グリーンセンスセラさんの競馬日記

武豊騎手「聖域(ゾーン)」??

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武豊騎手が1分間で見せた"超感覚"が凄すぎる「テニスの錦織圭」と「競馬の武豊」2人のカリスマが語る特殊な「聖域(ゾーン)」とは━ Gambling Journal ギャンブルジャーナル 2017年02月08日 08時00分00秒/ http://biz-journal.jp/gj/2017/02/post_2525.html

「もう一度、リーディングを獲りたい」

 2017年の年明けから、各所でそう宣言している武豊騎手の「神騎乗」が止まらない。

 先週の競馬を終えた時点で全国2位の15勝。トップを走る田辺裕信騎手とは、わずか1勝差に詰め寄っている。それも先月21日の「マカオ国際男女 混合ジョッキーズチャレンジ」に参加したため、丸1週間騎乗していないにもかかわらずの成績だ。

 実際に武豊騎手の騎乗数は、田辺騎手の96鞍よりも33も少ない63鞍。それで1勝差ということもあって勝率、連対率、3着以内率ともに断トツの数字を叩き出している。一時的とはいえ、勝率の.238は年間212勝のJRA記録を達成した2005年の.248に迫る数字。連対率以下は、その当時をも上回っている。

 まさに「全盛期」を彷彿とさせるような、神懸った勝負強さを見せている今の武豊騎手。その充実した騎乗内容の一部が垣間見えたのが、今年の重賞2勝目を上げた先月29日のシルクロードS(G3)だった。

 もともとゲートに難のあるダンスディレクターで難なく好スタートを決めると、無理せず後方へ。一見、ややもったいない感もあったが、先頭では1番人気のネロと2番人気のソルヴェイグらが激しいハナ争いを展開している。

 結局、後方10番手まで位置取りを下げた武豊騎手だったが、勝負所で行きたがるダンスディレクターを上手く宥めると、最後の直線で末脚が爆発。2着馬との着差こそクビ差だったが手応えには歴然とした差があり、トップハンデ馬を見事にレース史上初の連覇に導いた。

 このレースぶりを絶賛したのが、ダンスディレクターを管理する笹田和秀調教師だ。

『東京スポーツ』の取材に、当初は「スタートが決まったのに下げ過ぎじゃないか......」と不安になったようだが、目の覚めるような快勝劇を前に「上手く内をさばいて、最後は伸びてくれた。言うことがない」と手放しで鞍上の騎乗を称えている。

 さらにこの騎乗ぶりがどれほど「神懸り」だったかということは、武豊騎手自身が『週刊大衆』で連載する自身のコラム内で語っている。

「ダンスディレクターに関しては、前半は後方待機、4コーナーでうまく内をさばいて、ラストは外から――道中、ムダな動きさえしなければ最後は弾けてくれるはずという、ほぼ100%、思い描いていた通りの競馬で勝つことができました」

 レースをそう振り返る天才騎手だが、驚愕すべきはその次の言葉だ。


「脚をなくした先行馬が、どこから下がり始め、どこで馬一頭分の隙間ができるのか? すべて見えていたような気がします」

競馬における1200mは古くから「電撃の6ハロン戦」と例えられているように、わずか1分少々で決着する一瞬の勝負である。

一つのミスが"致命傷"になることは珍しくなく、例えば昨秋のスプリンターズS(G1)では1番人気のビッグアーサーに騎乗していた福永祐一騎手が、一瞬の判断を誤って大敗を喫している。

シルクロードS(G3)は、そんな瞬時の判断力が何度も要求されるスプリント戦なのだが、そこで武豊騎手は「すべてが見えていた」というのだ。

無論、そこには30年以上の時間を「日本のトップ騎手」として重ねてきた膨大な経験の裏打ちがあることは間違いない。だが、これほど人間離れした集中力の発揮は、あの時の武豊騎手がアスリート特有の極限状態「聖域(ゾーン)」と呼ばれるものに入っていたのではないだろうか。

昨年末、テニスの錦織圭選手がB'zの稲葉浩志との対談の中で「聖域」について語っているが、年間60~70試合程度をこなしている錦織選手が「聖域」に入るのは、年に1度か2度あるかないかだそうだ。

ただし、1ポイントや1セットなどの「短時間の聖域」であれば、試合中に遥かに高い頻度で訪れることがあるという。おそらく武豊騎手がシルクロードS の1分7秒8の間に見せた"超感覚"は、そういった「聖域」だったのかもしれない。

「ここが開くと思ったときには、もう飛び込んでいる。時間にしたらゼロコンマ何秒の世界です。後は、そこに飛び込む勇気と覚悟があるかどうか」

その時の心境をそう綴っている武豊騎手。一般的に「聖域」とは膨大な経験と鍛錬、その上に充実した技術と精神が伴って初めて「訪れる可能性がある」といわれている。

キャリアの晩年を迎えているはずの競馬界のカリスマは、今まさに「心技体」が完成された状態に近づいているのかもしれない

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