べ)時計の速い東京芝2400mはこなせるはず」という見方が主流ですが、僕はそう思っていません。11月22日付でウマニティへ配信されたニュースにもありましたが、過去のジャパンカップにおける凱旋門賞馬の成績は5着(トニービン)、14着(キャロルハウス)、8着(アーバンシー)、3着(エリシオ)、4着(モンジュー)、8着(バゴ)といまひとつです。これだけ見ても、ロンシャン競馬場の芝2400mで求められる適性と東京芝2400mで求められる適性はまったく別物であるとわかりますよね。

そもそも、僕は「ロンシャンと東京」どころか「フランス競馬と日本競馬」も世間が思っている以上に違うと考えているんですよ。2001年以降にJRAのレースを使った外国調教馬は延べ214頭おり、これを調教国別に分類すると、延べ出走頭数が20頭以上なのはニュージーランド、オーストラリア、アメリカ、イギリス、香港、フランスの6ヵ国(地域)でした。そして、なんとこのうちフランスだけが連対馬を輩出していないんです。トータルの成績は[0-0-3-33]。3着に食い込んだのはタイガーテイル(2003年エリザベス女王杯)とサプレザ(2009年、2011年マイルチャンピオンシップ)なので、京都芝外回りはソコソコこなせるのかもしれませんが……。少なくとも、「フランス調教馬(≒フランス競馬に実績のある馬)は日本の競馬場に向いてない(京都芝外回りのレースは除く)」と考えるのが自然でしょう。ドイツ調教馬とはいえ、フランス一のビッグレースを制したデインドリームは、逆説的に東京芝2400mへの適性がないことを証明してしまったと言えます。

あとは火曜公開のウマニティ限定コラム『伊吹雅也の週末メイン「1点」分析』で指摘したように、血統が日本向きとは言えない点も気になるところです。これだけの不安材料があるのに、人気がヒートアップすることだけは確実という状況。馬券的にどう扱うべきかは言うまでもありません。

■堅く収まるか、それとも荒れると思いますか?
難しい質問ですね。東京芝2400mに適性のないビッグネーム(=デインドリーム)や、前走で国内戦に限ればキャリア最低となる着順に敗れた5歳牝馬(=ブエナビスタ)が人気を集めるのでしょうけど、こういう馬が敗れたところで、それを“波乱”と言っていいものか……(笑)。まぁ、単純に配当が高いか安いかで言うなら、それなりに高くなるんじゃないでしょうか。“荒れた”がゆえの好配当ではなく、「私から見れば“堅く収まった”のになぜか好配当」というパターンなんじゃないかと。

■とっておきの穴馬を1頭教えてください。
楽しみな馬は何頭かいますが、ここではローズキングダムを挙げておきましょうか。天皇賞(秋)の大敗で大きく人気を落としそうですが、僕はもともと「天皇賞(秋)で買うような馬じゃないだろう」と思っていました。今年に入ってからGIでは好走例がなく、しかも芝2000m以下のレースに出走するのは約1年半ぶりというこの馬が、どうしてあそこまで人気を集めてしまったのか……。むしろ僕は、直線半ばまで頑張っていたのを見て「あ、やっぱりこの馬は強いんだな」と思いました。得意の東京芝2400mに替わるここは素直に買うべきでしょう。

ただ、騎手と騎乗馬の相性を重視する僕の予想理論「ザ・カンフルジョッキー」の理屈でいうと、メンディザバル騎手が引き続き騎乗する点は少々不安です。もう少し好走確率の高い馬から買いたいので、本命にはしません。この馬に勝たれても問題ないような買い目を組むつもりではいますが。

リアルでいくらくらい儲けることを目指しますか?
良い機会なのでしっかり説明しておこうと思いますが、僕は常に「最低でも1開催日分、できれば1週分の収支を一発でプラスにできそうな買い目」を提示するようにしています。雑な予想をさらしたくないという理由もあって、僕が予想を登録するのは1開催日につき3レース程度。つまり、当たったときのレース回収率が最低でも300%以上、できれば600%以上になるよう買い目を作っているわけです。もちろん、今年7月31日の小倉記念のように、思ったよりも人気薄だったおかげでレース回収率が5000%を超えてしまうようなケースもありますけどね(笑)。

当然ながら、このジャパンカップも300%ないし600%のレース回収率が最低目標となります。ただ、僕の見立てと予想オッズを見比べてみると、もう少し儲かるんじゃないかという気がしてきました。最終的なオッズ次第ですが、場合によってはレース回収率1000%超えが期待できるような目を提示できるかもしれません。


ふだんはおとなしく、謙虚なタイプの伊吹さんですが、やっぱり競馬のことを語らせるとアツい男だな~ということを、今回の取材で再認識しました。簡単な回答でOKと言っているのに、ここまでビッシリと答えてくれるんですからね。ただそのぶん、これをご覧の皆さんの参考にはなったことでしょう。先日浦和競馬場で行われた浦和記念もズバリ的中させ、現在絶好調という伊吹さんの最終結論は日曜日のプロ予想DXでご確認ください!

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