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鈴木和幸のGI全馬追い切り診断 〜有馬記念〜

2011年12月23日(金) 10:50

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鈴木和幸のGI全馬追い切り診断 〜有馬記念〜

●第56回有馬記念(GI)最終追い切り診断


アーネストリー
12月21日 栗東坂        
51秒7−37秒8−25秒4−13秒0 一杯追
     
いかに大外枠がこたえたとはいえ、天皇賞は2秒5も離された大惨敗、この大ショックから立ち直るのは大変なこと、1ヶ月以上も時計を出せていない。12月4日を皮切りにここまで4本の時計を出したが、ラスト1Fの甘さが目立つ。今週の坂路でもご覧の通りにしまいがかかっている。そう、道中の動きは好調時さながらにダイナミックだったのだが、いざ追い出されると姿勢が高くなりぎみで伸び切れないのだ。むろん、調教でもレースでも鋭さなど見せたことがないのは百も承知、それにしても追い出されてからが鈍かった。

 
ヴィクトワールピサ
12月21日 栗東W 
80秒8−64秒7−50秒3−37秒0−12秒2 一杯追
    
10ヶ月ぶりのジャパンCは調教量そのものが不足していたし、10馬身離された13着もやむをえないところ。しかし、その後の調教も質、量とも物足りず、速いところといったら先週14日のウッド6F83秒4−39秒0くらい、復調は遅々としている。その分、今週はデムーロが乗って意欲の3頭併せを敢行、内、外の2頭に5馬身先着して見せ、一応は別掲の時計は出た。とはいうもののこれは相手馬が走らなすぎただけのことで、自身はステッキ6発にもこたえられず鋭さを欠く動き、この追い切り後の変わり身を考えても八分のデキがやっとではないか。

 
エイシンフラッシュ
12月21日 栗東W 
80秒7−65秒0−50秒9−37秒3−11秒8 馬なり
    
力みが消えていた前走、ジャパンC前の追い切り、ガラリ一変したのかに見えていたが、レースはちょびっと差を詰めただけの8着どまり、ワンパンチ足りない。今週の追い切りはさらに一段とリラックスさが出て、しびれるような手ごたえ。仕上げに関してはどの馬にも負けないが、ダービー以来、もう1年半以上も勝っていない現実があるだけに、期待より心配の方が先に来てしまう。

 
オルフェーヴル
12月21日 栗東坂        
51秒7−37秒7−24秒4−12秒3 一杯追

史上7頭めの3冠馬になったあとは、これまでと同じように放牧にでて疲れを取った。栗東に戻ったのは12月2日、以後は坂路で7本の時計、7日に52秒6−38秒7、先週15日に51秒7−38秒0と、質、量ともに十分である。今週も坂路で併せ馬、別掲の時計で1馬身の先着。追い出しにかかったときにやや内にもたれかかったが、これも一瞬だけ、菊花賞前と比べても動き、時計とも変わらない。追い日ごとにビシビシとやれるところが夏以降に強化された体力の証し。6連勝、古馬を蹴散らす準備万端整った。

 
キングトップガン
12月21日 栗東坂        
53秒3−39秒5−25秒9−12秒8 仕掛け
    
元気いっぱい、ケチをつけるところは何もない。時計も前走時より速いのだが、ジャパンC14着が現在のこの馬の実力、その前走から1ヶ月足らず、元気はよくても変わり身なしでは…

 
ジャガーメイル
12月22日 美浦P        
65秒2−49秒5−35秒8−11秒2 一杯追
     
ジャパンCは14番人気の低い評価、これに反発するかのように3着好走、昨年春の天皇賞馬の意地を見せた。この中間は軽めに終始、15日になって併せ馬を。しかし、まったくの上がり中心で、ラスト1Fは11秒8と速かったが全体時計はポリトラックとしてはいかにも平凡な5F68秒9、4Fも53秒5どまり。今週は例によってテンは14秒7と控えたものの4Fからは13秒台にピッチを上げ、直線は目いっぱいに追い切って別掲の好タイムをたたき出してきた。これは前走時のそれより4Fで1秒以上も速く、これなら前走の疲れもとれたと判断できる。欲を言えば追い出されての反応が鈍いように見え、相手馬を振り切るのに時間がかかったことだが、この上がり1Fの速さではそれも仕方あるまい。

