グリーンセンスセラさんの競馬日記

マイルチャンピオンシップ(G1) モノガタリ 名マイラー・ダイワメジャー

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マイルチャンピオンシップの記憶~歴史に残る名マイラー・ダイワメジャーとアンカツの連覇~9━ Gambling Journal ギャンブルジャーナル/2016年11月18日 12時03分00秒 http://biz-journal.jp/gj/2016/11/post_1839.html

 数あるJRAのG1レースの中でマイルチャンピオンシップほど多彩な路線の馬が勝利しているレースはないだろう。3200mの天皇賞・春で2着に好走したトーセンラー、2000mの天皇賞・秋を優勝したカンパニー、ダート戦しか勝利実績のなかったアグネスデジタル、スプリンターズステークスを優勝したタイキシャトルやデュランダルなどその実績は多種多彩。マイルチャンピオンシップは各路線で活躍した馬が集結する珍しいレースでもある。

 過去にマイルチャンピオンシップを連覇したのはニホンピロウイナー、ダイタクヘリオス、タイキシャトル、デュランダル、ダイワメジャーの5頭。中でもダイワメジャーはマイルチャンピオンシップ2勝のほか、天皇賞・秋、安田記念、皐月賞とG1レースを5勝、さらに2年連続有馬記念3着、ドバイデューティーフリー3着と国内外のあらゆる条件で活躍し、2年連続でJRA賞の最優秀短距離馬に選ばれた歴史に残る名マイラーだ。

 ダイワメジャーは当時日本競馬を席捲していたサンデーサイレンス産駒で、3歳時は10番人気という低評価で皐月賞を優勝。その時の鞍上は短期免許で来日していたミルコ・デムーロというのも興味深い。しかし同馬は喘鳴症という喉の病気を抱え本来の能力を発揮できない状態にあった。その後当時で成功確率1~2割程度の手術を受けるため3歳暮れに休養に入り、翌4月の復帰戦であるダービー卿CT(G3)を見事勝利。しかしその後はあと一歩の成績が続き5戦して2着3回。特にマイルチャンピオンシップは勝ち馬と同タイムハナ差の2着と惜しい競馬だったが、関係者は復活に自信を深めた。

 そんな同馬を一変させたのがアンカツの愛称で知られる安藤勝己騎手だ。2003年に地方競馬からJRAへ移籍したアンカツは、2004年の日本ダービーをキングカメハメハで優勝するなど絶頂期にいた。そして2006年4月のマイラーズカップ(G2)でダイワメジャーと初コンビを組んで1年ぶりの重賞勝利。そして秋の毎日王冠、天皇賞を連勝して臨んだ第23回マイルチャンピオンシップは、ダンスインザムード、ハットトリック、テレグノシス、ロジック、コートマスターピースといったG1ホースの中で堂々の1番人気に支持され、2着ダンスインザムードをおさえて前年2着の悔しさを晴らす初勝利。

「最後にダンスインザムードが来たけど負ける気はしなかった。本当に強い競馬だったよ」

 と鞍上のアンカツは語り、最強マイラーの地位を不動のものとした。その後年末の有馬記念に出走し3着、翌年はドバイで行われた国際競走のドバイデューティフリーに出走、上位人気で勝利が期待されたが結果はアドマイヤムーンの3着。

 しかし帰国後に出走した安田記念を勝利し国内マイルG1レース2連勝を達成。春のグランプリ宝塚記念は12着、連覇を狙った天皇賞・秋は斜行したエイシンデピュティに不利を受け無念の9着に敗退となった。

 そして舞台は昨年に続く連覇、そしてマイルG1レース3連勝を目指して出走した第24回マイルチャンピオンシップ。宝塚記念、毎日王冠、天皇賞・秋と連敗続きではあったが、ファンの期待は高く再び昨年に続く1番人気に支持された。

 この年はスズカフェニックス、コイウタ、ピンクカメオ、カンパニー、フサイチリシャール、ローレルゲレイロ、スーパーホーネット、アグネスアークといった実力馬が顔を揃えたが、国内マイル路線はやはりダイワメジャーの独壇場、ここも危なげない競馬で見事連覇を達成。このマイルチャンピオンシップを経て獲得賞金は10億円を超え、さらに妹のダイワスカーレットはこの年にアンカツとのコンビで桜花賞、秋華賞、エリザベス女王杯とG1レース3勝の活躍、ダイワメジャーと兄妹でこの年G1レース5勝という快挙を成し遂げたのである。

 引退レースとなった有馬記念はダイワスカーレットと兄妹で出走。鞍上はアンカツがダイワスカーレットに騎乗し、ダイワメジャーは皐月賞を制したミルコ・デムーロと再コンビを結成。同じ脚質のダイワスカーレットに配慮してか本来の持ち味を出すことはできなかったが、それでも2年連続の3着に好走。レース後に中山競馬場で引退式が行われ、種牡馬となるべく北海道へ旅立っていった。

 日本競馬を変えたといわれる名種牡馬サンデーサイレンスを代表する名マイラーであったダイワメジャーは、父サンデーサイレンスが死後も種牡馬として大活躍。今年もメジャーエンブレムがNHKマイルカップ(G1)を優勝したほか、ソルヴェイグ、レーヌミノル、ブルドッグボスなどが各路線で活躍している。そして今週の第33回マイルチャンピオンシップにはサンライズメジャーが父に次ぐ勝利を目指して出走する。父が連覇を果たしたこの舞台でどんな走りを見せてくれるだろうか。

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