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鈴木和幸のGI全馬調教診断 ~秋華賞~

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●第15回秋華賞の全馬追い切り診断


アグネスワルツ 10月13日 栗東坂 52秒5-37秒9-24秒7-12秒5 一杯追
      
先週に坂路4F52秒0をマークしているのに、今週もいっぱいに追ってこの時計とこれまでにないハードな仕上げ。動きは鋭さこそ感じないが最後まで乱れなく、力強さ十分。前走で12キロ増えていた体もひきしり、オークス3着当時に近づいてきた。


アニメイトバイオ 10月13日 栗東W ⑥79秒3-65秒1-51秒2-38秒8-14秒1 G抑え
      
ローズSの激走にかなり疲れがあったのだろう、先週の時点ではまだ動きに硬さがあった。しかし、今週はそれもなくテンから掛からんばかりの行き脚、直線は流すというか、抑えてしまったのでラスト1Fは14秒1とかかったが、これを気にすることはない。ただ、前走時がG前グーンと伸びていたので、比較すると物足りなさが残ってしまう。


アパパネ 10月13日 栗東W ⑥86秒4-70秒5-55秒0-40秒8-11秒9 馬なり
      
前半を抑え、まったくの上がり中心。このため全体時計は平凡だが、先週に併せ馬でビシッとやってあるので意識してそうしたまで。道中折り合った、いかにも気分がよさそうな、美浦から駆けつけた蛯名と呼吸ぴったりの走り、GOサインがでるとすぐさま反応した1F11秒9の伸びを含め、どれをとってもいうことなし。これならもうトライアルのように掛かって鞍上を手こずらせることもないだろう。3冠有望。

   
アプリコットフィズ 10月13日 栗東W 66秒0-50秒8-36秒8-11秒9 馬なり
      
先々週、先週と時計をだし、今週もこれだけやれた。それだけで好調とわかる。以前はカイ食いなどを気にし、思い通りに追えないこともあったのだから。先週のラスト1Fの伸びもよかったが、今週も追ったところなしで11秒9と矢のような伸び。目にもとまらない瞬発力に脱帽!早めの栗東入厩のおかげだ。理想的には前走でもっと体重が増えていたほうがよかったが、それでもその体を維持し、細化はなし。あとはこれ以上テンションをあげないことだ。


・アンティフリーズ 10月13日 栗東W 66秒8-51秒5-38秒7-12秒8 一杯追

併せ馬で3馬身先着したが、いっぱいの追っており相手馬の凡走に助けられた感もある。しかし、上がり時計的には前走時をしのいでおり、2連勝の勢いは止まっていない。


エーシンリターンズ 10月13日 栗東W  ⑥80秒1-65秒4-51秒4-37秒8-12秒5 強め
      
トライアルでは体重が12キロ増えて細化していた体が戻っていた。これをキープしていることを証明したのが先週の坂路4F50秒6の追い切り。今週はウッドコースにでて、またまた意欲むきだしの追い切り。G前、福永に気合をつけられると待ってましたとばかりにストライドを伸ばし、上記の時計、ラスト1F12秒5、これで目いっぱいではなく、G前はこれで十分と鞍上は手綱を抑えていた。追われると重心を沈めるフォームがとくにすばらしく、もはやこれ以上は望めない。


オウケンサクラ 10月13日 栗東坂 50秒5-37秒2-24秒9-12秒3 強め

余力残し、強めに追っただけでこれだけの好時計をマーク、仕上げの順調さ、体調のよさは疑う余地がない。とりわけ馬体の張りは目を見張るばかりで、デキは春当時を数段上回る。この馬の場合はいかに流れに乗って気分よく、馬群にもまれないで走れるかだ。理想は単騎逃げ、そのためには内枠がほしい。


クラックシード 10月13日 美浦坂 54秒7-37秒2-24秒4-12秒3 馬なり

10日に5F67秒台の時計を出しているので、今週は坂路で上がり中心、馬なりに終始した。前半の走りこそスムースだったが、G前は内にもたれ、この点が気になった。


コスモネモシン 10月13日 美浦P 76秒4-60秒8-46秒4-15秒9 楽走
      
先週にポリトラックで実戦並みの併せ馬、これが最終追い切りで今週は長距離輸送もあるので、まったくの楽走、予定通り。動きに硬さはなく、落ち着き払った気配も好印象。もちろん、先週のハード追いの反動もない。体重減なくレースに臨めれば一発があっていい。