 
トゥザグローリー
12月21日 栗東W 
79秒1−63秒4−50秒0−37秒3−11秒9 一杯追
 
調教はやればいくらでも走る。ちなみに2月に京都記念を勝ったときの最終追い切りが時計の出るポリトラックとはいえ、6F77秒9−35秒4のすさまじさ。ここ2戦はウッドでの追い切りが多いためこんな時計はでないが、それでも前走時は7F97秒3−38秒8、この中間にはこれをしのぐ6F80秒2−36秒9をマークして復調著しい。今週は福永自らがまたがり、ご覧の時計で堂々の先着。福永も好感触をえたようだ。ラスト1Fを11秒台でまとめたところに不気味さがいっぱい。そういえば、昨年の3着馬ではないか。前2戦には目をつむって狙いたいほど上昇カーブを描いてきた。

 
トーセンジョーダン
12月21日 栗東W        
70秒7−55秒1−40秒1−11秒9 馬なり
    
天皇賞レコード勝ちの反動が心配されたジャパンCでも最終追い切りは7Fの長めから併せ馬のハードさだった。名うてのタフネス、これがこの馬の別名である。ところが今回は中間、最終追い切りともに軽め。動きには弾力性があり、相も変らぬ元気ぶりなのだが、さて、この軽め調教がどう出るか。動きのパワフルさから疲れが抜けないための軽めということはないだろうが、勘ぐれば前2戦が激しすぎただけにその心配なしとは言い切れない。当日のパドックで変にイレ込んだり、逆に元気がないようだと減点しなければならないことをお忘れなく。

 
ヒルノダムール
12月21日 栗東坂        
54秒7−40秒4−26秒3−12秒2 G追う
    
ジャパンC出走のプランもあったが、海外遠征の疲れが取り切れていないとの判断からこれをパスして有馬記念1本狙い、先週までに坂路、ウッド併用で10本以上の時計を出している。しかし、ウッドでの併せ馬を見ると先着はしていてもいささか反応が鈍く、集中力に欠ける気がする。今週は坂路でテンを14秒3のゆっくりめで入り、ラスト1Fだけいっぱいに追って2馬身半の先着、ラスト1F12秒2とさすがの末脚を見せた。ただ、前記の通り前半が遅くご覧の平凡な全体時計なので当然といえば当然、天皇賞を勝ったときが53秒5−38秒9−12秒5だったから、これと比べると軽すぎる気がするし、4ヶ月ぶりの大阪杯の最終追い切りは51秒9−37秒8−12秒2のド迫力だっただけに、やっぱり今回は2ヶ月半以上間隔があいたにしては軽すぎはしないか、物足りなさが残る。

 
ブエナビスタ
12月21日 栗東W 
80秒0−64秒8−51秒1−37秒4−12秒5 強め
    
これまでにも再三にわたっていってきたことだが、このレベルの馬ともなると調教はやっていればいい。いいとか悪いとかを論じる必要はない。だから、これだけの時計が出ていればそれで十分、ジャパンCにつづいてのGI連勝もさほどの難事とも思えない。ただ、重箱の隅をほじくるようだが、今回は天皇賞→ジャパンCを激走したあと、そして、ラストランであることも考えておかなければならない。牝馬にとって男馬あいてのGI3戦がどれほど過酷なものか、ラストランであって見れば、何が何でも勝たせたい、勝ちたいのが人情だろう。だからこそこの中間はこれまでにもましてハード調教を課してきた。そのせいか、今週の追い切り、私には前脚の出が硬く、伸びがないようにも見えたのだ。いうところのオーバーワークの心配がちょっぴりとある。並外れた勝負根性でこれをはねのけると思いつつも、現時点では絶対視は禁物といっておく。

