山崎エリカさんの競馬日記

本日の見所(ファルコンS)

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2018年 フラワーC、ファルコンS
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●フラワーC

今開催は中山芝1800mで、中山記念、中山牝馬S、フラワーS、スプリングSと連続で重賞が行われます。前記4レースを総合的にペースが上がりやすい順にあげると、中山記念、中山牝馬S、スプリングS、フラワーCであることは先週の『見所』でお伝えしました。

中山牝馬Sのときと重複しますが、古馬トップクラスが集う中山記念は、ほとんどの馬が2コーナーの急坂の下りで勢いに乗せるため、道悪にでもならない限り、向こう上面でペースが緩むことはほとんどありません。それゆえに前が潰れることがよくあり、先行策から押し切った馬は、G1級の馬ばかり。

しかし、まだ体力のない3歳牝馬同士の戦いとなるフラワーCは、騎手が2コーナーの急坂をゆっくり下ることを意識するので、向こう上面でペースが上がらず、しばしば前残りが発生します。一昨年はアルビアーノの逃げ切りが決まり、昨年はエンジェルフェイスの逃げ切りが決まり、昨年は7番人気のドロウアカードが逃げて3着に粘りました。

実際にフラワーCの過去10年を振り返っても、中山記念に近いラップ構成になったのは、2008年のフラワーCのみ。この年は逃げ馬不在で、1番枠から押し出されるようにして逃げたのは1番人気馬ブラックエンブレム。本来、逃げ馬ではないブラックエンブレムが逃げたために、前半3Fのペースは過去10年でワーストタイムの37秒1。

前半3F目で13秒0まで緩んだだめに、外枠のスペルバインドが坂の下りで折り合いを欠いて向こう上面で捲る形。ブラックエンブレムはそれに応戦してペースを引き上げたために、中盤が速く、ラスト1Fで12秒3まで失速しました。この失速によって、500万下勝ちの実績もなかった8番人気の追い込み馬レッドアゲートがブラックエンブレムにアタマ差まで迫る結果。

ブラックエンブレムが強かったために何とか逃げ切りましたが、実際は、差し、追い込み馬が有利の流れでした。つまり、前半ペースが遅くとも中緩みせずに、差し、追い込みが決まってしまうことがよくあるのがこのコースの恐ろしさであり、面白さでもあります。

さて、今年はどうなるのかというと、明確な逃げ馬は不在でも逃げ馬候補がたくさんいるので、前半3Fのペースが速くなるのではないでしょうか。前半が上り坂のコースなので、ペースが上がると言っても前半3F目は36秒台前半くらい。過去3年のように良馬場前提で前半4F通過49秒台に持ち込めば前が相当有利になりますが、今年は楽ではなさそうです。平均ペースに近い形になることで、比較的に実力どおりの決着になるのではないでしょうか。


●ファルコンS

中京競馬場が新装オープンし、ファルコンSが芝1400mで行われるようになって今年で6年目。過去6年の逃げ馬の着順はと言うと、2012年エクセルシオール・17着、2013年カシノランナウェイ・14着、2014年ネロ・8着、2015年セカンドテーブル・9着、2016年ミスキララ・13着、2017年レジーナフォルテとことごとく馬群に沈んでいます。(全てフルゲート18頭立て)

過去6年の前半3F-後半3Fのレースラップは、2012年・34秒8-36秒8、2013年・34秒9-35秒5、2014年・33秒0秒-36秒3、2015年・34秒4-36秒9、2016年33秒3-3F39秒7(極悪馬場)、2017年・34秒0-35秒3。中京はビックアーサーが勝った2016年の高松宮記念より以前は、時計の掛かる馬場状態だったとはいえ、前半後半のペース落差が2.0秒を越える前傾ラップがほとんど。

来週の高松宮記念に出走予定のネロやセカンドテーブルも大きい着順になってしまっているのですが、前半後半のペース落差が2.0秒を越えるほどのハイペースでは仕方ないでしょう。ネロが8着に敗れた年は、シゲルカガが競り合ったために3.3秒も差があります。

つまり、ファルコンSは、全体的な傾向として、逃げ、先行馬がとても苦戦するレース。その一番大きな理由は、中京芝1400mという舞台が、スタートして約120mほど坂を上って、そこから4コーナー過ぎまで一気に坂を下って行くコースだからでしょう。馬場高速化によっていくらかはマシになっていますが、基本的には差し、追い込み馬が有利。

また、この時期の3歳馬は、レース経験を重ねて体力もつき、逃げ、先行馬が行くだけ、行かせるようなレースをさせるのも、このレースでオーバーペースが発生しやすい理由でしょう。もちろん、この先、スプリント路線に行くのか、マイル路線に行くのかも視野に入れて、全力疾走させたいなどの陣営の思惑もあるでしょう。

今年もモズスーパーフレアが逃げる展開。ペース落とせばアサクサゲンキや外から内に切り込んで来るタイセイブライドあたりが突いてくる可能性が高く、ハイペースが濃厚。デビュー2戦目の中京ダ1400mの芝スタート地点で好ダッシュを決めたミスターメロディも先行争いに加わってくる可能性が高いです。

しかし、差し、追い込み馬有利だからと言って、昨年のナイトバナレットように、追い込み馬をやみくもに狙うのも禁物。ナイキバナレットは前走のジュニアCで前崩れの流れに恵まれて勝利した馬でしたが、そういう馬に「再び」を期待しても9割方は無理でしょう。ファルコンSに限らずですが、能力と展開のバランスが重要なのです。

 ナイス!(26

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