山崎エリカさんの競馬日記

本日の見所(七夕賞など)

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2017年 プロキオンS、七夕賞
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●プロキオンS

地方で行われるダ1400mのグレードレースは、黒船賞、かきつばた記念、さきたま杯、サマーチャンピオン、オーバルスプリント、兵庫GTと数があります。しかし、中央で行われるダ1400mのグレードレースは、2月の根岸SとこのプロキオンSのみ。しかも、短距離戦は、12月に中山ダ1200mで行われるカペラSと併せても、計3レースしかありません。よって、このレースは必然的に好メンバーが集います。

また、このレースでは芝スタートで最初の3コーナーまでの距離が長いコースらしく、ペースが上がりやすいのがポイント。昨年のように逃げ、先行馬揃いだと、前半3F33秒台から34秒前半台になり、後半完全な減速戦になることもあります。今年も、外からナンチンノン、レヴァンテライオン、そして「前につけたい」とコメントしているウォータールルド。内から抵抗して行くベストマッチョ、アキトクレッセント、芝スタートだとそこまでテンが速くありませんが、包まれるのを嫌って出して行く可能性が高いトウケイタイガー。チャーリーブレイヴも、控えることを視野に入れつつ、あわよくば先行策を狙っていることでしょう。

ここまで逃げ、先行馬が揃うと、前半3F33秒台に突入するかはともかく、34秒台前半までペースが上がる可能性が高いでしょう。それくらいのペースだと、当然、差し、追い込み馬が有利ですが、逃げ、先行馬でも強ければ残れます。

また、展開上有利でも、根岸Sの勝ち馬カフジテイクはドバイ帰りの休養明けの一戦。レースが終わってから、帝王賞のアウォーディーのように「意外なほと伸びませんでした~」なんてコメントしている可能性も考えられなくはありません。ただし、アウォーディーほど消耗度の高いレースはしていなかったので、私は買い目に加えます。

さらにキングズガードは休養明けの前走・天保山特別で展開に恵まれて2着と好走した後となると、ドボンする可能性も十分あり、結論として、外枠の馬に行かせることで中団で立ち回ることになる可能性の高い馬を本命馬としました。ここへ来て地力を強化しているので、今回のメンバーが相手が相手でも足りるんじゃないでしょうか。


●七夕賞

「七夕賞は、七枠が有力」なんて言われたのは、七夕賞が夏の福島最終週に行われていた頃の話。当時は福島の馬場状態も悪く、最終日ともなると内側の芝がボロボロになって、外差しが決まってばかりでした。何も考えずに、外目の枠の差し馬のボックス馬券買っておけば、かる~く万馬券が獲れたこともありました。

ところが! 前回のコラムでもお伝えしたように、福島は2012年に芝を密度の濃いものに張り替えて以来、馬場高速化が顕著。さらに春の東京開催が2週延長されたことで、七夕賞は2回福島4日目に繰り上がりました。つまり、七夕賞当日は、大雨が降らない限り、高速馬場で行われることが多く、レースは末脚勝負。内目の枠から逃げ、先行馬ががんばることがよくあります。

しかし、七夕賞が行われる福島芝2000mの舞台はちょっと例外。最初の1コーナーまでの距離が約505mと長く(それでも中京ダ1400mのプロキオンSの舞台よりも短い)、さらにテンから2度の坂を下るために、福島芝1800mよりも前半が速くなる傾向があります。最初の下り坂でどうしてもダッシュがついてしまうので、逃げ、先行馬は予定以上にペースを上げてしまいます。その結果、ハイペースが生まれて、差し、追い込み馬が台頭するというのが例年のストーリー。昨年も綺麗に差し、追い込み馬の決着でした。

ただ、最初の直線が長いコースは、テンの遅い馬でもハナを主張することが出来るので、極端な話、鈍足な逃げ馬でも逃げることができます。先頭に立つまで時間が掛かるメジロパーマーのような馬でも逃げることが出来るし、また、スタミナがあれば逃げ切ることも可能なのがこの舞台です。その利点を味方につけて逃げ切ったのが、2008年のミヤビランベリであり、2014年のメイショウナルトです。2007年のミキノバンジョーなんかも道悪や直線の長いコースでは逃げ馬になれる馬で、このレースでは3着に好戦しています。

こういうコースなので、マルターズアポジーが仮にハンデ57.5㎏が堪えて、二の足がつかなかったとしても逃げられるし、前記した馬たちよりもスタートダッシュが速いマルターズアポジーならば、2番手以下を突き放して逃げることも不可能ではないはず。逆に自分はいつでも動けるからと、昨秋の福島記念のように向こう上面で後続を引きつけて引きつけて3コーナーから加速していくことも出来るでしょう。また、今年2月の小倉大賞典のときのように、淀みないペースで逃げ切ることも出来る馬なので、この馬本来の能力を出し切れれば、上位争いが濃厚でしょう。

しかし、真の逃げ馬は、展開云々よりも余力と前走でスタミナが補充できるレースが出来ているかどうかが大切。そうでなかったら、五分のスタートから二の足の速さで楽にキタサンブラックを突き放し、道中も楽に平均ペースに落とせた前走大阪杯で大失速などしません。こと展開に比重を置くのであれば、前走のレース運びは完璧だったはずです。このレースを荒らすも、荒らさないもマルターズアポジー次第であり、前走の敗因をどう考えるかが今回の勝敗の分かれ目となるでしょう。

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