グリーンセンスセラさんの競馬日記

レイデオロが皐月賞直行

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レイデオロが弥生賞(G2)をパス......皐月賞(G1)直行へ。藤沢和雄調教師の「クラシック直行」で思い出される2歳女王での「大失敗」━ Gambling Journal ギャンブルジャーナル/2017年02月03日 07時00分00秒 http://biz-journal.jp/gj/2017/02/post_2482.html

 2日、デビュー3連勝でホープフルS(G2)を制し、今春のクラシック有力候補といわれているレイデオロ(牡3歳、美浦・藤沢和雄厩舎)が、トライアルを使わずに皐月賞(G1)へ直行する可能性が高まったとキャロットクラブが公式ホームページ上で発表した。

 昨年末のホープフルSを制した後、3月の弥生賞(G2)からの始動が予定されていたレイデオロ。しかし、ソエ(若駒特有の管骨骨膜炎)の症状が思わしくなく、弥生賞の出走を見送ることが判明。場合によっては、本番となる皐月賞(G1)へ直行する可能性が高まってきた。

 昨年末は、関東の名門・藤沢和雄厩舎が大きく躍進した。

 管理馬のソウルスターリングが阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)を制して2歳女王に、それだけでなくサトノアレスも朝日杯フューチュリティS(G1)を勝って2歳王者となり、藤沢厩舎は競馬史上初めて牝牡の2歳王者を同時に持つ厩舎となったのだ。

 そこにホープフルSを勝ったレイデオロが加わり、2歳戦の栄華を極めた藤沢厩舎。今春のクラシックの主導権を握っていることは誰の目にも明らかだ。

 しかし、今回のレイデオロの"アクシデント"は、悲願の牡馬クラシック制覇に向けビッグチャンスが訪れている藤沢厩舎の勢いに、大きな「影」を落とす一件となったはずだ。ちなみにオープンレース時代も含め、ホープフルSからの直行で皐月賞を勝った馬はいない。

 無論、馬の体調が最も優先されるべきであるのは述べるまでもない。

 この時期の3歳馬は非常に調整が難しく、藤沢調教師も過去に2歳王者のバブルガムフェローで皐月賞トライアルのスプリングS(G2)を勝利したものの、その後の骨折で春のクラシックを棒に振った苦い経験がある。

 したがって、今回のレイデオロに関しても慎重に慎重を期すのは当然の判断なのだが、どうしても思い出されるのは、かつて藤沢厩舎で2歳女王となったスティンガーだ。昨年にソウルスターリングが阪神JFに出走する際、藤沢調教師が「スティンガーよりは上」と比較対象に出した、あの馬である。


 1998年に、デビューからわずか1カ月足らずで2歳女王に登りつめたスティンガー。無敗の3連勝を飾っての戴冠は、当然ながら将来を嘱望される存在だった。だが、スティンガーは翌年の桜花賞(G1)にトライアルを挟まずに直行。

 1番人気に推されたものの、スタートで出遅れて12着に大敗している。

 ファンの期待を大きく裏切ったことも影響したのだろう。異例のローテーションを組んだ藤沢調教師には、一部のメディアやファンから批判が相次いだ。それもこのレースには長年、藤沢厩舎と懇意の関係を続けてきた大ジョッキー・岡部幸雄の八大競走完全制覇も懸かっていたのである。

 無論、その背景にはデビューからわずか1カ月足らずで、G1を含む3連戦を戦ったスティンガーのダメージを考慮した采配があった。だが桜花賞の大敗後、オークス(G1)に直行せずにトライアルの4歳牝馬特別(G2、現・フローラS)を使う、これまた異例のローテーションを組んだことが批判に拍車を掛けたのだ。

 結果的にスティンガーは4歳牝馬特別を勝利。距離が不安視されたオークスでも4着に好走し、藤沢調教師は見事な立て直しを見せたことになる。

 しかし、古馬になっても京王杯スプリングC(G2)の連覇や京都牝馬特別(G3、現・京都牝馬S)を制したスティンガーの能力を考慮すれば、果たしてトライアルを使って桜花賞に臨んでいれば......という"遺恨"が消えることはないだろう。

 あれから18年。藤沢調教師はダンスインザムードで2004年の桜花賞を制し"リベンジ"を果たしたが、クラシック制覇は未だその1冠だけだ。今年で66歳を迎える年齢を鑑みても、今春のクラシックが最後にして最大のチャンスになる可能性は高い。

 果たして、「3本の矢」を揃えた藤沢調教師は今年、いくつの悲願を達成するのだろうか。いずれにせよ、"暗雲"が立ち込み始めたレイデオロには、悔いのないローテーションを組んでもらいたいところだ。

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