グリーンセンスセラさんの競馬日記

「預言者」金子真人氏

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ディープインパクト時代「終焉」は近い!? 競馬界の「預言者」金子真人氏のセレクトセールの"動向"が予感させる「新時代」の到来─Gambling Journal ギャンブルジャーナル/ 2017年7月20日 13時45分 http://biz-journal.jp/gj/2017/07/post_3874.html

 史上6頭目の牡馬三冠馬ディープインパクトや、昨年の日本ダービー馬マカヒキなどのオーナーとして知られる金子真人氏が今月、ノーザンファーム代表の吉田勝己氏に等身大の銅像をプレゼントしたことが話題になっている。
 この『Warm Wind From the North~あたたかい北風~』と銘打たれたブロンズ像は、金子オーナーがディープインパクトや牝馬三冠馬アパパネなど、ノーザンファームの生産馬5頭で「中央競馬八大競走」を完全制覇したことを記念して寄贈されたそうだ。
 創設の新しい秋華賞を除く5大クラシックと天皇賞・春秋、それに有馬記念を加えた8競走が古くから「中央競馬八大競走」と称されているが、個人馬主で完全制覇を成し遂げたのは金子オーナーが史上初。常識的に考えれば空前絶後の大記録になる可能性もあり、それをわずか20年余りの馬主生活で成し遂げてしまった金子オーナーは、すでに歴史に名を残す成功者といえるだろう。
 そんな金子オーナーだが、近年では馬主としてさらなる「高次元」の楽しみを見出しているようだ。
 例えば、冒頭で触れた昨年のダービー馬マカヒキは父ディープインパクトも然ることながら、母ウィキウィキも金子氏の所有馬。先日、中京競馬史上最速の上がりで新馬戦を勝って話題になったワグネリアンに至っては父、母だけでなく、母の父、母の母にいたるまで金子オーナーの所有馬という、いわゆる「金子ブランド」の一頭になる。個人馬主でそんなことをいわれるのは、後にも先にも金子オーナーだけだろう。
 しかし逆に述べれば、それは金子オーナーがただ繁殖に残るような有力馬に恵まれてきたというだけでなく、積極果敢に様々な血統の馬を手にしてきたからでもあるはずだ。

次のページ▶▶▶ 今年のセレクトセールでは「例年ほどの活気がなかった」

代表馬のディープインパクトこそ、日本競馬に革命を起こしたサンデーサイレンス産駒という王道だが、そのディープインパクトのライバル種牡馬として活躍するキングカメハメハは欧州の大種牡馬キングマンボの産駒。オーナーに最初のG1をプレゼントしたブラックホークも欧州で大成功を収めながらも、日本ではまだあまり成功していなかったヌレイエフの血を積極的に取り入れた結果だ。
 他にも世界最大の馬主グループ・ゴドルフィンへ400万ドルで移籍したユートピアはフォーティナイナー、ワグネリアンの祖母ブロードアピールのブロードラッシュ、日本に種牡馬フレンチデピュティを導入させるきっかけとなったクロフネ、宝塚記念3着などがあるホットシークレットのハンティングホークなど、金子オーナーが所有する活躍馬の血統バリエーションは実に多彩だ。
 その結果、ディープインパクトやキングカメハメハ、クロフネなどの名種牡馬を次々と輩出。今や日本の競馬を支配していると述べても過言ではない社台グループの成功は、まるで「未来」を読み取ったかのような歴史的成功を収めた金子オーナーの存在をなくして語ることはできないだろう。
 ただ、そんな金子オーナーだが、今年のセレクトセールでは「例年ほどの活気がなかった」、と報じられている。
 というのも、近年は毎年のように高額な良血馬を競り落とす大馬主の一人だった金子氏が、今年は1億円超えが僅か1頭、それも1億1000万円が最高額という、額面上はやや寂しい結果となったからだ。
 ちなみに個人馬主だけに、「本業」の方が上手くいかなかったということはなさそうだ。横浜市の都筑区に本社を構える東証1部上場企業「株式会社図研」の代表取締役社長である金子氏。企業は今年の3月期も売上高約221億9900万円を達成しており、ずっと右肩上がりの状態である。
 したがって、金子氏が主な競走馬の入手ルートとしているセレクトセールで、今年も例年通り大金を投入しようと思えば、問題なくできた可能性は極めて高いといえるだろう。
 だが何故、それをしなかったのか。

次のページ▶▶▶ 金子氏が今年のセレクトセールで手にした幼駒のラインナップを見ると、明らかな「傾向」が

 その"真意"は明らかではないが、金子氏が今年のセレクトセールで手にした幼駒のラインナップを見ると、明らかな「傾向」が見えてくる。
『web Sportiva』(集英社)に「昨年までよりもトーンが落ち着き気味だった」と報じられた今年の金子氏だが、競り落とした幼駒自体は11頭と実はここ5年間で最も多い。つまり、決して意欲がなかったわけではなく、単純に高額な良血馬のセリには参加しなかったということだ。
 そして、何よりも象徴的なのが、その11頭の幼駒の中に自身が所有した「2大種牡馬」ディープインパクト、キングカメハメハの産駒が1頭もいなかったという点である。
 ちなみに昨年は1億4000万円のキングカメハメハ産駒と7000万円のディープインパクト産駒、一昨年は2億3000万円のディープインパクト産駒、3年前も1億8000万円のディープインパクト産駒を競り落としていた金子氏。ところが今年は、そういった紙面を飾るような"爆買い"が一切見られなかった。
 その分「数」を増やしてきたわけだが、その中でも11頭中4頭を数えるロードカナロア産駒は、ある種"異様な輝き"を放っているといえるだろう。
 これは「単純に良い馬を競りに行った」というだけでは起こり得ない偏りだ。ちなみに昨年もすでに1頭のロードカナロア産駒を競り落としており、今年の2歳が初年度産駒となるロードカナロアだが、金子オーナーはすでに"何か光るもの"を見つけているのだろうか。
 また、まだ産駒がデビューしていないジャスタウェイ産駒を2頭も購入したところも気になる点だ。

次のページ▶▶▶ まるで「預言者」のように数多くの歴史的成功馬を所有してきた

このロードカナロアとジャスタウェイに共通する点は、安田記念を勝つほどの「スピード」があり、そして何よりも極めて高い「国際評価」を受けていたところだ。
 ジャスタウェイは2014年に6馬身1/4で圧勝したドバイデューティーフリー(現ドバイターフ)が評価され、当時の世界1位を記録している。さらにロードカナロアの方も香港スプリントを連覇したことで当時の世界最強スプリンターの1頭として数えられ、極めて高い国際評価を受けていた。
 類稀なる「先見の明」によりまるで「預言者」のように、これまで数多くの歴史的成功馬を所有してきた金子オーナー。世界中から様々な血統馬を購入し、近年の競馬界を常にリードしてきたその眼には、今一体何が映っているのだろうか。
 現在の競馬界はもう何年もディープインパクトとキングカメハメハによる「2強時代」が続いている。だが、天才オーナーによる今年のセレクトセールの"動向"は「新時代の到来」を予感させるものだった。

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