 
ペルーサ
12月22日 美浦芝 
77秒3−62秒1−48秒7−35秒8−11秒6 強め
    
よもやのしんがり負けに終わったジャパンC、直線半ばで勝負を投げてしまったのにはがっかりさせられた。間違いなく能力はあるし、あんなに負ける馬ではないが、あのレースではっきりしたのは自分の思い通りに走れないとダダをこねるようにイヤイヤをしてしまう精神的もろさがあること。そして、馬なり調整に終始した仕上げの甘さもあったのではあるまいか。この馬はステッキを入れるなどしてビシビシと追った方がいい。この中間は14日に本馬場で5F62秒5−37秒0の速い時計こそ出たが、いっぱいに追い切ったことは一度もなく馬なりばかり。今週の最終追い切りは前を追いかけ、直線半ばから強めに追って本馬場とはいえ、ご覧の速いタイム、すぐさま反応して併走馬を置き去りの好内容。あらためて能力の高さを認識させられたが、レースでこの走りができるかどうかは別の話。前走があまりにも情けなかっただけに、いくら調子がよくても、潜在能力が非凡でも高くは評価できない。

 
ルーラーシップ
12月21日 栗東W 
95秒3−64秒4−50秒6−37秒8−12秒1 一杯追
    
調教は走る方だし、ここまで10本の乗り込みならと、今週の追い切りに注目していたが、思いのほか動けず、外の2歳馬には1馬身先着したが、中には馬なりで遊ばれ、半馬身遅れてしまった。6ヶ月の長い休み明けでこの馬も八分のデキがあれば上デキ。

 
レッドデイヴィス
12月21日 栗東坂        
50秒7−37秒4−24秒9−12秒6 強め
    
7ヶ月ぶりの前走・鳴尾記念は体重20キロ増、しかし、これは太めではなく減っていた馬体が回復したもの、実にいい体つきだった。中2週で長距離輸送となる今回は18日に坂路56秒2−40秒4の軽めのみ、ほとんど最終追い切り1本の仕上げになるが、ローテーションを考えればこれでいい。その最終追い切りは強めに追っただけで別掲の好タイム、手綱をとった武豊との呼吸もぴったりと、グイグイとストライドを伸ばしてきた。重心を沈めた動き、反応のすばやさ、時計そのもの、どれをとっても前走以上で二走ボケの心配は皆無、前走以上に動ける。それでもこのメンバーとの力関係、中山初コース初距離、その前に関東エリアへの初長距離輸送などなど、クリアしなければならないことばかりで、そう簡単には飛びつけない。

 
ローズキングダム
12月21日 栗東W 
79秒8−63秒6−49秒8−37秒0−12秒5 馬なり
    
休み明け、それも59キロを課せられた京都大賞典の勝ちっぷりがよく、今季はデキがいいのかと思いきや天皇賞、ジャパンCは10、9着と見せ場のひとつもなし、がっかりされた方も多かったに違いない。今週はご覧の好時計、巻き返しも狙えそうだがさてどうか。なるほど時計は速いが相変わらずもたれる面が見られ、併入といっても脚色では相手馬に負けており、劣勢の内容。後藤とは鞍が合う程度のことで巻き返せるかどうか。



鈴木和幸

競馬評論家。ダービーニュース時代には、TBSのテレビ番組「銀座ナイトナイト」にダービー仮面として出演。メインレース予想7週連続的中の記録を作った。

日刊現代では、本紙予想を20余年にわたって担当。58年にその日の全レースを的中させるパーフェクト予想を達成。日刊・夕刊紙の本紙予想では初の快挙。

著書に
「競馬ハンドブック」「競馬・勝つ考え方」「競馬新聞の見方がわかる本」「まるごとわかる 競馬の事典」(共に池田書店刊)「競馬◎はこう打つ」(日本文芸社刊)「距離別・コース別・競馬場別 勝ち馬徹底研究」(ぱる出版刊)など多数。

鈴木和幸公式ブログ では週末レースの推奨馬などを無料公開!
http://blog.livedoor.jp/suzuki_keiba/

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