グリーンセンスセラさんの競馬日記

AJCC(G2)にリアファル

 公開

225

打倒キタサンブラックへまずはここから......AJCC(G2)で「復活」を懸けるリアファルとタンタアレグリアが同世代の意地を見せる!━ Gambling Journal ギャンブルジャーナル/2017年01月19日 08時00分00秒
http://biz-journal.jp/gj/2017/01/post_2332.html


近かったようで届かなかったあの「背中」は、今はもう遥か遠くに行ってしまった。

 一昨年の第76回菊花賞(G1)。クラシックの主役を務めた春の2冠馬ドゥラメンテが不在の中、混戦を極めた最後の一冠を手にしたのは、まだその素質を開花させて間もないキタサンブラックだった。

 その一方で1番人気に推され、最も栄冠に近かったのがリアファルだ。残り200mで一度先頭に立ったものの0.1秒差の3着に敗れ、その後ろにはしぶとく脚を伸ばしたもののあと一歩届かなかったタンタアレグリアの姿もあった。

 そんな2頭が「復活」を懸け、22日に中山競馬場で開催されるAJCC(G2)に挑もうとしている。

 昨年、キタサンブラックがビッグレースで気持ち良さそうにスイスイと逃げる姿を見る度、「この馬が健在ならば」と思ったファンも多かったのではないだろうか。

 2015年秋の神戸新聞杯(G2)、主役不在のクラシック戦線に突如現れた「超新星」が、まだ芝に転向して2戦目のリアファルだった。抜群のスタートから先手を奪うと、あっさりと逃げ切り。実力馬のリアルスティールに2馬身差をつける圧勝劇を飾るとともに、菊花賞における「最大の惑星」に躍り出た。

 そんなリアファルをファンも高く評価していたことがうかがえるのが、その年の有馬記念(G1)だ。菊花賞を勝ったキタサンブラックが4番人気だったにもかかわらず、G1未勝利の本馬は3番人気に支持されていた。

 しかし、レース中に左前脚に異変を生じて最下位の16着に大敗。レ-ス直後は左肩のハ行と発表されていたがエコー検査の結果、左前脚のひざの裏に腱鞘炎を発症していることが判明。長期休養を余儀なくされた。

 それから約1年が経った昨年12月の金鯱賞(G2)でカムバックを果たしたリアファル。約1年ぶりのレース、馬体重も+18kgと厳しい条件だったが、復活を願うファンは3番人気に支持した。

 スタートで半歩ほど立ち遅れたリアファルは、無理せず好位に取り付く。マイネルラクリマが外から果敢にハナを奪いに行く中、パドルウィールが2番手に続き、その直後にリアファルを従えたまま1コーナーに飛び込んだ。

 レースは大きく縦長になったが、1000m通過は61.5秒と開幕週で良馬場の中京としては遅いペース。前にいた馬たちにとって有利な流れとなったが、当然後続がそれを許さない。

 残り800mを切った辺りで急激にペースが上がると馬群が凝縮。単騎で逃げていたマイネルラクリマのリードがあっという間になくなり、2番手からパドルウィールが並びかけたところが最後の直線の入り口だった。

 久々のためか、勝負所でやや立ち遅れたリアファルは少しポジションを落としたものの、内からサトノノブレスに、外からヤマカツエースに挟み込まれたところで闘争心に火が付く。しかし、やはり反応は鈍く、本来の走りを見せられないままゴール。最後はサトノノブレスにも競り負けての5着だった。

 しかし、これが約1年ぶりのレースであることを考慮すれば、勝ったヤマカツエースから0.2秒差の5着という結果は、決して悲観するような内容ではない。むしろ、復活に向けて確かな足掛かりを残したと評価して良いだろう。

 その後、短期放牧に出されたリアファルは、12日の1週前追い切りで坂路を51.2秒、ラスト12.9秒で駆け上がっている。ラストは足が上がり気味で併せ馬に遅れたが、管理する音無秀孝調教師は「少し太い」とジャッジ。

 脚部不安で長期の休養を強いられただけに調整は慎重にならざるを得ないが、今週でどこまで絞れてくるのかが鍵になりそうだ。

 無論、陣営からは「前走より息遣いがいい」というコメントもあり上積みは必至。潜在能力はここでは一枚上で、まともに走りさえすれば、神戸新聞杯の時のような圧勝劇があってもおかしくない存在だ。また、馬体を絞りたいだけに中山への輸送があるのもプラス材料といえるだろう。

 一方で、ここが9カ月ぶりの復帰戦となるタンタアレグリアは、18日に美浦のWコースで行なわれた最終追い切りで軽快な動きを披露。ディープジュエリー(1000万下)を2馬身先に行かせながらも、最後はきっちりと半馬身先着を果たしている。

 前走となる昨春の天皇賞では、勝ったキタサンブラックに0.3秒差の4着。その能力と実績はここでは格上の存在だが、ここ4走で3000m超の距離を使われている通り、陣営は「距離は少し忙しい」とのことだ。

 だが、実はセントライト記念(G2)で中山2200mを走った際は6着に敗れたものの、勝ったキタサンブラックには0.2秒差と最も差を詰めている。中山コースを知り尽くしている主戦の蛯名正義騎手も「動きが良くなってきた」と手応えを感じているようだ。

 確かに、年度代表馬まで登りつめたキタサンブラックの「背中」は、今はもう遥か遠くに行ってしまったのかもしれない。だが、それが彼らの足を止める理由にはならないはずだ。

 まだ借りを返すチャンスは残っている。頂点を極めた「主役」を引きずり降ろすために、「脇役」にされた馬たちの逆襲のシーズンが幕を開ける。

この日記へのコメント

コメントはありません。

関連競馬日記

新着競馬日記

人気競馬日記