サンテミリオン 10月13日 美浦W 67秒0-51秒8-38秒6-13秒2 仕掛け
      
馬なりの外に手ごたえ、脚勢とも見劣った。時計的にも平凡で、とくにラスト1Fの13秒2に不満が残る。オークス以来にしては攻め馬の量が不足しているし、気合乗りもイマイチ。仮に体重に大きな変動がなかったとしても、中身ができているかどうかの心配がある。


ショウリュウムーン  10月13日 栗東坂 52秒5-37秒7-23秒9-11秒8 G強め
      
先週までに3週つづけて時計を出し、その先週がポリトラック6F78秒台の猛烈さ。これにへこたれることなく、馬は元気いっぱい。今週は坂路での総仕上げだったが、上記の好時計でG前は一発ステッキが飛んでいる。ラスト1F11秒8の数字でわかるように、以前のもたれ癖もマシになり、一直線といってもいい伸び脚。坂路56秒台にとどまっていたオークス時とは雲泥の差、ケチのつけようがない。


・タガノエリザベート 10月13日 栗東W  ⑥84秒6-68秒8-54秒3-40秒5-13秒0 一杯追
      
直線いっぱいに追われて先着したが、時計は平凡、ラスト1F13秒0ではお世辞にもよくなったとはいえない。実際、追い出されてもたつき、先着は相手が走らない馬だったからとみたほうがいい。ずばり、変わり身なし。


ディアアレトゥーサ 10月13日 美浦W  ⑥83秒9-67秒4-53秒2-39秒3-13秒2 直強め

6日にウッドの6Fから併せ馬をし、今週も直線で気合を入れた。時計は目立つものではないがこれは終始馬場の外めを通ったからで、ひと回り大きく見せる馬体、動きの力強さは春と別馬の感がある。紫苑S勝ちを軽んじてはならない。


プリンセスメモリー 10月13日 美浦坂 60秒5-40秒2-30秒3-14秒8 馬なり

先週6日に坂路4F51秒7-36秒9、これが最終追い切りで、今週は息を整える程度、15-15で回ってきただけ。400キロに満たない馬だし、動き軽快、気配も悪くないが、4ヶ月半も休んでいたのにこれといった成長がない。仕上げはよくてもやっぱり物足りない。


ベストクルーズ 10月13日 栗東W 58秒3-42秒3-12秒1 直一杯

3頭併せの中、外には1馬身半先着したが、内の2歳馬には逆に2馬身遅れてしまった。しかし、これは2歳馬(デイリー杯2歳Sに出走のレーヴディソール)の末脚が強烈すぎたためで、自身の脚どりに乱れなし。前走勝ちの好調子をそのままキープしている。


レインボーダリア 10月14日 美浦W 67秒4-52秒2-37秒7-12秒8 馬なり

ウッドの5Fから15秒2、14秒5と少しずつペースをあげていったが、結局は最後まで馬なり。とくによくなったところはないが、10月3日の札幌戦を使った強行軍にしては馬体減りもなく、気合も乗って元気。抽選クリアの強運と前走勝ちの勢いでどこまでやれるか。   

レディアルバローザ 10月13日 栗東P ⑥76秒7-61秒6-48秒0-36秒0-11秒6 一杯追

時計の出やすいポリトラックとはいえ、この時計は速い。これだけやれるのは元気のいい証拠だし、前走時のタイムを大幅に短縮したのはそれだけ調子を上げ、力をつけた証しでもある。そして厩舎の意気込み、、、。なにやら穴ムードが漂う。


ワイルドラズベリー 10月13日 栗東W ⑥84秒0-67秒8-52秒7-38秒3-11秒9 G強め

ゴール前で軽く追われただけなのに、この瞬発力、地をはうような重心の低いフォームで駆け抜けた。トライアル2着の反動もなければ、二走ボケの心配も皆無。それどころかさらに体調はアップしている。最高潮で挑む秋華賞である。


以上です。


鈴木和幸

競馬評論家。ダービーニュース時代には、TBSのテレビ番組「銀座ナイトナイト」にダービー仮面として出演。メインレース予想7週連続的中の記録を作った。

日刊現代では、本紙予想を20余年にわたって担当。58年にその日の全レースを的中させるパーフェクト予想を達成。日刊・夕刊紙の本紙予想では初の快挙。

著書に
「競馬ハンドブック」「競馬・勝つ考え方」「競馬新聞の見方がわかる本」「まるごとわかる 競馬の事典」(共に池田書店刊)「競馬◎はこう打つ」(日本文芸社刊)「距離別・コース別・競馬場別 勝ち馬徹底研究」(ぱる出版刊)など多数。

鈴木和幸公式ブログ では週末レースの推奨馬などを無料公開!
http://blog.livedoor.jp/suzuki_keiba/

今もパドック党として最前線で活躍中。

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