グリーンセンスセラさんの競馬日記

佐々木主浩「凋落」<1>

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大魔神・佐々木主浩氏「凋落」はドロドロの人間関係!?<1> 福永祐一と「絶縁」後にM.デムーロの「裏切り」......競馬界で孤立無援か─ Gambling Journal ギャンブルジャーナル/ 2017年11月22日 11時0分 http://biz-journal.jp/gj/2017/11/post_5100.html

これが凋落の始まりなのだろうか。

 12日のエリザベス女王杯で1番人気に支持されたヴィブロスが、最後の直線で伸びを欠き5着に敗退する姿を見て、なんとなくそんなことを思ってしまった。

 無論、G1レースの1番人気が"飛ぶ"ことなど、そう珍しいことではない。先週のマイルCSのイスラボニータだって5着だった。

 ただ、ヴィブロスにとって、そしてオーナーの佐々木主浩氏にとっても海外G1初制覇となった3月のドバイターフで退けた馬たちが、その後ことごとく海外のG1で活躍。本馬はその後、秋まで休養したが、その間の国際的な評価は"うなぎのぼり"といった感じだった。退けたライバルたちが勝てば勝つほど、必然的に評価が上がっていったのだ。

 だからこそ、ヴィブロスにとって今秋のエリザベス女王杯は、まさに威厳を示さなければならないレースだった。そんな中での不甲斐ない敗戦。コース取りの差はあったものの、同じように好位から競馬したモズカッチャンが勝ったことも、この馬の評価を下げることに繋がっている。

 佐々木氏はこれで、この秋の重賞レースを1番人気で3連敗。シュヴァルグラン、ヴィブロスといった期待馬がビッグレースで人気を背負っての連敗は、相当なフラストレーションになっていてもおかしくはない。競馬なので当然こういうこともあるが、何せこれまでの佐々木氏の馬主ライフはあまりにも上手く行き過ぎていた。

 毎年わずか数頭を所有する、あくまで"地味"な個人馬主であるにもかかわらず、佐々木氏の所有馬の活躍はとにかく「派手」だった。

◆次のページ 佐々木氏の成功の隣には、JRAのトップジョッキーとして活躍する福永祐一騎手の姿が

 自らが師と崇めるアドマイヤ軍団の総帥・近藤利一氏と共有した初のJRA所有馬アドマイヤマジンが5勝を上げる活躍。JRAとしては3頭目の所有馬マジンプロスパーで重賞初制覇を飾ると、6頭目のヴィルシーナであっさりとG1制覇を成し遂げた。

 その後も所有馬がことごとく活躍。「大魔神」の愛称で日本だけでなくメジャーリーグでも大活躍した佐々木氏だけに、その派手な現役生活と相まって、馬主としての"強運"も即座に注目の的に。ディープインパクトの金子真人氏などと並ぶ「神馬主」としてメディアでも大きく取り扱われた。

 そんな佐々木氏の成功の隣には、JRAのトップジョッキーとして活躍する福永祐一騎手の姿があった。

 ヴィブロスの秋華賞を始め、佐々木氏のJRA通算49勝の内、14勝を上げ、重賞9勝中4勝を上げていた「マジン軍団」の主戦・福永騎手。佐々木氏とは2人で酒を酌み交わすほどの"蜜月"の関係にあった。だが、今年6月の宝塚記念(G1)のシュヴァルグランの騎乗を巡って対立。現在は絶縁状態にあるようだ。

 2人は宝塚記念の作戦を綿密に打ち合わせていたようだが、シュヴァルグランが逃げを選択したことで、すべてが台無しになった。結果は8着に惨敗。佐々木氏は事情を聞こうとしたが、福永騎手はその日そのまま妻・小林麻央さんを亡くしたばかりの市川海老蔵を激励に。連絡がつかなかったという。

 これで佐々木氏は激高。後で事情を知った福永騎手が何度も謝罪の電話を入れたそうだが、佐々木氏は一切応じなかったという。これで2人に大きな確執が生まれることとなったようだ。

◆次のページ “悪い流れ”が表面化したのが、今週のジャパンCの鞍上問題

 事情があったとはいえ、主戦騎手を失った佐々木氏。ただ、ヴィブロスにはC.ルメール騎手、シュヴァルグランにはM.デムーロ騎手というトップジョッキーを手配し、当初は何の問題もないように思われた。

 しかし、この秋の重賞1番人気3連敗は、いずれもこれらの主力、つまり本来なら福永騎手が騎乗するはずだった馬によってもたらされたものだ。無論、福永騎手が騎乗していれば勝っていたと述べるつもりはない。だが、馬主の"流れ"として決して好ましくないことは、誰の目にも明らかだろう。

 そして、その"悪い流れ"が表面化したのが、今週のジャパンCの鞍上問題だ。

 当初、ジャパンCに出走するシュヴァルグランにはデムーロ騎手が騎乗する予定だった。実際に、本馬の1週前追い切りにはデムーロ騎手が騎乗し、佐々木氏も『週刊ギャロップ』(サンケイスポーツ)のコラム内でデムーロ騎手とのコンビ継続を明言するなど、完全なる「既定路線」だったと述べても過言ではない。

 ところが外国馬のアイダホが、ジャパンC参戦を表明したことで事態は急転。デムーロ騎手のもう1頭のお手馬サトノクラウンにはR.ムーア騎手が騎乗する予定だったが、この英国人騎手はアイダホのオブライエン厩舎と主戦契約を結んでいる身。その結果、シュヴァルグランよりも人気を集めるであろう、サトノクラウンの鞍上が空白となったのだ。

◆次のページ 「禁断の乗り替わり劇」には両陣営だけでない「影」が

2頭の鞍上問題はもつれにもつれ、シャパンC当週を迎えてようやく決着した。"はじき出された"のは、シュヴァルグランの佐々木氏だ。デムーロ騎手は、サトノクラウンに騎乗することがほぼ決まった。

 まさかの"どんでん返し"を食らったシュヴァルグラン陣営が、即座に豪州の名手H.ボウマン騎手を確保できたことは不幸中の幸い。しかし、面白くないのは自身の発言が覆され、世間に赤っ恥をかくこととなった佐々木氏だ。

 まだ決着したばかりとあって、今回の舞台裏はまだ不明瞭な部分も多い。だが、この「禁断の乗り替わり劇」には両陣営だけでなく、「サトノ軍団」の総帥でありセガサミーグループの会長を務める里見治氏や、2頭を生産した社台グループの影があったことは想像に難しくはないだろう。(続く)
(文=浅井宗次郎)

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